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もふもふの都開国編
256話 固執する理由
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「雷の刃――雷雨っ!」
怒涛の突きの嵐が降りかかる。
剣聖は僕を片手で抱えながらも、もう片方の手で全て防ぎ切る。ゴザルも僕に当たらないように加減はしているだろうが――それを考慮しても剣術が神がかっている。
武器の形状から察するに、剣聖のジョブは剣士だろう。
剣士は攻撃と防御、どちらも器用にこなすことのできる――バランスタイプのジョブである。
一足飛び、剣聖はゴザルから距離を取り、
「ふーん。結構強いんだね」
「結構? 言ってくれるじゃない」
「攻撃に全振りの武者、私相手じゃ――相性が悪かったかもね」
剣聖が僕を頭上高くに投げる。
不意の動きに、ゴザルの視線が刹那――僕に移るのがわかった。
達人同士の戰いは一秒に満たない間であっても大きな隙となる。
「がぁあっ!」
「……っ?!」
剣士のスキル――怒号、ゴザルの意識が固定される。
強制的に戻された視界、意図しない視野の矯正に――ゴザルの反応が遅れているのがわかった。
スキルの創意工夫、怒号にこんな使い方があるのか。
モンスターの注意を固定するために有用と思っていたが、人間相手に微細な意識のズレを作り出すなんて想像もしていなかった。
その隙を、剣聖が――見逃すはずがない。
「大切な人は、目で追いかけちゃうよね」
ゴザルの懐に潜り込み、剣の柄を押し当てる。
「すぐには殺さない。散々いたぶってあげる」
白い光がゴザルを貫通した。
剣士のスキル"剣衝波"――文字通り、剣から波動を放ち対象に衝撃を与えるものだ。
ダメージは少ないが、恐ろしい点は――追加効果にある。
対象の動きを数秒間、強制的に停止することが可能なのだ。
「極めたもの同士の戦い、まばたきすら致命傷になり得る。一秒、二秒、三秒が永遠に感じるよね? 今この瞬間、あんたは――私のサンドバックになる」
剣聖がゴザルの顔を殴り付ける。
続けて、腹部に――蹴りをめり込ませた。威力を殺さないよう、ゴザルの腕を抑え付けながらである。
ゴザルが、血を吐き出す。
白のワンピースが真っ赤に染まり、ゴザルの身体が崩れ落ち――剣聖がそれを許さず引っ張り上げる。
追撃、顔の中心を殴り付けた。
「……っ」
「あっははっ! 声出さないんだ? 一撃一撃、魔力を込めに込めてるから――痛いなんてレベルじゃないはずだけどね」
地獄の数秒間が終わり、剣聖がゴザルを投げ飛ばす。
同時、僕の真下に舞い戻り――床に落下する直前キャッチした。
剣聖は嬉しそうな声色で話しかけてくる。
「ただいまっ! あいつ、まだ意識あるんだよね。もう少しだけ待っててくれる?」
「それ以上は――やめるんだ。君がゴザルに攻撃を続けるなら、僕も黙って見過ごすわけにはいかない」
「どうしてそんなこと言うの?」
「僕はゴザルの仲間、当然のことだろう」
「私より、あいつを優先するんだ。そんな言葉――聞きたくない」
剣聖の腕に力が入るのがわかった。
「"絶剣の紋"を付与する」
クロスした剣の紋章が――僕の周囲に浮かび上がる。
指定した対象を絶対防御の魔壁に包み込む。この中に入ったものは――外部からの攻撃を全て防ぐと同時、その対象も攻撃が不可能になるというスキルだ。
使用者の魔力が続く限り、完全な隔離が続く。
「……剣聖、なんで僕に固執するんだ」
「何度も言わせないで――やっと見つけたんだ。だからこそ、邪魔するやつは例外なく消し去っていく」
剣聖が――ゴザルに飛び掛かった。
怒涛の突きの嵐が降りかかる。
剣聖は僕を片手で抱えながらも、もう片方の手で全て防ぎ切る。ゴザルも僕に当たらないように加減はしているだろうが――それを考慮しても剣術が神がかっている。
武器の形状から察するに、剣聖のジョブは剣士だろう。
剣士は攻撃と防御、どちらも器用にこなすことのできる――バランスタイプのジョブである。
一足飛び、剣聖はゴザルから距離を取り、
「ふーん。結構強いんだね」
「結構? 言ってくれるじゃない」
「攻撃に全振りの武者、私相手じゃ――相性が悪かったかもね」
剣聖が僕を頭上高くに投げる。
不意の動きに、ゴザルの視線が刹那――僕に移るのがわかった。
達人同士の戰いは一秒に満たない間であっても大きな隙となる。
「がぁあっ!」
「……っ?!」
剣士のスキル――怒号、ゴザルの意識が固定される。
強制的に戻された視界、意図しない視野の矯正に――ゴザルの反応が遅れているのがわかった。
スキルの創意工夫、怒号にこんな使い方があるのか。
モンスターの注意を固定するために有用と思っていたが、人間相手に微細な意識のズレを作り出すなんて想像もしていなかった。
その隙を、剣聖が――見逃すはずがない。
「大切な人は、目で追いかけちゃうよね」
ゴザルの懐に潜り込み、剣の柄を押し当てる。
「すぐには殺さない。散々いたぶってあげる」
白い光がゴザルを貫通した。
剣士のスキル"剣衝波"――文字通り、剣から波動を放ち対象に衝撃を与えるものだ。
ダメージは少ないが、恐ろしい点は――追加効果にある。
対象の動きを数秒間、強制的に停止することが可能なのだ。
「極めたもの同士の戦い、まばたきすら致命傷になり得る。一秒、二秒、三秒が永遠に感じるよね? 今この瞬間、あんたは――私のサンドバックになる」
剣聖がゴザルの顔を殴り付ける。
続けて、腹部に――蹴りをめり込ませた。威力を殺さないよう、ゴザルの腕を抑え付けながらである。
ゴザルが、血を吐き出す。
白のワンピースが真っ赤に染まり、ゴザルの身体が崩れ落ち――剣聖がそれを許さず引っ張り上げる。
追撃、顔の中心を殴り付けた。
「……っ」
「あっははっ! 声出さないんだ? 一撃一撃、魔力を込めに込めてるから――痛いなんてレベルじゃないはずだけどね」
地獄の数秒間が終わり、剣聖がゴザルを投げ飛ばす。
同時、僕の真下に舞い戻り――床に落下する直前キャッチした。
剣聖は嬉しそうな声色で話しかけてくる。
「ただいまっ! あいつ、まだ意識あるんだよね。もう少しだけ待っててくれる?」
「それ以上は――やめるんだ。君がゴザルに攻撃を続けるなら、僕も黙って見過ごすわけにはいかない」
「どうしてそんなこと言うの?」
「僕はゴザルの仲間、当然のことだろう」
「私より、あいつを優先するんだ。そんな言葉――聞きたくない」
剣聖の腕に力が入るのがわかった。
「"絶剣の紋"を付与する」
クロスした剣の紋章が――僕の周囲に浮かび上がる。
指定した対象を絶対防御の魔壁に包み込む。この中に入ったものは――外部からの攻撃を全て防ぐと同時、その対象も攻撃が不可能になるというスキルだ。
使用者の魔力が続く限り、完全な隔離が続く。
「……剣聖、なんで僕に固執するんだ」
「何度も言わせないで――やっと見つけたんだ。だからこそ、邪魔するやつは例外なく消し去っていく」
剣聖が――ゴザルに飛び掛かった。
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