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最強の武者Gozaru編
105話 最強種
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「久々に魔人化をしたが、核が一つでも問題はないか」
ガラスティナが呟く。
魔人、オンリー・テイルに置いて一切聞いたことがない情報だった。だが、世間一般的な認識からしてどう考えても最強種の一角だろう。
ドラゴン族、デーモン族、ヴァンパイア族等々。
はたして、既存の最強種を超えてくるのか? 僕はなにが起きても対処できるよう、ガラスティナの最初の一手を最大限に警戒する。
「来い、魔剣――ベルヘリア」
ガラスティナの周囲に剣が4本出現した。
主を守護するかのよう、ゆっくりと回転し続けている。その内の1本が高速で僕目掛けて飛来して来た。
僕は間一髪でそれを避ける。
すさまじい速度、傀儡糸で強化した状態でなければ、容易く僕の身体を貫いていただろう。
ガラスティナが剣を1本、また1本と飛来数を増やしていく。
回避しても舞い戻り、捌いてもすぐに軌道を修正して襲い来る。剣自体に意思が宿っているかのような精密さであった。
攻め入るタイミングもなく、僕の全身に傷が斬り刻まれていく。
「どうした、金の方? このまま為す術もなく力尽きるかっ?!」
ガラスティナが吼える。
このままではジリ貧、僕の魔力が先に尽きる。
出し惜しみしている場合ではない。
ガラスティナの最後の核、大体の位置に目星は付いている。やつが無意識ながらも庇っているであろう箇所、僕はそこ目掛けて疾走した。
腹部を蹴り入れた際、普通ではない反応があったのだ。
僕は残りの魔力をフルバーストし、ガラスティナの体内に右手を突き入れる。僕の推測は正しかった、ドクンと波打つ鼓動が伝わって来る。
ゴフッとガラスティナが血を吐き出し、
「……く、くくっ。魔人となった、余の反応速度を軽々と、凌駕して来るか」
掴んだ。
最後の核を握り潰せば――僕の勝ちだ。あとは力を入れるだけというだけなのに身体が動かない。
痺れ、目眩、動悸――状態異常? いつくらった?
「動かぬであろう? 余の返り血を受けた代償だ。魔人の血はな、人間にとっては毒になる。あと一歩、お前は種族という超えられぬ壁により敗北するのだ」
ガラスティナが僕の首を掴む。
「人間には限界がある、年月が経てば老いる。なにをどう足掻いても不可能なことが存在する。今の余とお前のように、どちらが優れているかは一目瞭然であろう」
僕は触診を解き、通常の状態に戻る。
「……限界があるからこそ、人は強くなれるんだ」
「矛盾している。限界は文字通り限界、その壁を超えることはできぬ」
「それは、一人で越えようとするからだろう」
限界という言葉は自分を縛り付けるだけだ。
「信頼できる仲間と高め合っていく。一人で登ることのできない壁だって二人なら、三人なら、四人なら――どこまでだって行けるんだ。ガラスティナ、君も国王としてそういった人たちが周りにいたんじゃないか」
「……」
「上の階層にいた、ネクロマンサーがそうなんだろう」
「黙れ。ならば、余はお前を殺して――自身が正しかったことを証明しよう。その大層な言葉を放つ喉を砕いてやる」
ガラスティナが右手に力を入れる。
その瞬間、天井から衝撃音が鳴り響き、黒い流星が僕とガラスティナの間に高速で割り込んで来る。
一閃、ガラスティナの右腕を斬り飛ばし、
「クーラ、お待たせしました!」
どちらが正しいか、勝負はまだ終わっていない。
ガラスティナが呟く。
魔人、オンリー・テイルに置いて一切聞いたことがない情報だった。だが、世間一般的な認識からしてどう考えても最強種の一角だろう。
ドラゴン族、デーモン族、ヴァンパイア族等々。
はたして、既存の最強種を超えてくるのか? 僕はなにが起きても対処できるよう、ガラスティナの最初の一手を最大限に警戒する。
「来い、魔剣――ベルヘリア」
ガラスティナの周囲に剣が4本出現した。
主を守護するかのよう、ゆっくりと回転し続けている。その内の1本が高速で僕目掛けて飛来して来た。
僕は間一髪でそれを避ける。
すさまじい速度、傀儡糸で強化した状態でなければ、容易く僕の身体を貫いていただろう。
ガラスティナが剣を1本、また1本と飛来数を増やしていく。
回避しても舞い戻り、捌いてもすぐに軌道を修正して襲い来る。剣自体に意思が宿っているかのような精密さであった。
攻め入るタイミングもなく、僕の全身に傷が斬り刻まれていく。
「どうした、金の方? このまま為す術もなく力尽きるかっ?!」
ガラスティナが吼える。
このままではジリ貧、僕の魔力が先に尽きる。
出し惜しみしている場合ではない。
ガラスティナの最後の核、大体の位置に目星は付いている。やつが無意識ながらも庇っているであろう箇所、僕はそこ目掛けて疾走した。
腹部を蹴り入れた際、普通ではない反応があったのだ。
僕は残りの魔力をフルバーストし、ガラスティナの体内に右手を突き入れる。僕の推測は正しかった、ドクンと波打つ鼓動が伝わって来る。
ゴフッとガラスティナが血を吐き出し、
「……く、くくっ。魔人となった、余の反応速度を軽々と、凌駕して来るか」
掴んだ。
最後の核を握り潰せば――僕の勝ちだ。あとは力を入れるだけというだけなのに身体が動かない。
痺れ、目眩、動悸――状態異常? いつくらった?
「動かぬであろう? 余の返り血を受けた代償だ。魔人の血はな、人間にとっては毒になる。あと一歩、お前は種族という超えられぬ壁により敗北するのだ」
ガラスティナが僕の首を掴む。
「人間には限界がある、年月が経てば老いる。なにをどう足掻いても不可能なことが存在する。今の余とお前のように、どちらが優れているかは一目瞭然であろう」
僕は触診を解き、通常の状態に戻る。
「……限界があるからこそ、人は強くなれるんだ」
「矛盾している。限界は文字通り限界、その壁を超えることはできぬ」
「それは、一人で越えようとするからだろう」
限界という言葉は自分を縛り付けるだけだ。
「信頼できる仲間と高め合っていく。一人で登ることのできない壁だって二人なら、三人なら、四人なら――どこまでだって行けるんだ。ガラスティナ、君も国王としてそういった人たちが周りにいたんじゃないか」
「……」
「上の階層にいた、ネクロマンサーがそうなんだろう」
「黙れ。ならば、余はお前を殺して――自身が正しかったことを証明しよう。その大層な言葉を放つ喉を砕いてやる」
ガラスティナが右手に力を入れる。
その瞬間、天井から衝撃音が鳴り響き、黒い流星が僕とガラスティナの間に高速で割り込んで来る。
一閃、ガラスティナの右腕を斬り飛ばし、
「クーラ、お待たせしました!」
どちらが正しいか、勝負はまだ終わっていない。
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