転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ

文字の大きさ
81 / 426
最強の武者Gozaru編

81話 全てを暴くのです

しおりを挟む
「少しでも信用に値すれば嬉しいのです」


 ネーム   Carol
 ジョブ   盗賊(レベル103)
 種族    ミニム族
 保有スキル 盗む 状態付与 隠密 クラッシュ 瞬足 全感知 鬼回避 零の呼吸


 僕はキャロルさんのステータス画面を見て驚く。

「盗賊で――超越者? もしかして、オンリー・テイルのまとめサイト『全てを暴くのです』のキャロルさん?!」
「はいなのです。自分のサイトを見ていただいていたのですね。嬉しいです、ありがとうございます」
「ファンです。隠し要素の情報、いつも助かっていました」
「そ、そんな、恐縮なのです」

 握手を求める僕、恥ずかしそうにキャロルさんが応じてくれる。
 まさか、こんな形でサイトの運営者に会えるとは――キャロルさんのサイトはどういう経緯で隠し要素を発見したかなど、体験談も交えて書かれていたので読むだけでも楽しめる内容だった。

「クーラ、隠し要素というのはオーラ・ストーンの穴みたいなものですか?」
「そうそう、それを発見したのもキャロルさんだよ。キャロルさんはそういった隠し要素を皆に提供してくれていたんだ」

 サマロたちの救出に向かう際、使用した隠し穴のことだ。
 その他にも、キャロルさんが発見した隠し要素は大量に存在する。特に長丁場となるダンジョン攻略、時間短縮のできる道は重宝されていた。

「あのう、クーラさんたちはイレシノンテに目的があって来ているのですか?」
「僕たちは白虎を倒しに来たんだ」
「にゃ、白虎ですか?! それはまた命懸けなのですっ!」
「大丈夫。ゴザルさんが一人で倒してくれるから」
「そ、ソロで白虎を討伐なのですか?!」

 ここまで見た限り、ゴザルさんの戦闘力は半端ない。
 兜というハンディキャップを背負っていたとしても、白虎のソロ討伐くらいなら普通に可能な気がする。

「ゲーム時は何度かソロ討伐したけれど、今となっては私も怖い部分があるわよ。大きな一撃を受けてしまったらどう崩れるかわからないもの」
「さすがに冗談だよ。僕とナコでサポートするから慎重に行こう」
「あのう、自分も一緒に行っては駄目ですか?」

 怖ず怖ずと、キャロルさんが手を上げる。

「隠し要素の発見に白虎のフロアも見ておきたいのです。可能であれば戦力に加えていただいても問題ありません」

 今のリーダーはゴザルさんだ。
 白虎をボコボコにして涙を取りに行くという目的、全ての指揮権を持っている人が決定するべきだろう。

 ――あとは、出会ったばかりの相手を信用していいものか。

 ステータス画面の開示、有名なサイトの運営者、大まかな素性は知れているが本心というものはわからない。
 背後から不意打ちなんてされたら、僕たちは全滅する可能性だってある。
 会話をしている限りそんなことをする人物とは思えないが、ゲーム時とは違って一つの裏切り行為は今となっては現実的に死に直結する。

「どうする? ゴザルさん」
「戦力があるに越したことはない。それに盗賊のサポートは優秀だもの、願ったり叶ったりだわ」

 ゴザルさんが即答する。
 そして、僕にしか見えない角度でハンドサインを送ってきた。
 ゴザルさんは僕の心配も承知の上、なにかあっても任せておけという意味だろう。

「その代わり、私から一つ条件がある」
「はわわ、なんでしょうか? 自分にできることなら」
「即席とはいえ同じパーティーだもの、私のポケットハウスで休んでちょうだい。明日の作戦会議をゆっくりしましょう」
「は、はいっ! よろしくお願いしますなのですっ!!」

 キャロルさんが仲間に加わった。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

自由でいたい無気力男のダンジョン生活

無職無能の自由人
ファンタジー
無気力なおっさんが適当に過ごして楽をする話です。 すごく暇な時にどうぞ。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...