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王都突入編
143話 王立図書館
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腹ごしらえも終え、僕たちは王立図書館に向かう。
ここは王都について、基本的な情報を仕入れるにはうってつけの場所だろう。
ゲーム時の知識を土台に、さらなる肉付けをしていきたい。
王立図書館の中はそれはもう――驚愕の一言に尽きた。ありとあらゆる書物が館内に置かれ、まるでこの空間が本で作られているのかと錯覚するほどだった。
一体、どこから手を付ければいい? 文章に囲まれて目が回りそうである。
とりあえず、ナコと手分けして――気になる書物があったらフリースペースで読んでみようということになった。
ジャンル別に分類されているので、僕は『歴史』の棚を見に行く。
その隣には『娯楽』とあり自然と視線がそっちに移った。
「……『夜の王都でエンジョイ万歳』だと?」
な、なんて興味を引くタイトルだ。
王都に到着したら、女の子のいる飲み屋さんに行ってみたいなと頭の片隅に置いてはいたが――いやはや、これはもうナイス運命に違いない。
僕は王都の情報そっちのけに、夜の王都(略称)を立ち読みする。
「王都の歓楽街、心を癒やすなら『ムスカルス』がオススメ、お店がランキング別になっているのか。なになに、一番人気のコレットちゃんがナイスバディで超絶可愛い? 出会うだけで翌日は絶好調――なるほど」
「……なるほど、の続きはなんですか?」
いつの間にか、ナコが背後にいた。
「ご、誤解なんだ」
思わず、昼のドラマで言うような一言が飛び出る。
「なにが誤解なんですか?」
「なにも誤解じゃなかった」
「クーラが真剣に王都について勉強していると思ったら――どういうことですか? これってエッチな本ですよね」
「いや、エッチってほどではないよ?」
「……ひょ、表紙がセクシーなお姉さんです」
ナコが頬を赤らめながら言う。
胸もとが開いた服の女性、僕にとってはグラビアくらいの感覚だが――そうか、ナコにとっては刺激が強い部類に入るのか。
……エッチ、エッチね。
いつもの僕なら素直に引き下がるところだが、あえて前に進んでみる。
「ナコ、僕は今金髪美少女ではあるけれど男だ。最近はこの姿に慣れ親しみすぎているけれど男なんだ」
「は、はい。わかっていますよ」
勢いよく言った僕に対し、ナコが怯みながら応じる。
僕は夜の王都、ムスカルスの美人嬢特集ページを開き――ナコに見せつける。
僕も中身は成人した男、まだまだ興味があるお年ごろだとわかってもらうための強硬手段であった。
「セクシーなお姉さんにも興味がある。それにこれは『教育』という棚にあったんだ。王都では意外とここら辺は性教育的にオープンなのかもしれないよ」
嘘も嘘、大嘘である。
しかし、ウィンウィンではウィールが10歳から飲めるのだ。ナコも覚えているはずなので信じる可能性は高い。
騙すようで申しわけないが、ナコも寛容な心を持っていただけると嬉しい。
ナコが女性関係になると怒る理由、僕も鈍感体質なわけではなく、ナコが特別な好意を僕に向けてくれていることくらいはなんとなくわかる。
だが、それは子供心によくある大人に対する憧れへの思い違い、ナコの好きはその一部だと僕は思っている。
僕の壮大な嘘、ナコは目を逸らすことなく口を開き、
「だ、だったら、私が、クーラの抑えきれない部分をどうにかしますっ!」
何故そうなる。
まさかの、一歩たりとも引いてくれなかったという。
ここは王都について、基本的な情報を仕入れるにはうってつけの場所だろう。
ゲーム時の知識を土台に、さらなる肉付けをしていきたい。
王立図書館の中はそれはもう――驚愕の一言に尽きた。ありとあらゆる書物が館内に置かれ、まるでこの空間が本で作られているのかと錯覚するほどだった。
一体、どこから手を付ければいい? 文章に囲まれて目が回りそうである。
とりあえず、ナコと手分けして――気になる書物があったらフリースペースで読んでみようということになった。
ジャンル別に分類されているので、僕は『歴史』の棚を見に行く。
その隣には『娯楽』とあり自然と視線がそっちに移った。
「……『夜の王都でエンジョイ万歳』だと?」
な、なんて興味を引くタイトルだ。
王都に到着したら、女の子のいる飲み屋さんに行ってみたいなと頭の片隅に置いてはいたが――いやはや、これはもうナイス運命に違いない。
僕は王都の情報そっちのけに、夜の王都(略称)を立ち読みする。
「王都の歓楽街、心を癒やすなら『ムスカルス』がオススメ、お店がランキング別になっているのか。なになに、一番人気のコレットちゃんがナイスバディで超絶可愛い? 出会うだけで翌日は絶好調――なるほど」
「……なるほど、の続きはなんですか?」
いつの間にか、ナコが背後にいた。
「ご、誤解なんだ」
思わず、昼のドラマで言うような一言が飛び出る。
「なにが誤解なんですか?」
「なにも誤解じゃなかった」
「クーラが真剣に王都について勉強していると思ったら――どういうことですか? これってエッチな本ですよね」
「いや、エッチってほどではないよ?」
「……ひょ、表紙がセクシーなお姉さんです」
ナコが頬を赤らめながら言う。
胸もとが開いた服の女性、僕にとってはグラビアくらいの感覚だが――そうか、ナコにとっては刺激が強い部類に入るのか。
……エッチ、エッチね。
いつもの僕なら素直に引き下がるところだが、あえて前に進んでみる。
「ナコ、僕は今金髪美少女ではあるけれど男だ。最近はこの姿に慣れ親しみすぎているけれど男なんだ」
「は、はい。わかっていますよ」
勢いよく言った僕に対し、ナコが怯みながら応じる。
僕は夜の王都、ムスカルスの美人嬢特集ページを開き――ナコに見せつける。
僕も中身は成人した男、まだまだ興味があるお年ごろだとわかってもらうための強硬手段であった。
「セクシーなお姉さんにも興味がある。それにこれは『教育』という棚にあったんだ。王都では意外とここら辺は性教育的にオープンなのかもしれないよ」
嘘も嘘、大嘘である。
しかし、ウィンウィンではウィールが10歳から飲めるのだ。ナコも覚えているはずなので信じる可能性は高い。
騙すようで申しわけないが、ナコも寛容な心を持っていただけると嬉しい。
ナコが女性関係になると怒る理由、僕も鈍感体質なわけではなく、ナコが特別な好意を僕に向けてくれていることくらいはなんとなくわかる。
だが、それは子供心によくある大人に対する憧れへの思い違い、ナコの好きはその一部だと僕は思っている。
僕の壮大な嘘、ナコは目を逸らすことなく口を開き、
「だ、だったら、私が、クーラの抑えきれない部分をどうにかしますっ!」
何故そうなる。
まさかの、一歩たりとも引いてくれなかったという。
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