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魔法少女遭遇編
04話 ホームでのアイテム整理
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「マップ表示」
場所は変わって、僕は居住区にある『ホーム』へと移動していた。
ホームとはその名の通り、お金を支払って購入することができる家のことだ。移動しながら開くことのできるアイテムボックスには持てる数に限界があるので、このホームにある程度アイテムが保管できる仕様となっていた。
最初、ゲーム通りに家が存在するか否かいささか不安であったが――自身の表札を見つけて安心する。
マップは現在の自分の位置がわかる仕様となっていた。
いくら見覚えがある風景といってもリアルで見るとわかりづらい点もある。このマップは今の僕にはすごく助かる機能であった。
僕はホームにある収納棚を開いていき、
「王都に向かう装備はどうしようかな」
なんせ現在の僕はバリバリの初期状態だ。
装備できるものはレベルが規定以上の数値という決まりがあるため、いきなりレア装備で無双というわけにはいかない。
現状、今のステータスで装備できる最強のものは以下だった。
・ 魔法の縞々ビキニセット(カーディガン付き)
・ 神秘のミニスカート
・ 悪魔の黒ニーハイ
特殊なステータス効果を持つ、イベント限定のフルセットである。
なんて奇抜な組み合わせなのだろう、完全に痴女――あざといなんてレベルを超越している。いくら手持ちの装備で一番ステータス的によいからといってこれはどうなの?
僕は全身装備して、鏡の前でポーズを決めてみる。
「えっ! 意外と似合ってるじゃん! 絶対領域がエロ可愛いぃいいいっ! いや待て落ち着け」
これで街中歩いて冒険しろっていうのか?
性能を取るか、羞恥を取るか――くぅっ! 王都に行くのに見た目の装備なんて気にしている場合ではない。
……険しい道のりなのだ。
何故なら、王都はゲームでいうところのストーリー後半箇所に当たる。使用したことのないジョブで到達するのは果てしなくハードモードであろう。
しかも、ユニーク職という。
「なりふり構っている場合じゃないんだ」
自身に言い聞かせる。
続いて、僕は触術師のメイン武器を確認――なるほど、近接武器かぁ。えっ? 近接武器なの? 本気で言ってる?
僕は篭手を装備して、鏡の前でポーズを決めてみる。
「えっ! 普通に可愛い! 殴っても許されちゃう系のオーラが盛り盛りいぃいいいっ! いや待て落ち着け」
この姿で敵に攻撃しろっていうのか?
しかし、メイン武器はジョブごとに固定されており変更することは不可能――性能も羞恥も関係ない。
……装備するしかないのだ。
これで敵を殴ったら普通にダメージはでそうだけれど、どちらかというと自身を守る防御面での意味合いが大きそうだ。
僕は覚悟を決めて、今できる最高の状態を練り上げていく。王都までの道のりに役立ちそうなものは収納棚からアイテムボックスに移動させておこう。
アイテムボックスの枠は入る個数に限界はあれど、重量は関係なく出し入れ自由となっていた。
つまり、100キロのものを入れようが、10キロのものを入れようが、1キロのものを入れようが、枠として消費されるのは一つ。
だが、オンリー・テイルに置いて大事なのは軽い重いの話ではない。あくまでアイテムの持つ効果、使用頻度である。
厳選に厳選を重ね、僕はアイテムを吟味していく。
「『天使の秘薬』、『天使の鍵』、『天使の雫』は入れておくか」
主に回復、呪いや状態異常を解くレアアイテムだ。
王都に近付くにつれ、強いモンスターはもちろん特殊なモンスターも増えてくる。回復する手段が多いに越したことはない。
「『神の輝石』、念のためにこれも入れておこう」
レベルを1アップするという、最高ランクのレアアイテムだ。
アイテムにはE~Sまでのランクがあり『神の輝石』はSランクの部類になる。何故かというと、オンリー・テイルの世界はレベルアップまでの道のりがとてつもなく長い。
ありとあらゆるモンスターを倒し、困難なダンジョンをクリアし、冒険を繰り返すことでようやくレベルアップとなる。
