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2021年7月 私たちのOSCE合格体験記
最終話 ごめんねSP病棟
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2021年7月下旬。
総合診療科のクリクラも3週目に突入したある日、医局で休憩していた私は後期研修医の三橋先生に声をかけられた。
「あ、解川さん。今からSP病棟の回診に行くんだけど一緒に来ない? 中々行けない場所だし」
「SP病棟ですか? ぜひ行ってみたいです。よろしくお願いします」
SP病棟は畿内医科薬科大学医学部附属病院の一番新しい建物の最上階にある特殊な病棟で、ここはいわゆるVIP専用の病棟だ。
ここには通常の診療費に加えて1泊10万円ほどの追加料金を払わないと入院できず、全室が広い個室となっている。
SP病棟の入院患者は政治家やタレント、会社社長など通常の病棟にいると問題になる人がほとんどらしく、学生も普段のクリクラでSP病棟を訪れる機会はなかった。
私としてもSP病棟にはいつか入ってみたかったので、三橋先生の後に付いて別の建物に移動しエレベーターで最上階に向かった。
そしてSP病棟の一室に入った私が目にしたものは……
「こんにちは、○○さん。本日は学生も回診に同席致しますのでよろしくお願いします」
「全然いいですよ。あら、最近はこんなに綺麗な医学生さんもいらっしゃるんですね」
「こ、こんにちは……」
病室のベッドに寝ていたのはセクシー系の女優として有名な○○さん(プライバシー保護のため匿名化)で、彼女が出演しているテレビドラマは私も以前に何本か観ていた。
ここ何クールかは姿を見ていないと思ったら何らかの病気でうちの大学の附属病院に入院していたらしい。
「じゃあ解川さんに身体診察をして貰おうかな。○○さん、私は外に出ていますので学生さんに胸の診察をさせてあげて貰えませんか?」
「もちろんです! よろしくお願いします~」
「はい……」
○○さんは三橋先生が病室を出たことを確認すると入院着の胸元をはだけさせ、私に裸の前胸部を差し出した。
そこからは記憶が残っていないけど、三橋先生に後で怒られなかったことからするとまあ何とかなったのだろう。
「おかえりー。今日のクリクラはどうだった?」
「特に何もなかったよ。……うん、本当に」
その日も下宿で待っていてくれたヤミ子に、私は心の中でごめんなさいと懺悔したのだった。
総合診療科のクリクラも3週目に突入したある日、医局で休憩していた私は後期研修医の三橋先生に声をかけられた。
「あ、解川さん。今からSP病棟の回診に行くんだけど一緒に来ない? 中々行けない場所だし」
「SP病棟ですか? ぜひ行ってみたいです。よろしくお願いします」
SP病棟は畿内医科薬科大学医学部附属病院の一番新しい建物の最上階にある特殊な病棟で、ここはいわゆるVIP専用の病棟だ。
ここには通常の診療費に加えて1泊10万円ほどの追加料金を払わないと入院できず、全室が広い個室となっている。
SP病棟の入院患者は政治家やタレント、会社社長など通常の病棟にいると問題になる人がほとんどらしく、学生も普段のクリクラでSP病棟を訪れる機会はなかった。
私としてもSP病棟にはいつか入ってみたかったので、三橋先生の後に付いて別の建物に移動しエレベーターで最上階に向かった。
そしてSP病棟の一室に入った私が目にしたものは……
「こんにちは、○○さん。本日は学生も回診に同席致しますのでよろしくお願いします」
「全然いいですよ。あら、最近はこんなに綺麗な医学生さんもいらっしゃるんですね」
「こ、こんにちは……」
病室のベッドに寝ていたのはセクシー系の女優として有名な○○さん(プライバシー保護のため匿名化)で、彼女が出演しているテレビドラマは私も以前に何本か観ていた。
ここ何クールかは姿を見ていないと思ったら何らかの病気でうちの大学の附属病院に入院していたらしい。
「じゃあ解川さんに身体診察をして貰おうかな。○○さん、私は外に出ていますので学生さんに胸の診察をさせてあげて貰えませんか?」
「もちろんです! よろしくお願いします~」
「はい……」
○○さんは三橋先生が病室を出たことを確認すると入院着の胸元をはだけさせ、私に裸の前胸部を差し出した。
そこからは記憶が残っていないけど、三橋先生に後で怒られなかったことからするとまあ何とかなったのだろう。
「おかえりー。今日のクリクラはどうだった?」
「特に何もなかったよ。……うん、本当に」
その日も下宿で待っていてくれたヤミ子に、私は心の中でごめんなさいと懺悔したのだった。
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