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第1話 衝撃! 聖ユリアン女子学院共学化!!
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涼しい10月の朝の風に、私は清らかな雰囲気を感じる。
「ご機嫌いかがですか、ルナ先輩」
制カバンを携えていつもの通学路を歩いていると、1年生の水希ちゃんが挨拶してきた。
「あら、ご機嫌いかが? 水希ちゃん」
私は笑顔を浮かべ、校内で慣習的に用いられている挨拶の言葉で返事をした。
「今日は生徒会の定例会議ですね。頼りにしています、先輩!」
「ありがとう。水希ちゃんも無理のない範囲で参加してね」
「はい!」
2年生の1学期の終わりに生徒会長に選ばれてからは生徒会の後輩との交流も増えた。
学内では大多数の支持を集めて当選したけれど、最初は生徒会でうまくやっていけるかどうか不安だったのをよく覚えている。
「あたし今からテニス部の朝練なので、先に行きますね」
「ええ、また学校でお会いしましょう」
水希ちゃんは頷くと速足で高校へと向かっていった。
附属中学校に併設された高校の校舎は大きく、校門まで数分かかるこの地点からも既にその一部は見えていた。
歩いていくうちに校舎はどんどん大きく見えるようになって、壁面の高い所に取り付けられた校章のモニュメントも輝きを増す。
(ここが、私の愛する学校……)
聖ユリアン女子学院は首都圏の中高一貫校で、その名の通り女子校だ。
中学入試の難度はそれほどでもないけれど、地元の富裕層の子女は必ず入学を検討するぐらいの名門校ではある。
大学進学実績もそれなりだけどおしとやかで落ち着いた校風には定評があって、平和で楽しい女子校生活を送れる学校として人気は高かった。
そして、この学校は。
高等部2年生にして現生徒会長の私、霧崎瑠奈が、生命をかけて守るべき学校でもあった。
「なんですって……?」
その日の放課後、生徒会の定例会議に備えて資料を整理していた私は高校からの連絡文書の内容に衝撃を受けた。
>学校経営の強化に向けた大幅な制度改革に関する草案
そう題された文書には近年横ばいの大学進学実績を向上させて中学入試の受験者を増やすための様々な改革案が記されていたが、中でも私の目に留まったのは、
>中学入試における男子受験生受け入れの検討
という文言だった。
まだ計画段階とはいえ、このユリアン女子学院を共学化しようというのだ。
「そんなこと、許せるはずないじゃない……」
怒りを秘めた声で、私はそう呟いた。
その直後、生徒会室の扉が開く音がした。
「お疲れ様です、ルナ先輩」
書類を握りしめている私を水希ちゃんが不思議そうに見ていた。
「あ、あら、水希ちゃん。もうテニス部は終わったの?」
「今日はグラウンドの緊急整備が入っちゃって、早めに来ました」
「そうなのね。じゃあ先に始めましょうか……」
共学化に関する文書はそのまま隠して、私はその日の定例会議を何事もなく済ませた。
「ご機嫌いかがですか、ルナ先輩」
制カバンを携えていつもの通学路を歩いていると、1年生の水希ちゃんが挨拶してきた。
「あら、ご機嫌いかが? 水希ちゃん」
私は笑顔を浮かべ、校内で慣習的に用いられている挨拶の言葉で返事をした。
「今日は生徒会の定例会議ですね。頼りにしています、先輩!」
「ありがとう。水希ちゃんも無理のない範囲で参加してね」
「はい!」
2年生の1学期の終わりに生徒会長に選ばれてからは生徒会の後輩との交流も増えた。
学内では大多数の支持を集めて当選したけれど、最初は生徒会でうまくやっていけるかどうか不安だったのをよく覚えている。
「あたし今からテニス部の朝練なので、先に行きますね」
「ええ、また学校でお会いしましょう」
水希ちゃんは頷くと速足で高校へと向かっていった。
附属中学校に併設された高校の校舎は大きく、校門まで数分かかるこの地点からも既にその一部は見えていた。
歩いていくうちに校舎はどんどん大きく見えるようになって、壁面の高い所に取り付けられた校章のモニュメントも輝きを増す。
(ここが、私の愛する学校……)
聖ユリアン女子学院は首都圏の中高一貫校で、その名の通り女子校だ。
中学入試の難度はそれほどでもないけれど、地元の富裕層の子女は必ず入学を検討するぐらいの名門校ではある。
大学進学実績もそれなりだけどおしとやかで落ち着いた校風には定評があって、平和で楽しい女子校生活を送れる学校として人気は高かった。
そして、この学校は。
高等部2年生にして現生徒会長の私、霧崎瑠奈が、生命をかけて守るべき学校でもあった。
「なんですって……?」
その日の放課後、生徒会の定例会議に備えて資料を整理していた私は高校からの連絡文書の内容に衝撃を受けた。
>学校経営の強化に向けた大幅な制度改革に関する草案
そう題された文書には近年横ばいの大学進学実績を向上させて中学入試の受験者を増やすための様々な改革案が記されていたが、中でも私の目に留まったのは、
>中学入試における男子受験生受け入れの検討
という文言だった。
まだ計画段階とはいえ、このユリアン女子学院を共学化しようというのだ。
「そんなこと、許せるはずないじゃない……」
怒りを秘めた声で、私はそう呟いた。
その直後、生徒会室の扉が開く音がした。
「お疲れ様です、ルナ先輩」
書類を握りしめている私を水希ちゃんが不思議そうに見ていた。
「あ、あら、水希ちゃん。もうテニス部は終わったの?」
「今日はグラウンドの緊急整備が入っちゃって、早めに来ました」
「そうなのね。じゃあ先に始めましょうか……」
共学化に関する文書はそのまま隠して、私はその日の定例会議を何事もなく済ませた。
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