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もふもふの都開国編
289話 お風呂で自白×3
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夜更けごろ。
白雪の果てしなく長い修行も終わり、僕は紅桜組の屋敷内に存在する浴場で汗を流していた。男女ごとに専用で分かれてあるのだが、今の僕の性別からは――女性用を選ばざるをえない。
皆とは時間を大幅にズラし、ゆっくりと単独で浸かることにする。
「ふぁあ~、気持ちいい」
勝手に声が漏れる。
修行にて肉体と魔力を酷使した代償、なんとも全身が気怠く――このまま、お湯に溶け込んで一体化してしまいそうである。
僕は湯船に浮かぶ自身を見つめながら、
「おっぱいが2つかぁ」
一人ほくそ笑む。
今となっては見慣れた光景、慣れ親しんだこの身体、いつになったらもとの性別に戻れるのだろう。今のところは反転薬が手に入る予定もないし、実際に効果があるかもわからない状況である。
僕の装備は転生時初期から変わらず――水着状態のままだ。
優れた性能であることが一番の理由だが、男に戻れるという選択肢が現れた瞬間、どうするべきか判断に悩んでしまう。
ゲーム時、この水着はネタ扱いで――男でも装備できたのだ。
現実となった今、とてもじゃないが装備する勇気はない。もとの性別に戻ろうという意志が後回しになるのは――そのせいだった。
僕は湯船に深く沈み込み、顔だけ浮かばせながら、
「まあ、しばらくは現状維持で――いいか」
「悩みごとですか?」
「ここだけの話、僕の水着は男でも装備できるんだよね。見た目か性能か、ゲーム時から変わらず――究極の選択だよ」
「はい」
「色々な物事含め、一つずつ――着実にクリアしていくしかないのかなぁって」
「私はクーラのやることに全力で付いていきます」
「ありがとう。今さら感満載だけど、ゴザルとホムラ心配してないかなぁ」
「確かに、可能性は高そうです。私がいなくて、ホムラお姉ちゃんが泣き喚いているかもしれませんね」
僕は一拍置き、真横にいる人物に問い掛ける。
「ナコさん、どうしてここにいるの?」
「おっぱいが2つかぁと、笑っていたところからいましたよ」
会話を無視した強烈なカウンターである。
その時、湯船がブクブクと泡を立て――間欠泉のごとく誰かが勢いよく大の字で飛び出してくる。
ピンク色の耳と尻尾を震わせて、水を弾き飛ばしながら、
「ざぱぱーんっ! 実はライカもいるんだぁっ!」
「ら、ライカ、前を隠してくださいっ!」
「ナコちん、恥ずかしがるポイントおかしくない?」
「で、でも、全部見えちゃってますっ!」
「一緒に入ってるんだからさぁ、そんなの気にしても仕方ないでしょ」
「……そ、それは、そうなのですが」
「ナコ、ライカ、どちらの言い分が正しいかは置いといて――僕一人で入浴するって伝えてたよね? 二人共、僕の話ちゃんと聞いてたっ?!」
「聞いただけです」
「んんー、ライカも聞いてはいたよ」
屁理屈ぅっ!
今さら一人にして欲しいなんて言えるわけもなく、こうなってしまった手前――素直に受け入れるとしよう。
不意にライカが正面から僕に飛び付き、
「クーにぃのおっぱい、結構大きいねぇっ!」
澄んだ瞳で――そう叫ぶのであった。
白雪の果てしなく長い修行も終わり、僕は紅桜組の屋敷内に存在する浴場で汗を流していた。男女ごとに専用で分かれてあるのだが、今の僕の性別からは――女性用を選ばざるをえない。
皆とは時間を大幅にズラし、ゆっくりと単独で浸かることにする。
「ふぁあ~、気持ちいい」
勝手に声が漏れる。
修行にて肉体と魔力を酷使した代償、なんとも全身が気怠く――このまま、お湯に溶け込んで一体化してしまいそうである。
僕は湯船に浮かぶ自身を見つめながら、
「おっぱいが2つかぁ」
一人ほくそ笑む。
今となっては見慣れた光景、慣れ親しんだこの身体、いつになったらもとの性別に戻れるのだろう。今のところは反転薬が手に入る予定もないし、実際に効果があるかもわからない状況である。
僕の装備は転生時初期から変わらず――水着状態のままだ。
優れた性能であることが一番の理由だが、男に戻れるという選択肢が現れた瞬間、どうするべきか判断に悩んでしまう。
ゲーム時、この水着はネタ扱いで――男でも装備できたのだ。
現実となった今、とてもじゃないが装備する勇気はない。もとの性別に戻ろうという意志が後回しになるのは――そのせいだった。
僕は湯船に深く沈み込み、顔だけ浮かばせながら、
「まあ、しばらくは現状維持で――いいか」
「悩みごとですか?」
「ここだけの話、僕の水着は男でも装備できるんだよね。見た目か性能か、ゲーム時から変わらず――究極の選択だよ」
「はい」
「色々な物事含め、一つずつ――着実にクリアしていくしかないのかなぁって」
「私はクーラのやることに全力で付いていきます」
「ありがとう。今さら感満載だけど、ゴザルとホムラ心配してないかなぁ」
「確かに、可能性は高そうです。私がいなくて、ホムラお姉ちゃんが泣き喚いているかもしれませんね」
僕は一拍置き、真横にいる人物に問い掛ける。
「ナコさん、どうしてここにいるの?」
「おっぱいが2つかぁと、笑っていたところからいましたよ」
会話を無視した強烈なカウンターである。
その時、湯船がブクブクと泡を立て――間欠泉のごとく誰かが勢いよく大の字で飛び出してくる。
ピンク色の耳と尻尾を震わせて、水を弾き飛ばしながら、
「ざぱぱーんっ! 実はライカもいるんだぁっ!」
「ら、ライカ、前を隠してくださいっ!」
「ナコちん、恥ずかしがるポイントおかしくない?」
「で、でも、全部見えちゃってますっ!」
「一緒に入ってるんだからさぁ、そんなの気にしても仕方ないでしょ」
「……そ、それは、そうなのですが」
「ナコ、ライカ、どちらの言い分が正しいかは置いといて――僕一人で入浴するって伝えてたよね? 二人共、僕の話ちゃんと聞いてたっ?!」
「聞いただけです」
「んんー、ライカも聞いてはいたよ」
屁理屈ぅっ!
今さら一人にして欲しいなんて言えるわけもなく、こうなってしまった手前――素直に受け入れるとしよう。
不意にライカが正面から僕に飛び付き、
「クーにぃのおっぱい、結構大きいねぇっ!」
澄んだ瞳で――そう叫ぶのであった。
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