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第6部 天然女子高生のための重そーかつ
第151話 インボイス制度
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東京都千代田区にある私立マルクス高等学校は今時珍しい革新系の学校で、在学生にはリベラルアーツ精神と左派系の思想が叩き込まれている。
「試験インボイス制度反対ー! ハテシナ先生は今すぐ高2主任を辞任せよー!!」
「うわっどうしたんですか先輩、中庭でお友達とデモですか?」
ある朝登校した私、野掘真奈は硬式テニス部所属の2年生である赤城旗子先輩があまり勉強ができなそうな男子生徒数名と中庭でデモ行進しているのを目にした。
「ハテシナ先生が今学期から試験インボイス制度っていうのを導入するって言い出して、そのせいで出席状況や小テストの点数がICカードで把握されて成績に反映されちゃうんだよ。これじゃ代返もノー勉強小テストもできないよ!!」
「えーと、そのインボイス制度っていうのがよく分からないので詳しく説明して貰えませんか?」
私がそう言うとはたこ先輩は果科大空先生が導入を予定している試験インボイス制度の説明文書が貼られた掲示板まで私を連れていき、要するに昨今話題の適格請求書等保存方式(インボイス制度)にならって学校側が各生徒の出席状況や小テストの点数を電子端末で把握し、それに応じて最終的な成績を決めるという仕組みらしかった。
この高校ではこれまで出席状況や小テストの点数は各教員が個別に把握しており、先生によっては出席の取り方がいい加減だったり小テストの点数が最終的な成績に反映されなかったりしていたが今度からは新生徒証を兼ねたICカードで確実に把握されるようになるらしい。
「本来のインボイス制度の是非はともかく、このシステム自体は特に問題ないんじゃないですか? 授業をさぼったりろくに小テストの勉強をしなかったりするダメ生徒が損するだけで済みますし。あ、それはたこ先輩のことでしたね」
「まなちゃん最近言い方がきついよ!!」
「ほほう、あなたたちは私が推し進める施策にそのような理由で反対するというのですね。それならこちらにも考えがあります」
噂をすれば影ということなのか、職員室の方から腕を組んで歩いてきたのは少し前に超進学校である私立ハイエク国際高校から招致された数学科・情報科主任の果科先生で、彼女はサディスティックな表情ではたこ先輩を見ていた。
「おかしいですよハテシナ先生! 大体こんな制度を導入しても私たちみたいな劣等生は真面目に勉強なんてしませんよ! そうだ、生徒証をICカードに変えたり成績管理システムを導入したりしたら多額の費用がかかるのに、そんなの先生の一存で決めていい訳ないですよ!!」
「うわあ、何かもっともらしい理屈を並べてる……」
「分かりました、それなら費用がかからない方法で同じような成果を上げてみせます。明日までに改めて告知しますからどうぞ楽しみに待っていなさい」
果科先生は何かを思いついた様子でそう言うと職員室に戻っていき、予定されていた試験インボイス制度は中止になるということではたこ先輩とその仲間たちはほっと安心していた。
そして翌日……
>「成績インボイス制度」の導入と対象者についての告知
>導入を予定していた試験インボイス制度は生徒からの問題点の指摘を受けて中止とし、今学期末のテストより代わって成績インボイス制度を導入します。
>この制度では成績が学年下位50%の生徒は出席状況および小テストの点数を最終的な成績に一切加味せず、中間・期末テストの素点のみに基づいて単位認定の可否を判定します。
>益税ならぬ益得点は設けませんので、どうぞ己の実力のみで勝負してください。
「ハテシナ先生、私情報は全出席したから1点ぐらい足りなくても単位認定してくださいよ! 他にも再試沢山あるのに情報で再試なんてあんまりですよ!!」
「今更何言っとんじゃあああああああ!!」
