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王都突入編
117話 因果の掌握
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裂、内部からの破壊。
リボルの体内で触手を巨大化、身体を爆散させる。そこら中に血が飛び散り、室内に死の臭いが充満する。
しかし、リボルが死んだという事実――その結果は数秒で覆った。
散らばったリボルの身体が瞬時に修復され、まるでなにごともなかったかのようにもとに戻ったのだ。
リボルが爽やかな笑顔を浮かべながら、
「素早い判断だ。その躊躇のないところも気に入った」
「化け物か」
「あっはっは、化け物とは心外だな。一種のパフォーマンス、君に見せておきたかったんだよ。因果の掌握、結果を捻じ曲げるということがどういったものかね」
一見すると、無敵に近いスキルだ。
だが、確実に穴はあるはず――スキルの使用には魔力が必須、無尽蔵に乱発できるわけがない。
「クーラ。そろそろ、歯を食いしばった方がいいよ」
「……歯を食いしばる?」
「この部屋には俺の"呪法"が大量に練り込んである。俺が死んだという結果は強制的に覆れど、俺を殺したという過程は残存する。今から君には同じ痛みが共有される。呪術師のカウンターくらいはご存知だろう」
瞬間、四肢を引き裂かれたかのような激痛が全身を駆け巡った。
痛みに耐えきれずその場に倒れ込む。
遠ざかる意識を集中して繋ぎ止めることだけで精一杯、この世界に来てある程度の痛みには慣れていたはずだったが、人体が破裂するほどの体験は僕の想像を絶していた。
呪術師のスキル、呪法によるカウンター。
呪法とは呪物というアイテムを消費して使用するスキルであり、呪物の種類によって様々な特殊効果を放つことが可能だった。その中でもこれは、攻撃してきた相手にダメージを反射させる呪法だろう。
呪術師はゲーム時、モンスター相手にデバフ(弱体化)を付与する後方支援がメインのプレイスタイルとなっていた。対象を人間相手に変えるだけで、ここまで脅威となり得るのか。
因果の掌握、最強の組み合わせといっても過言ではない。
「どうだ。死の痛みを感じた感想は?」
「……この痛み、笑顔で耐えられる時点で正気じゃない」
「正気すぎて困るくらいさ。逆に聞きたい、君の思考自体がおかしいと考えたことはないのか? 俺はもとの世界で何度も自由とはなにか、思い浮かべては無理やり消し去っていた。それがもとの世界のあり方だったからだ」
僕は今、全身を襲う激痛により微動だにできない。
リボルが僕を殺そうと思えばいつでも殺せる状況となっていた。だが、リボルはそんな素振りを見せることもせず話し続ける。
「まあ、君がすぐに落ちてくれるとは思っていない。ゆっくりと俺の思想を理解してくれればいいさ」
リボルは倒れる僕の前にしゃがみ込み、
「スカル・キラーの件は安心してくれ、俺は時期にこの国を去るからね。自然と君の冤罪を騎士団も理解する。今日はゆっくりと地べたを這いつくばって帰るといい」
「……僕を生かしたこと、後悔するぞ」
「あっはっは。後悔なんて一ミリもするものか、強情なやつほど落ちた時は従順になるものなんだよ。下から俺を見上げている光景を覚えておくんだな、いつしかそれが快感に変わってくるだろうさ」
「その凶悪な思想、クーラさんと同じく自分も大反対なのです」
「……がぁっ!」
会話の最中、リボルが血を吐き出す。
僕の脳が出現した人物の存在を再認識する。キャロルさんが姿を現し背後から心臓を一突きにした。
リボルの体内で触手を巨大化、身体を爆散させる。そこら中に血が飛び散り、室内に死の臭いが充満する。
しかし、リボルが死んだという事実――その結果は数秒で覆った。
散らばったリボルの身体が瞬時に修復され、まるでなにごともなかったかのようにもとに戻ったのだ。
リボルが爽やかな笑顔を浮かべながら、
「素早い判断だ。その躊躇のないところも気に入った」
「化け物か」
「あっはっは、化け物とは心外だな。一種のパフォーマンス、君に見せておきたかったんだよ。因果の掌握、結果を捻じ曲げるということがどういったものかね」
一見すると、無敵に近いスキルだ。
だが、確実に穴はあるはず――スキルの使用には魔力が必須、無尽蔵に乱発できるわけがない。
「クーラ。そろそろ、歯を食いしばった方がいいよ」
「……歯を食いしばる?」
「この部屋には俺の"呪法"が大量に練り込んである。俺が死んだという結果は強制的に覆れど、俺を殺したという過程は残存する。今から君には同じ痛みが共有される。呪術師のカウンターくらいはご存知だろう」
瞬間、四肢を引き裂かれたかのような激痛が全身を駆け巡った。
痛みに耐えきれずその場に倒れ込む。
遠ざかる意識を集中して繋ぎ止めることだけで精一杯、この世界に来てある程度の痛みには慣れていたはずだったが、人体が破裂するほどの体験は僕の想像を絶していた。
呪術師のスキル、呪法によるカウンター。
呪法とは呪物というアイテムを消費して使用するスキルであり、呪物の種類によって様々な特殊効果を放つことが可能だった。その中でもこれは、攻撃してきた相手にダメージを反射させる呪法だろう。
呪術師はゲーム時、モンスター相手にデバフ(弱体化)を付与する後方支援がメインのプレイスタイルとなっていた。対象を人間相手に変えるだけで、ここまで脅威となり得るのか。
因果の掌握、最強の組み合わせといっても過言ではない。
「どうだ。死の痛みを感じた感想は?」
「……この痛み、笑顔で耐えられる時点で正気じゃない」
「正気すぎて困るくらいさ。逆に聞きたい、君の思考自体がおかしいと考えたことはないのか? 俺はもとの世界で何度も自由とはなにか、思い浮かべては無理やり消し去っていた。それがもとの世界のあり方だったからだ」
僕は今、全身を襲う激痛により微動だにできない。
リボルが僕を殺そうと思えばいつでも殺せる状況となっていた。だが、リボルはそんな素振りを見せることもせず話し続ける。
「まあ、君がすぐに落ちてくれるとは思っていない。ゆっくりと俺の思想を理解してくれればいいさ」
リボルは倒れる僕の前にしゃがみ込み、
「スカル・キラーの件は安心してくれ、俺は時期にこの国を去るからね。自然と君の冤罪を騎士団も理解する。今日はゆっくりと地べたを這いつくばって帰るといい」
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「あっはっは。後悔なんて一ミリもするものか、強情なやつほど落ちた時は従順になるものなんだよ。下から俺を見上げている光景を覚えておくんだな、いつしかそれが快感に変わってくるだろうさ」
「その凶悪な思想、クーラさんと同じく自分も大反対なのです」
「……がぁっ!」
会話の最中、リボルが血を吐き出す。
僕の脳が出現した人物の存在を再認識する。キャロルさんが姿を現し背後から心臓を一突きにした。
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