レベル100を超えたあたりからは、どのような条件でレベルアップしていくかも不明確となっており、レベル1ごとの解放条件の解き明かしが攻略掲示板でのメインの話題の一つともなっていた。
そう、いまだにオンリー・テイルのレベル上限は『不明』なのだ。
現状、全世界でのプレイヤー最高峰は『レベル125』となっている。神の輝石を運よく入手できたはいいものの、使用するタイミングに悩んでいて倉庫に放置という流れになっていた。レベル1でこれを使う意味はないが――自身に使わずとも、それ以外の使用タイミングがあるかもしれない。
「そういえば、この神の輝石と似たようなアイテムがあったな」
イベントアイテム『ビギナッツ』である。
1粒につきレベルを1アップ、MAX10まで強制的にレベルアップできるという代物。うろ覚えだが節分イベントかなにかで手に入れていたはずだ。
なにが起きるかわからない現状――レベルを上げるに越したことはない。
数は10粒、僕はバリボリと一気に限界値まで口に頬張りこむ。同時、パァッと身体が黄金色に輝き始めた。
特に驚くような現象でもない。
何故なら、ゲーム内にてレベルアップした時のエフェクトと一緒だったからである。
余った1粒はアイテムボックスに詰めておいた。
《ネーム》 Kura
《ジョブ》 触術師(レベル10)
《種族》 人族
《保有スキル》 触手 捕食
新しく"捕食"というスキルが追加されている。
その性能をネットで検索することは叶わない。もう少しユニーク職について知識を得ておけばよかった。
いや、普通こんな状況に陥るなんて想像できるわけもないよね。
どんなスキルか念のため確認してみると触手の先端が口になって開く。いらないアイテムを放り込んでみたら、キレイさっぱり飲み込んだ。
食べる、だけ? 捕食については少し検証の必要がありそうだ。
「残りの枠は使い捨てアイテム、旅路に必要そうなものでも入れておくか」
準備としてはこんなものだろう。
なんだか、ログアウト前にやっているいつもの倉庫整理みたいだな。
そう、いつも通りならここで布団に入ろうと、
「システム一覧」
反応はない。
ログアウトの項目、サポートへのお問い合わせ、そういった類のものはきれいサッパリ消え去っていたのだ。
場所は変わって、僕は居住区にある『ホーム』へと移動していた。
ホームとはその名の通り、お金を支払って購入することができる家のことだ。移動しながら開くことのできるアイテムボックスには持てる数に限界があるので、このホームにある程度アイテムが保管できる仕様となっていた。
最初、ゲーム通りに家が存在するか否かいささか不安であったが――自身の表札を見つけて安心する。
マップは現在の自分の位置がわかる仕様となっていた。
いくら見覚えがある風景といってもリアルで見るとわかりづらい点もある。このマップは今の僕にはすごく助かる機能であった。
僕はホームにある収納棚を開いていき、
「王都に向かう装備はどうしようかな」
なんせ現在の僕はバリバリの初期状態だ。
装備できるものはレベルが規定以上の数値という決まりがあるため、いきなりレア装備で無双というわけにはいかない。
現状、今のステータスで装備できる最強のものは以下だった。
・ 魔法の縞々ビキニセット(カーディガン付き)
・ 神秘のミニスカート
・ 悪魔の黒ニーハイ
特殊なステータス効果を持つ、イベント限定のフルセットである。
なんて奇抜な組み合わせなのだろう、完全に痴女――あざといなんてレベルを超越している。いくら手持ちの装備で一番ステータス的によいからといってこれはどうなの?
僕は全身装備して、鏡の前でポーズを決めてみる。
「えっ! 意外と似合ってるじゃん! 絶対領域がエロ可愛いぃいいいっ! いや待て落ち着け」
これで街中歩いて冒険しろっていうのか?
性能を取るか、羞恥を取るか――くぅっ! 王都に行くのに見た目の装備なんて気にしている場合ではない。
……険しい道のりなのだ。
何故なら、王都はゲームでいうところのストーリー後半箇所に当たる。使用したことのないジョブで到達するのは果てしなくハードモードであろう。
しかも、ユニーク職という。
「なりふり構っている場合じゃないんだ」
自身に言い聞かせる。
続いて、僕は触術師のメイン武器を確認――なるほど、近接武器かぁ。えっ? 近接武器なの? 本気で言ってる?