「ぐぎゃー!!」
1か月後、中庭にいた果科先生に泣きながらすがりついたはたこ先輩に、果科先生は激怒すると先輩を背負い投げで花壇へと放り投げたのだった。
(続く)
「試験インボイス制度反対ー! ハテシナ先生は今すぐ高2主任を辞任せよー!!」
「うわっどうしたんですか先輩、中庭でお友達とデモですか?」
ある朝登校した私、野掘真奈は硬式テニス部所属の2年生である赤城旗子先輩があまり勉強ができなそうな男子生徒数名と中庭でデモ行進しているのを目にした。
「ハテシナ先生が今学期から試験インボイス制度っていうのを導入するって言い出して、そのせいで出席状況や小テストの点数がICカードで把握されて成績に反映されちゃうんだよ。これじゃ代返もノー勉強小テストもできないよ!!」
「えーと、そのインボイス制度っていうのがよく分からないので詳しく説明して貰えませんか?」
私がそう言うとはたこ先輩は果科大空先生が導入を予定している試験インボイス制度の説明文書が貼られた掲示板まで私を連れていき、要するに昨今話題の適格請求書等保存方式(インボイス制度)にならって学校側が各生徒の出席状況や小テストの点数を電子端末で把握し、それに応じて最終的な成績を決めるという仕組みらしかった。
この高校ではこれまで出席状況や小テストの点数は各教員が個別に把握しており、先生によっては出席の取り方がいい加減だったり小テストの点数が最終的な成績に反映されなかったりしていたが今度からは新生徒証を兼ねたICカードで確実に把握されるようになるらしい。
「本来のインボイス制度の是非はともかく、このシステム自体は特に問題ないんじゃないですか? 授業をさぼったりろくに小テストの勉強をしなかったりするダメ生徒が損するだけで済みますし。あ、それはたこ先輩のことでしたね」
「まなちゃん最近言い方がきついよ!!」
「ほほう、あなたたちは私が推し進める施策にそのような理由で反対するというのですね。それならこちらにも考えがあります」
噂をすれば影ということなのか、職員室の方から腕を組んで歩いてきたのは少し前に超進学校である私立ハイエク国際高校から招致された数学科・情報科主任の果科先生で、彼女はサディスティックな表情ではたこ先輩を見ていた。
「おかしいですよハテシナ先生! 大体こんな制度を導入しても私たちみたいな劣等生は真面目に勉強なんてしませんよ! そうだ、生徒証をICカードに変えたり成績管理システムを導入したりしたら多額の費用がかかるのに、そんなの先生の一存で決めていい訳ないですよ!!」
「うわあ、何かもっともらしい理屈を並べてる……」
「分かりました、それなら費用がかからない方法で同じような成果を上げてみせます。明日までに改めて告知しますからどうぞ楽しみに待っていなさい」
果科先生は何かを思いついた様子でそう言うと職員室に戻っていき、予定されていた試験インボイス制度は中止になるということではたこ先輩とその仲間たちはほっと安心していた。
そして翌日……
>「成績インボイス制度」の導入と対象者についての告知
>導入を予定していた試験インボイス制度は生徒からの問題点の指摘を受けて中止とし、今学期末のテストより代わって成績インボイス制度を導入します。
>この制度では成績が学年下位50%の生徒は出席状況および小テストの点数を最終的な成績に一切加味せず、中間・期末テストの素点のみに基づいて単位認定の可否を判定します。
>益税ならぬ益得点は設けませんので、どうぞ己の実力のみで勝負してください。
「ハテシナ先生、私情報は全出席したから1点ぐらい足りなくても単位認定してくださいよ! 他にも再試沢山あるのに情報で再試なんてあんまりですよ!!」
「今更何言っとんじゃあああああああ!!」
「ぐぎゃー!!」
1か月後、中庭にいた果科先生に泣きながらすがりついたはたこ先輩に、果科先生は激怒すると先輩を背負い投げで花壇へと放り投げたのだった。
(続く)
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