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第2部 天然女子高生のための再そーかつ
第60話 ゴーストライター
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東京都千代田区にある私立マルクス高等学校は(後略)
「まなちゃんまなちゃん、また現代文の試験で赤点取っちゃったよ!!」
「今回もですか? 再試頑張ってくださいね」
ある日の放課後、6限目の授業を終えて硬式テニス部の練習に行こうとした私は1年生の教室に飛び込んできた赤城旗子先輩に話しかけられた。
「私いっつも現代文赤点だけど、大体あの科目理不尽だよ! 作者が何を伝えたかったかなんて作者以外に分かる訳ないのに、数十年以上前の評論とか小説なんてもっと分かんないよ!!」
「気持ちは分かりますけど、一つの文章が客観的にどう解釈されるかを学ぶのも現代文の学習目標なので……」
完全に国語科の金坂先生の受け売りだが、私は現代文で点が取れないと嘆くはたこ先輩に冷静にそう伝えた。
「おやっ、そちらは野掘殿のご先輩ですか?」
「あっ、円城寺君。そうそう、テニス部の赤城先輩なんだけど、現代文で点が取れないんだって」
ちょうど帰ろうとしていた同じクラスの円城寺網人君も大騒ぎしているはたこ先輩に気づき、私に話しかけてきた。
「そうなんだよ! 君は何か解決策持ってない!?」
「あるにはありますが、若干危険性がありますね。ですが、作者の気持ちをこれ以上なく直接的に理解できる方法ではあります」
「それなら試してみたいよ! メッセージアプリの連絡先交換するから後で教えて!!」
はたこ先輩は大喜びで円城寺君と連絡先を交換し、現代文の試験で高得点を取る方法を教わったようだった。
その翌週。2年生の教室で、はたこ先輩は金坂先生の監督のもと再試を受けていた。
「では、今から現代文の再試験を始めます。題材は本試験と同様にカール・マルクス大先生の『資本論』の日本語訳です」
「赤き炎来たれり、革命の魂ここに現れり、そこいらの、地上の楽園の、金の鎌と槌にて何を問う、共産党宣言の言葉にあるか、針葉樹の森林を行く者か……」
「あの、赤城さん?」
「我はカール・マルクス。我が『資本論』で伝えたかったのはこのようなことではあらず、後世の解釈に遺憾の意を表する他なし」
「試験中の独語は失格扱いになるんだけど……」
「まなちゃんまなちゃん、試験中に降霊術でマルクス大先生を呼び出したのに失格扱いになっちゃったよ! 数十年ぶりの再々試らしいよ!!」
「は、ははは……」
ゴーストライターの是非はともかくとして、降霊術を練習している時間があれば勉強すればいいのにと私は率直に思った。
(再最終話に続く)
「まなちゃんまなちゃん、また現代文の試験で赤点取っちゃったよ!!」
「今回もですか? 再試頑張ってくださいね」
ある日の放課後、6限目の授業を終えて硬式テニス部の練習に行こうとした私は1年生の教室に飛び込んできた赤城旗子先輩に話しかけられた。
「私いっつも現代文赤点だけど、大体あの科目理不尽だよ! 作者が何を伝えたかったかなんて作者以外に分かる訳ないのに、数十年以上前の評論とか小説なんてもっと分かんないよ!!」
「気持ちは分かりますけど、一つの文章が客観的にどう解釈されるかを学ぶのも現代文の学習目標なので……」
完全に国語科の金坂先生の受け売りだが、私は現代文で点が取れないと嘆くはたこ先輩に冷静にそう伝えた。
「おやっ、そちらは野掘殿のご先輩ですか?」
「あっ、円城寺君。そうそう、テニス部の赤城先輩なんだけど、現代文で点が取れないんだって」
ちょうど帰ろうとしていた同じクラスの円城寺網人君も大騒ぎしているはたこ先輩に気づき、私に話しかけてきた。
「そうなんだよ! 君は何か解決策持ってない!?」
「あるにはありますが、若干危険性がありますね。ですが、作者の気持ちをこれ以上なく直接的に理解できる方法ではあります」
「それなら試してみたいよ! メッセージアプリの連絡先交換するから後で教えて!!」
はたこ先輩は大喜びで円城寺君と連絡先を交換し、現代文の試験で高得点を取る方法を教わったようだった。
その翌週。2年生の教室で、はたこ先輩は金坂先生の監督のもと再試を受けていた。
「では、今から現代文の再試験を始めます。題材は本試験と同様にカール・マルクス大先生の『資本論』の日本語訳です」
「赤き炎来たれり、革命の魂ここに現れり、そこいらの、地上の楽園の、金の鎌と槌にて何を問う、共産党宣言の言葉にあるか、針葉樹の森林を行く者か……」
「あの、赤城さん?」
「我はカール・マルクス。我が『資本論』で伝えたかったのはこのようなことではあらず、後世の解釈に遺憾の意を表する他なし」
「試験中の独語は失格扱いになるんだけど……」
「まなちゃんまなちゃん、試験中に降霊術でマルクス大先生を呼び出したのに失格扱いになっちゃったよ! 数十年ぶりの再々試らしいよ!!」
「は、ははは……」
ゴーストライターの是非はともかくとして、降霊術を練習している時間があれば勉強すればいいのにと私は率直に思った。
(再最終話に続く)
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