僕は篭手を装備して、鏡の前でポーズを決めてみる。
「えっ! 普通に可愛い! 殴っても許されちゃう系のオーラが盛り盛りいぃいいいっ! いや待て落ち着け」
この姿で敵に攻撃しろっていうのか?
しかし、メイン武器はジョブごとに固定されており変更することは不可能――性能も羞恥も関係ない。
……装備するしかないのだ。
これで敵を殴ったら普通にダメージはでそうだけれど、どちらかというと自身を守る防御面での意味合いが大きそうだ。
僕は覚悟を決めて、今できる最高の状態を練り上げていく。王都までの道のりに役立ちそうなものは収納棚からアイテムボックスに移動させておこう。
アイテムボックスの枠は入る個数に限界はあれど、重量は関係なく出し入れ自由となっていた。
つまり、100キロのものを入れようが、10キロのものを入れようが、1キロのものを入れようが、枠として消費されるのは一つ。
だが、オンリー・テイルに置いて大事なのは軽い重いの話ではない。あくまでアイテムの持つ効果、使用頻度である。
厳選に厳選を重ね、僕はアイテムを吟味していく。
「『天使の秘薬』、『天使の鍵』、『天使の雫』は入れておくか」
主に回復、呪いや状態異常を解くレアアイテムだ。
王都に近付くにつれ、強いモンスターはもちろん特殊なモンスターも増えてくる。回復する手段が多いに越したことはない。
「『神の輝石』、念のためにこれも入れておこう」
レベルを1アップするという、最高ランクのレアアイテムだ。
アイテムにはE~Sまでのランクがあり『神の輝石』はSランクの部類になる。何故かというと、オンリー・テイルの世界はレベルアップまでの道のりがとてつもなく長い。
ありとあらゆるモンスターを倒し、困難なダンジョンをクリアし、冒険を繰り返すことでようやくレベルアップとなる。
レベル100を超えたあたりからは、どのような条件でレベルアップしていくかも不明確となっており、レベル1ごとの解放条件の解き明かしが攻略掲示板でのメインの話題の一つともなっていた。
そう、いまだにオンリー・テイルのレベル上限は『不明』なのだ。
現状、全世界でのプレイヤー最高峰は『レベル125』となっている。神の輝石を運よく入手できたはいいものの、使用するタイミングに悩んでいて倉庫に放置という流れになっていた。レベル1でこれを使う意味はないが――自身に使わずとも、それ以外の使用タイミングがあるかもしれない。
「そういえば、この神の輝石と似たようなアイテムがあったな」
イベントアイテム『ビギナッツ』である。
1粒につきレベルを1アップ、MAX10まで強制的にレベルアップできるという代物。うろ覚えだが節分イベントかなにかで手に入れていたはずだ。
なにが起きるかわからない現状――レベルを上げるに越したことはない。
数は10粒、僕はバリボリと一気に限界値まで口に頬張りこむ。同時、パァッと身体が黄金色に輝き始めた。
特に驚くような現象でもない。
何故なら、ゲーム内にてレベルアップした時のエフェクトと一緒だったからである。
余った1粒はアイテムボックスに詰めておいた。
《ネーム》 Kura
《ジョブ》 触術師(レベル10)
《種族》 人族
《保有スキル》 触手 捕食
新しく"捕食"というスキルが追加されている。
その性能をネットで検索することは叶わない。もう少しユニーク職について知識を得ておけばよかった。
いや、普通こんな状況に陥るなんて想像できるわけもないよね。
どんなスキルか念のため確認してみると触手の先端が口になって開く。いらないアイテムを放り込んでみたら、キレイさっぱり飲み込んだ。
食べる、だけ? 捕食については少し検証の必要がありそうだ。
「残りの枠は使い捨てアイテム、旅路に必要そうなものでも入れておくか」
準備としてはこんなものだろう。
なんだか、ログアウト前にやっているいつもの倉庫整理みたいだな。
そう、いつも通りならここで布団に入ろうと、
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反応はない。
ログアウトの項目、サポートへのお問い合わせ、そういった類のものはきれいサッパリ消え去っていたのだ。
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