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クエスト攻略ランクアップ編
51話 ナコさんご立腹 その2
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「はーい、サインもバッチリですねっ! これにてクエストを完了します」
依頼者に羊のお肉を無事届け、冒険所に完了報告をする。
「いやー、本日もありがとうございます。ウィンウィンの皆様も喜んでいますよ、特にナコ様のファンレターがすごい届いていましてね。差出人は全てアダルト世代、いかがいたしますか?」
「燃やしてください」
ナコが即答する。ユーリさんは次いで、
「それと"Kingly"様、大量のクエストをクリアしたことで、冒険所よりランクアップクエストの提案がありますがいかかでしょうか?」
ついに来た。
僕とナコは二つ返事で了承する。ランクアップクエストとは、基本的に冒険所の運営自体が依頼してくるクエストとなる。
僕たちが普段メインでやっている収集的なクエストとは打って変わって、ダンジョン探索など戦闘を余儀なくされる内容が多い。
「グリーンラム草原奥地の岩場に存在する、輝きの洞穴『オーラ・ストーン』というダンジョンです。そこにある緑の鉱石を入手して来てください」
「クーラ、わかりますか?」
「オーラ・ストーンは全部で第三層まであってね、緑の鉱石なら第一層にいる『緑蟹』を倒せば手に入るよ。名前の通り見た目も蟹、皮膚が硬くて厄介だけど第一層付近のモンスターはそこまで強くないから、今の僕たちなら油断さえしなければ問題ないと思う」
「えぇっ?! クーラ様、めちゃくちゃ詳しいですね。何度も行ったことあるような口ぶりに聞こえます」
驚いた顔付きでユーリさんが言う。
「ぁ、いや、色々なダンジョンを勉強していて知識があるだけです」
「はわー、勤勉ですねっ!」
ゲーム時は第三層、最下層まで何度も行ったことがある。
最下層にはネームドが出現するので張り込みもしていたものだ。ネームドはレアなアイテムをドロップするのでよく取り合いとなっていた。
「それではこちらのランクアップクエストの依頼書、あとは今日のクエストぶんの報酬金をお渡しします。クエストボードの古い依頼書も大半がなくなりましたね。今後ともよろしくお願いします」
「はい。ありがとうございます」
ナコが嬉しそうに報酬金を受け取る。
報酬金はいくらであろうとも、達成感があって喜ばしいものだ。
報告も無事完了してホームに帰ろうとしたところ、小馬鹿にしたような笑い声が冒険所内に響き渡る。
「ぷっくはははっ! あいつらかよ、カスみたいなクエストばっかクリアしてるっていうギルドは? お気楽だねー、冒険者として甘すぎるんじゃないか」
「こら、可哀想でしょ。まだ駆け出しなんだから喜ばせてあげなさいな」
「あの程度の報酬金で喜んでるようじゃ未来ないぜ? 笑いたくもなるだろ」
「まあ、ね」
「ジョブもなんだよあれ、魔法少女に――もう片方の女の武器見ろって、気持ち悪い触術師じゃねえか?」
「うわお、どっちもめちゃくちゃレアじゃん」
どこかのギルドだろうか。
丁度、僕たちと同じく完了報告に来ていたのだろう。明らかにバカにされているが、相手にするだけ無駄だ。
聞き流し、立ち去ろうとした瞬間――、
「私のことはなにを言われてもいい! だけど、クーラに対する文句だけは絶対に絶対に許さないっ! お前たちなんて目じゃないんだからっ!!」
――ナコが感情をあらわに、犬歯を剥き出しに吼えた。
依頼者に羊のお肉を無事届け、冒険所に完了報告をする。
「いやー、本日もありがとうございます。ウィンウィンの皆様も喜んでいますよ、特にナコ様のファンレターがすごい届いていましてね。差出人は全てアダルト世代、いかがいたしますか?」
「燃やしてください」
ナコが即答する。ユーリさんは次いで、
「それと"Kingly"様、大量のクエストをクリアしたことで、冒険所よりランクアップクエストの提案がありますがいかかでしょうか?」
ついに来た。
僕とナコは二つ返事で了承する。ランクアップクエストとは、基本的に冒険所の運営自体が依頼してくるクエストとなる。
僕たちが普段メインでやっている収集的なクエストとは打って変わって、ダンジョン探索など戦闘を余儀なくされる内容が多い。
「グリーンラム草原奥地の岩場に存在する、輝きの洞穴『オーラ・ストーン』というダンジョンです。そこにある緑の鉱石を入手して来てください」
「クーラ、わかりますか?」
「オーラ・ストーンは全部で第三層まであってね、緑の鉱石なら第一層にいる『緑蟹』を倒せば手に入るよ。名前の通り見た目も蟹、皮膚が硬くて厄介だけど第一層付近のモンスターはそこまで強くないから、今の僕たちなら油断さえしなければ問題ないと思う」
「えぇっ?! クーラ様、めちゃくちゃ詳しいですね。何度も行ったことあるような口ぶりに聞こえます」
驚いた顔付きでユーリさんが言う。
「ぁ、いや、色々なダンジョンを勉強していて知識があるだけです」
「はわー、勤勉ですねっ!」
ゲーム時は第三層、最下層まで何度も行ったことがある。
最下層にはネームドが出現するので張り込みもしていたものだ。ネームドはレアなアイテムをドロップするのでよく取り合いとなっていた。
「それではこちらのランクアップクエストの依頼書、あとは今日のクエストぶんの報酬金をお渡しします。クエストボードの古い依頼書も大半がなくなりましたね。今後ともよろしくお願いします」
「はい。ありがとうございます」
ナコが嬉しそうに報酬金を受け取る。
報酬金はいくらであろうとも、達成感があって喜ばしいものだ。
報告も無事完了してホームに帰ろうとしたところ、小馬鹿にしたような笑い声が冒険所内に響き渡る。
「ぷっくはははっ! あいつらかよ、カスみたいなクエストばっかクリアしてるっていうギルドは? お気楽だねー、冒険者として甘すぎるんじゃないか」
「こら、可哀想でしょ。まだ駆け出しなんだから喜ばせてあげなさいな」
「あの程度の報酬金で喜んでるようじゃ未来ないぜ? 笑いたくもなるだろ」
「まあ、ね」
「ジョブもなんだよあれ、魔法少女に――もう片方の女の武器見ろって、気持ち悪い触術師じゃねえか?」
「うわお、どっちもめちゃくちゃレアじゃん」
どこかのギルドだろうか。
丁度、僕たちと同じく完了報告に来ていたのだろう。明らかにバカにされているが、相手にするだけ無駄だ。
聞き流し、立ち去ろうとした瞬間――、
「私のことはなにを言われてもいい! だけど、クーラに対する文句だけは絶対に絶対に許さないっ! お前たちなんて目じゃないんだからっ!!」
――ナコが感情をあらわに、犬歯を剥き出しに吼えた。
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