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medu4映像講義の感想:③国試究極MAP

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 medu4の講義体系における本来の順番は通常講義→特講→テストゼミ→国試究極MAPなのですが私は2023年1月初頭から国試究極MAPを受講してその後にmedu4テストゼミの「予想篇」のみ受講したので先に国試究極MAPの感想から書くことにしました。

 例年国試を翌月に控えた1月1日から受講が可能となる「国試究極MAP」はmedu4の講義の集大成とも呼ばれる有名な講座で、これは要約すれば1つ1つの科目(≒診療科)について直近11年分(※2022年度版)の国試過去問で出題された内容を1ページ~3ページのプリントに総まとめし、穂澄先生がプリントの内容を1つの科目につき1講義で解説していくものです。2ページになっているのは内分泌代謝・循環器・神経・産婦人科のみ、3ページになっているのは公衆衛生のみと元々分量が膨大な一部の科目に限られており、基本的には1科目1ページと考えて構いません。

 現行の医師国家試験では全問題のうち完全に新規の内容が出題される割合は1割程度とされており、新規の出題でも臨床的判断で正答を導ける問題は多数あることを考慮すると過去の国試で出題された内容を8割程度理解しておけば問題なく国試に合格できることになります。体感的な印象になりますがここで言う「過去の国試で出題された内容」の8割は国試究極MAPに含まれており、極端な言い方をするなら他の受験生と同程度の学力が身についている自信があれば国試究極MAPを丸暗記するだけでも国試合格には十分ということになります。

 穂澄先生もmedu4公式サイトで上記とほぼ同様の認識を示しており、2022年度版の解説ページから引用すると

>『国試究極MAP』の "究極" 的な目的は1つしかありません。それは国試本番でできるだけ多くの事項を的中させることです。直前期には『国試究極MAP』だけやれば余裕で合格するから安心、と受講生の皆さんに確信していただけるよう、毎年国試後にしっかりと的中率を検証しています。(中略)なんと、『国試究極MAP』だけで76%も的中していました!(通年講座も合わせると91%の的中率です) ※翌年、2021年度版は『国試究極MAP』単独で75.8%、通年講座も合わせて92.5%でした。例年このくらいの水準を維持しています。(出典URL:https://www.medu4.net/ultimatemap)

 とのことで、「過去の国試で出題された内容の8割は国試究極MAPに含まれている」という私の体感はデータにも裏付けられています。

 実際問題としては「国試究極MAPだけやれば余裕で合格できる」状態になるためには1つ1つの科目について十分に理解しておく必要があり、その過程ではインプット式の学習としてmedu4に限らず映像講義の受講がほぼ必須となるため「問題演習と国試究極MAPだけで合格できる」受験生は皆無ではありませんが稀少です。ゆえに私個人の意見としては国試究極MAPは「これだけ覚えていれば大丈夫」という姿勢で受講するべきではなく、「自分に抜けている知識がないか確認する」ことを目的に受講すべきと考えます。

 国試究極MAPはQ-AssistやMECといった他の国試予備校のユーザーからも高い人気を博していますが私自身はmedu4の映像講義を一通り受講していたこともあって国試究極MAPで教わった内容の9割は既に知っていました。ただし知らなかった残りの1割に国試頻出事項が少なからず含まれており、このエッセイの冒頭で述べた通り私の実際の得点は必修・一般臨床ともに受験生の中央値に近かった(偏差値49程度)ので国試究極MAPを受講していなければ偏差値45程度になっていた可能性が高いです。(医師国家試験は受験生間での得点のばらつきが小さいため、数問間違えただけで偏差値が大きく変動します)

 実際問題として医師国家試験は必修問題で80%以上得点できていれば後は一般臨床問題で上位90%に入れば合格できる仕組みなので、国試究極MAPを受講してみて3~4割知らなかったという受験生でも合格には十分足りると思われます。ただしその場合は知らなかった部分について直前期に徹底的に復習すべきで、半分以上知らなかったという場合は国試合格も危ういかも知れません。medu4の国試究極MAPは自分に足りない知識を埋めるのに最適な講座ですが、足りない知識が多すぎると埋めきれなくなる場合があるのでやはり早期からの各科目の学習が重要なことは言うまでもないでしょう。
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