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もふもふの都開国編
259話 転生の内訳
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会合も終わり、僕たちはホームへの帰路を歩む。
ウォータスも渋々ではあるが、火の都サラマンの跡地については了承――開国への第一歩がスタートした。
僕の理想を形にするため、やるべきことは多い。
後日、サラマンを訪れて現状を把握しに行く次第である。国の件とはまた別に、知っておかねばならないことが多々あった。
今、僕にしがみついて離れない人物がいる。
「琴葉、どういうことなの?」
「にぃに、会えてよかった」
「いや、どういうことなの?」
「んんー、にぃにの姿は変わっても――私にはわかるんだ。もうこれ絶対運命、深い愛で繋がってるんだよ」
「聞いてる?」
「私も知りたいわ。ソラ、あなたどうなっているの? 剣聖が妹だなんて想像を超えすぎているわ」
ゲーム時から、ゴザルは剣聖について知っていたと話す。
攻撃職、主に近接ジョブの間では――桁違いに戦闘能力の高いプレイヤーとして有名だったという。
どちらかというと前衛後衛でもない中衛寄りな僕、全然知らなかった上にその剣聖が妹だったなんて予想外にもほどがある。
ゲームをしていたこと自体――知らなかった。
「あ、負け犬さん。私とにぃにのラブラブ会話に入ってこないで」
「ま、負け犬っ?!」
「どう見ても、今の勝負は――私の勝ちだよね」
「なにを言っているのかしら。最後の最後まで――地に足を付けている限り、勝敗なんてものはわからないのよ」
「まあ、一理あるね。じゃあ、今回の勝負は引き分けってことにしてあげる。ジョブの相性的には不利なのに、最後まで諦めずに放った一撃は焦ったよ」
「……反論するかと思ったら、呆気ないくらい切り替えが早いのね」
「ゴザル、気を悪くさせたらごめん。悪い子じゃないんだ。琴葉は昔から思ったことを言葉にしちゃう性格でね」
「ふふ。兄妹なのね、ソラもじゃない」
ぐうの音もでない。
とりあえず、ゴザルと琴葉の争いは――終息の兆しを見せる。
僕は改めて話を琴葉の件について戻す。
「琴葉、もう会えないかと思っていたよ」
「にぃにを驚かせようと思って、こっそりプレイしてたんだ」
「アカウントは――母さんに頼んだのかな?」
「そうだよ、カメラ認識でママを撮って作成したんだ。髪色や目の色は私の個人的な趣味かな。もう少し、大人びたグラフィックだったんだけど、この世界に来たら――若くなっちゃった」
年齢は転生前=転生後になる。
母さんの若いころは――今の琴葉にそっくりだった。その点が幸いしてか、もとの世界の琴葉と全く変わりはない。
「となると、僕のキャラクターには父さんが入っているのか?」
「それは可能性薄いかも、パパもにぃにを驚かそうと思って――私と一緒にこっそりとレベル上げしてたから」
「なんで家族揃って僕にサプライズ仕掛けようとしてるのっ?!」
「えー、にぃにが喜ぶかなって」
「いや、嬉しいけどさっ!」
そう、生きているだけで――嬉しい。
そのサプライズのおかげで――皆、この世界に転生している可能性が高まったのだ。父さんもどこからか、ひょっこりと顔を出すかもしれない。
「もう一度聞くけど、母さんはサプライズに参加してないんだよね」
「にぃに、よくゲーム付けっぱなしにする癖あったよね。世界が滅ぶ前も電源を消し忘れていたとしたら――ママがいじっているかもしれない」
「やっぱり、そうなるのか」
「そうなるね。にぃにのキャラには――ママが入っていると思う」
母さん、今――どこでなにしてるの?
ウォータスも渋々ではあるが、火の都サラマンの跡地については了承――開国への第一歩がスタートした。
僕の理想を形にするため、やるべきことは多い。
後日、サラマンを訪れて現状を把握しに行く次第である。国の件とはまた別に、知っておかねばならないことが多々あった。
今、僕にしがみついて離れない人物がいる。
「琴葉、どういうことなの?」
「にぃに、会えてよかった」
「いや、どういうことなの?」
「んんー、にぃにの姿は変わっても――私にはわかるんだ。もうこれ絶対運命、深い愛で繋がってるんだよ」
「聞いてる?」
「私も知りたいわ。ソラ、あなたどうなっているの? 剣聖が妹だなんて想像を超えすぎているわ」
ゲーム時から、ゴザルは剣聖について知っていたと話す。
攻撃職、主に近接ジョブの間では――桁違いに戦闘能力の高いプレイヤーとして有名だったという。
どちらかというと前衛後衛でもない中衛寄りな僕、全然知らなかった上にその剣聖が妹だったなんて予想外にもほどがある。
ゲームをしていたこと自体――知らなかった。
「あ、負け犬さん。私とにぃにのラブラブ会話に入ってこないで」
「ま、負け犬っ?!」
「どう見ても、今の勝負は――私の勝ちだよね」
「なにを言っているのかしら。最後の最後まで――地に足を付けている限り、勝敗なんてものはわからないのよ」
「まあ、一理あるね。じゃあ、今回の勝負は引き分けってことにしてあげる。ジョブの相性的には不利なのに、最後まで諦めずに放った一撃は焦ったよ」
「……反論するかと思ったら、呆気ないくらい切り替えが早いのね」
「ゴザル、気を悪くさせたらごめん。悪い子じゃないんだ。琴葉は昔から思ったことを言葉にしちゃう性格でね」
「ふふ。兄妹なのね、ソラもじゃない」
ぐうの音もでない。
とりあえず、ゴザルと琴葉の争いは――終息の兆しを見せる。
僕は改めて話を琴葉の件について戻す。
「琴葉、もう会えないかと思っていたよ」
「にぃにを驚かせようと思って、こっそりプレイしてたんだ」
「アカウントは――母さんに頼んだのかな?」
「そうだよ、カメラ認識でママを撮って作成したんだ。髪色や目の色は私の個人的な趣味かな。もう少し、大人びたグラフィックだったんだけど、この世界に来たら――若くなっちゃった」
年齢は転生前=転生後になる。
母さんの若いころは――今の琴葉にそっくりだった。その点が幸いしてか、もとの世界の琴葉と全く変わりはない。
「となると、僕のキャラクターには父さんが入っているのか?」
「それは可能性薄いかも、パパもにぃにを驚かそうと思って――私と一緒にこっそりとレベル上げしてたから」
「なんで家族揃って僕にサプライズ仕掛けようとしてるのっ?!」
「えー、にぃにが喜ぶかなって」
「いや、嬉しいけどさっ!」
そう、生きているだけで――嬉しい。
そのサプライズのおかげで――皆、この世界に転生している可能性が高まったのだ。父さんもどこからか、ひょっこりと顔を出すかもしれない。
「もう一度聞くけど、母さんはサプライズに参加してないんだよね」
「にぃに、よくゲーム付けっぱなしにする癖あったよね。世界が滅ぶ前も電源を消し忘れていたとしたら――ママがいじっているかもしれない」
「やっぱり、そうなるのか」
「そうなるね。にぃにのキャラには――ママが入っていると思う」
母さん、今――どこでなにしてるの?
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