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最強の武者Gozaru編
87話 謎の扉
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「お待たせしてすいません。探索が終わりましたのです」
キャロルさんが言う。
特に隠し要素は見当たらなかったようで残念そうに肩を落としていた。
もう白虎の間にてやり残したことはなにもない。あとは帰還用転移陣でウィンウィンに帰るだけだ。
ゴザルさんは上機嫌で天使の雫を眺めながら、
「ふふーん。帰ったら早速使っちゃおうかしら、ついに100パーセントの状態に戻れちゃうわよ」
《 ふわわ! 鬼武者さん、あれで100パーセントじゃなかったの?! やばすぎでしょ、人間やめてるよね 》
「ねえ、ニャンシロ。化け物を見るような目で見ないでくれる?」
そんなやり取りを尻目に、僕とナコは帰還用転移陣を探す。
暗波の影響は大きかったようで、瓦礫が邪魔をして地面が見えない。マップの位置的にはここら辺にあるはずなんだけど。
瓦礫を処理しながら慎重に調べていく。
「あっ! クーラ、帰還用の扉を見つけましたよ」
「扉じゃなくて転移陣だよ。床に設置されている魔法陣っていうのかな」
「……魔法陣? じゃあ、これはなんでしょうか? ここは最下層ですよね?」
気の緩み、説明不足だった自分に後悔した。
帰還用転移陣、どんな形のものか明確に伝えておくべきだったのだ。
ここは最下層の終着点となる場所――白虎の間、この先に続く扉なんて存在するわけがない。ゲーム時も記憶にはなかった、いやな予感が全身を駆け巡る。
ナコが何気なくその扉に手をかけ――開く。
「ナコ! 駄目だっ!!」
制止は間に合わなかった。
その瞬間、僕たちのいる白虎の間が警告灯のよう赤く点灯し始める。
キャロルさんは経験上なにが起きるか即座に理解したのだろう。
「瞬足なのですっ!」
盗賊のスキル。
移動スピードを格段に上昇させる効果がある。いち早く、キャロルさんがナコに駆け寄り――抱き締めた。
「これは転移トラップ、間もなくダンジョン内のどこかに飛ばされてしまうのですっ! 皆さん、どこでもいいので身体を繋ぎ合ってください! 繋ぎ合ったもの同士は同エリアに飛ばされる可能性が高いのですっ!!」
おそらく、パーティー内でナコを一人にしてはまずいと判断したのだろう。
キャロルさんが付いてくれるのならば安心できる。だが、ダンジョン内のどこに飛ばされる?
謎の扉、ナコが開いた扉の先――さらに下に続く階段が見えたのだ。
僕たちが通って来た場所に飛ばされるとは限らない。
不確定な要素が多いこの状況、僕とゴザルさんも一緒にいるに越したことはない。
僕はゴザルさんに向けて触手を最大射程で伸ばす。
ゴザルさんも僕の思惑に気付いてか、一直線に僕のもとに駆け寄ってくる。
「ソラっ!」
「……届、けぇええええええええええっ!」
赤い光が僕たちの全身を包み込んだ。
キャロルさんが言う。
特に隠し要素は見当たらなかったようで残念そうに肩を落としていた。
もう白虎の間にてやり残したことはなにもない。あとは帰還用転移陣でウィンウィンに帰るだけだ。
ゴザルさんは上機嫌で天使の雫を眺めながら、
「ふふーん。帰ったら早速使っちゃおうかしら、ついに100パーセントの状態に戻れちゃうわよ」
《 ふわわ! 鬼武者さん、あれで100パーセントじゃなかったの?! やばすぎでしょ、人間やめてるよね 》
「ねえ、ニャンシロ。化け物を見るような目で見ないでくれる?」
そんなやり取りを尻目に、僕とナコは帰還用転移陣を探す。
暗波の影響は大きかったようで、瓦礫が邪魔をして地面が見えない。マップの位置的にはここら辺にあるはずなんだけど。
瓦礫を処理しながら慎重に調べていく。
「あっ! クーラ、帰還用の扉を見つけましたよ」
「扉じゃなくて転移陣だよ。床に設置されている魔法陣っていうのかな」
「……魔法陣? じゃあ、これはなんでしょうか? ここは最下層ですよね?」
気の緩み、説明不足だった自分に後悔した。
帰還用転移陣、どんな形のものか明確に伝えておくべきだったのだ。
ここは最下層の終着点となる場所――白虎の間、この先に続く扉なんて存在するわけがない。ゲーム時も記憶にはなかった、いやな予感が全身を駆け巡る。
ナコが何気なくその扉に手をかけ――開く。
「ナコ! 駄目だっ!!」
制止は間に合わなかった。
その瞬間、僕たちのいる白虎の間が警告灯のよう赤く点灯し始める。
キャロルさんは経験上なにが起きるか即座に理解したのだろう。
「瞬足なのですっ!」
盗賊のスキル。
移動スピードを格段に上昇させる効果がある。いち早く、キャロルさんがナコに駆け寄り――抱き締めた。
「これは転移トラップ、間もなくダンジョン内のどこかに飛ばされてしまうのですっ! 皆さん、どこでもいいので身体を繋ぎ合ってください! 繋ぎ合ったもの同士は同エリアに飛ばされる可能性が高いのですっ!!」
おそらく、パーティー内でナコを一人にしてはまずいと判断したのだろう。
キャロルさんが付いてくれるのならば安心できる。だが、ダンジョン内のどこに飛ばされる?
謎の扉、ナコが開いた扉の先――さらに下に続く階段が見えたのだ。
僕たちが通って来た場所に飛ばされるとは限らない。
不確定な要素が多いこの状況、僕とゴザルさんも一緒にいるに越したことはない。
僕はゴザルさんに向けて触手を最大射程で伸ばす。
ゴザルさんも僕の思惑に気付いてか、一直線に僕のもとに駆け寄ってくる。
「ソラっ!」
「……届、けぇええええええええええっ!」
赤い光が僕たちの全身を包み込んだ。
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