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第4部 天然女子高生のための大そーかつ
第105話 テスラ缶
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東京都千代田区にある私立マルクス高等学校は(後略)
「うわっ、先輩何ですかその段ボール。見たところ結構重そうですけど」
ある朝登校していた私は、硬式テニス部所属の2年生である赤城旗子先輩が何かが大量に入った大型の段ボールを台車で運搬している姿を目にした。
「この前漫画雑誌の広告にあったから注文してみたんだよ! テスラ缶っていう医療機器で、置いておくだけで使用者の生命エネルギーを増幅してくれるんだよ」
「いかにも漫画雑誌の広告っぽい商品ですけど、これ学校に持っていかれるんですか? 生命エネルギー増幅って一体?」
「えっとね、このテスラ缶はテスラ缶の中でも道真缶っていうタイプのやつで、生命エネルギーの中でも使用者の学力エネルギーを増幅してくれるんだよ。半径100メートルにしか効果がないみたいだから、学校の色んな所に置いておこうと思って」
「な、なるほど……」
はたこ先輩は劣等生脱出のために怪しげなグッズを購入してしまったらしく、先輩としては平常運転だと思った。
「放課後に道真缶の設置作業をやるから、まなちゃんも手伝ってくれない? お礼にお昼ご飯おごるよ」
「分かりました、じゃあ手伝います。せめて人の迷惑にならない所に置きましょうね……」
昼食代につられて私ははたこ先輩を手伝うことに決め、私たちは放課後に空き教室で落ち合った。
「この道真缶は特殊なテスラ缶だから使い方の説明書があって……あ、これだよ」
「A4用紙1枚みたいですね。どれどれ……」
>これであなたも明日から優等生! 道真缶の使い方
>(1)学力エネルギー増幅装置を起動するため、道真缶にシグナルを送る必要があります。英単語や歴史の年号など、暗記したい勉強の内容を道真缶の表面に自力で書き込んでください。
>(2)道真缶は3個1セットでないと効力を発揮しません。同じ内容を必ず3個の道真缶に書き込んでください。
>(3)道真缶は半径100メートルに学力エネルギー増幅作用を発揮しますが、シグナルを送った人が定期的に接触しないと効力を失います。必ず1日3回は道真缶を手に取って表面の様子を確認してください。
「よく分かったよ、今から書き込むから設置はまなちゃんに任せたよ! 後で置いた場所教えて!!」
「はあ……」
はたこ先輩は段ボールから道真缶を取り出すと今度の中間テストの全範囲の内容をマジックペンで書き込み始め、その作業は2時間ほど続いた。
先輩が書き込むのと並行して私は硬式テニス部室など校内で迷惑にならない所に道真缶を設置していき、先輩は翌日からその様子を毎日見に行っていた。
そして……
「まなちゃんまなちゃん、今回の中間テスト久々に再試なしだったよ! これも全部道真缶のおかげだよ!!」
「は、ははは……」
放課後に大喜びしながら硬式テニス部室に駆けこんできたはたこ先輩に、私は昔流行った睡眠学習装置みたいだなあと思った。
(続く)
「うわっ、先輩何ですかその段ボール。見たところ結構重そうですけど」
ある朝登校していた私は、硬式テニス部所属の2年生である赤城旗子先輩が何かが大量に入った大型の段ボールを台車で運搬している姿を目にした。
「この前漫画雑誌の広告にあったから注文してみたんだよ! テスラ缶っていう医療機器で、置いておくだけで使用者の生命エネルギーを増幅してくれるんだよ」
「いかにも漫画雑誌の広告っぽい商品ですけど、これ学校に持っていかれるんですか? 生命エネルギー増幅って一体?」
「えっとね、このテスラ缶はテスラ缶の中でも道真缶っていうタイプのやつで、生命エネルギーの中でも使用者の学力エネルギーを増幅してくれるんだよ。半径100メートルにしか効果がないみたいだから、学校の色んな所に置いておこうと思って」
「な、なるほど……」
はたこ先輩は劣等生脱出のために怪しげなグッズを購入してしまったらしく、先輩としては平常運転だと思った。
「放課後に道真缶の設置作業をやるから、まなちゃんも手伝ってくれない? お礼にお昼ご飯おごるよ」
「分かりました、じゃあ手伝います。せめて人の迷惑にならない所に置きましょうね……」
昼食代につられて私ははたこ先輩を手伝うことに決め、私たちは放課後に空き教室で落ち合った。
「この道真缶は特殊なテスラ缶だから使い方の説明書があって……あ、これだよ」
「A4用紙1枚みたいですね。どれどれ……」
>これであなたも明日から優等生! 道真缶の使い方
>(1)学力エネルギー増幅装置を起動するため、道真缶にシグナルを送る必要があります。英単語や歴史の年号など、暗記したい勉強の内容を道真缶の表面に自力で書き込んでください。
>(2)道真缶は3個1セットでないと効力を発揮しません。同じ内容を必ず3個の道真缶に書き込んでください。
>(3)道真缶は半径100メートルに学力エネルギー増幅作用を発揮しますが、シグナルを送った人が定期的に接触しないと効力を失います。必ず1日3回は道真缶を手に取って表面の様子を確認してください。
「よく分かったよ、今から書き込むから設置はまなちゃんに任せたよ! 後で置いた場所教えて!!」
「はあ……」
はたこ先輩は段ボールから道真缶を取り出すと今度の中間テストの全範囲の内容をマジックペンで書き込み始め、その作業は2時間ほど続いた。
先輩が書き込むのと並行して私は硬式テニス部室など校内で迷惑にならない所に道真缶を設置していき、先輩は翌日からその様子を毎日見に行っていた。
そして……
「まなちゃんまなちゃん、今回の中間テスト久々に再試なしだったよ! これも全部道真缶のおかげだよ!!」
「は、ははは……」
放課後に大喜びしながら硬式テニス部室に駆けこんできたはたこ先輩に、私は昔流行った睡眠学習装置みたいだなあと思った。
(続く)
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