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最強の武者Gozaru編
90話 そっちから来ちゃうの?
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捕食が効かない。
この時点でかなり僕は分が悪かった。骸骨には臓器がない――人間とは違って明確に急所となるものが存在しないのだ。
眼球の穴から触手を通して破裂させるか?
いや、頭部を木っ端微塵にしたところで動きがとまるかはわからない。
仕留めきれず、隙を狙われてなにか攻撃を受けてしまえば一転して僕が窮地に陥る。
アンデット族は苦手だ。
こういう時、人体ならば確実に機能停止するという急所が存在しない。
僕は一度距離を取って相手の出方を伺う。
その判断が過ちだった――ローブ姿の骸骨が杖を天に掲げる。
大きな魔法陣が天井と床と同時に展開されて大量の骸骨が出現したのだ。
「まさか、ネクロマンサーなのかっ?!」
死霊魔法。
ここに来るまでにエンカウントした骸骨たち、少数でも苦戦した相手がフロアを埋め尽くしていく。僕の前後を幾重にも取り囲み完全に逃げ場を塞がれていた。
捕食で無理やり突っ切れるといった数でもない。
また火竜玉で乗り切るか?
いや駄目だ、次の階層に繋がるフロアなんかで火柱を起こしてしまったら大変なことになる。
さて、どうしよう?
まともに戦ったら数で圧倒されて絶対に死ぬ、それならばもう全力で逃げる以外に道はないだろう。
しかし、僕が来た道と階段に繋がる道、前後は完全に封鎖されている。
「だったら、もうっ! 自分で作るしかないっ!!」
僕は真横に飛び付き、触手を壁に勢いよくぶっ刺す。
魔力操作によるスキルの威力向上、この一撃に全てを賭ける。触手をドリルと思えば掘ることくらいなんら問題ない。
ゲーム時にはない反則技、使えるものはなんでも使う。
マップの様子を見る限り、こちら側は壁が薄く繋がる可能性が高い。
隣のフロアがどんな状況かは不明だが現状よりは絶対にマシだ。
壁に亀裂が走る、僕の思惑通りこれで脱出ができ――、
「う、お、ぉ、りゃぁああああああああっ!」
――聞き覚えのある声と共に、僕は反対方向から爆散してきた壁の下敷きになる。
「ソラの魔力の気配がしたわっ! 大丈夫? どこにいるの?!」
「……」
「あれ? ソラ?」
「……ゴザルさんの下だよ」
「うわーん。ごめんなさい! 悪気はなかったのぉおおおおっ!!」
ゴザルさんが僕を引き起こす。
自然と目が合い、僕はゴザルさんの姿を見て驚いた。神秘的に煌めく銀の髪、くりっとしたアメジスト色の瞳、ビックリするくらいの美人がいた。
「誰?」
「私しかいないでしょっ!」
触診で見た時とレベルが違う。
肉眼だとなおさら――なんだこの超絶美人、ゴザルさんのイメージが540度くらい変わってしまう。
思わず理解が追い付かず1周半するレベルである。
「兜の寄生、駆除したんだ」
「ええ、悠長にウィンウィンに戻ってからなんてやめたわ。もしかして、ソラ――私の美貌に驚いちゃった?」
「直接見てさらにビックリしたよ、言葉を失うくらい美人だ」
「だ、だから、ほめすぎだってば」
やはり、見覚えのある顔というのは間違いなかった。
まあ、あくまで僕が一方的にという話なのだがそこは後回し――ゴザルさんの登場に骸骨たちも驚いたのか動きがとまっていて助かった。
もう逃げるなんてことはしない、ゴザルさんがいたら選択肢は一つ、
「行こうっ!」
「行くわよっ!」
48階は目と鼻の先。
僕たちは障害を取り除くべく戦闘態勢に入った。
この時点でかなり僕は分が悪かった。骸骨には臓器がない――人間とは違って明確に急所となるものが存在しないのだ。
眼球の穴から触手を通して破裂させるか?
いや、頭部を木っ端微塵にしたところで動きがとまるかはわからない。
仕留めきれず、隙を狙われてなにか攻撃を受けてしまえば一転して僕が窮地に陥る。
アンデット族は苦手だ。
こういう時、人体ならば確実に機能停止するという急所が存在しない。
僕は一度距離を取って相手の出方を伺う。
その判断が過ちだった――ローブ姿の骸骨が杖を天に掲げる。
大きな魔法陣が天井と床と同時に展開されて大量の骸骨が出現したのだ。
「まさか、ネクロマンサーなのかっ?!」
死霊魔法。
ここに来るまでにエンカウントした骸骨たち、少数でも苦戦した相手がフロアを埋め尽くしていく。僕の前後を幾重にも取り囲み完全に逃げ場を塞がれていた。
捕食で無理やり突っ切れるといった数でもない。
また火竜玉で乗り切るか?
いや駄目だ、次の階層に繋がるフロアなんかで火柱を起こしてしまったら大変なことになる。
さて、どうしよう?
まともに戦ったら数で圧倒されて絶対に死ぬ、それならばもう全力で逃げる以外に道はないだろう。
しかし、僕が来た道と階段に繋がる道、前後は完全に封鎖されている。
「だったら、もうっ! 自分で作るしかないっ!!」
僕は真横に飛び付き、触手を壁に勢いよくぶっ刺す。
魔力操作によるスキルの威力向上、この一撃に全てを賭ける。触手をドリルと思えば掘ることくらいなんら問題ない。
ゲーム時にはない反則技、使えるものはなんでも使う。
マップの様子を見る限り、こちら側は壁が薄く繋がる可能性が高い。
隣のフロアがどんな状況かは不明だが現状よりは絶対にマシだ。
壁に亀裂が走る、僕の思惑通りこれで脱出ができ――、
「う、お、ぉ、りゃぁああああああああっ!」
――聞き覚えのある声と共に、僕は反対方向から爆散してきた壁の下敷きになる。
「ソラの魔力の気配がしたわっ! 大丈夫? どこにいるの?!」
「……」
「あれ? ソラ?」
「……ゴザルさんの下だよ」
「うわーん。ごめんなさい! 悪気はなかったのぉおおおおっ!!」
ゴザルさんが僕を引き起こす。
自然と目が合い、僕はゴザルさんの姿を見て驚いた。神秘的に煌めく銀の髪、くりっとしたアメジスト色の瞳、ビックリするくらいの美人がいた。
「誰?」
「私しかいないでしょっ!」
触診で見た時とレベルが違う。
肉眼だとなおさら――なんだこの超絶美人、ゴザルさんのイメージが540度くらい変わってしまう。
思わず理解が追い付かず1周半するレベルである。
「兜の寄生、駆除したんだ」
「ええ、悠長にウィンウィンに戻ってからなんてやめたわ。もしかして、ソラ――私の美貌に驚いちゃった?」
「直接見てさらにビックリしたよ、言葉を失うくらい美人だ」
「だ、だから、ほめすぎだってば」
やはり、見覚えのある顔というのは間違いなかった。
まあ、あくまで僕が一方的にという話なのだがそこは後回し――ゴザルさんの登場に骸骨たちも驚いたのか動きがとまっていて助かった。
もう逃げるなんてことはしない、ゴザルさんがいたら選択肢は一つ、
「行こうっ!」
「行くわよっ!」
48階は目と鼻の先。
僕たちは障害を取り除くべく戦闘態勢に入った。
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