転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ

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もふもふの都開国編

332話 殲滅戦 その6

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 最深部の広間に到達する。
 まずは様子見、僕たちは遠目にてシークレットの実物を確認する。
 丸い個体、直径は20メートルにも及ぶであろうほどの巨体であった。

 驚くべきことに、本体にも大きな赤い瞳が二つ付いている。
 僕たちの気配を察してか警戒してか、8本首は全て本体を守るかのよう――周りで蠢いている。

 モンスターも大量、決めた作戦通り――僕とライカで雑魚処理、ホムラはシークレットに集中、ポンズは脱出時に向けての後方支援でいく。
 女性陣は本体の姿を見て身震いしながら、

「普通にキモい。ライカ戦うのやだなぁ」
「……生理的に受け付けない形をしている」
「うげげ。ソラちゃん、やっぱり私は待機組でいい?」
「ホムラの格好いいところ見たいなぁ」
「えー、仕方ないなぁ」
「ホムちんチョロすぎてウケる」

 各々、戦闘準備をする。
 しかし、シークレットの姿――どこかで見た記憶がある。
 いや、見た記憶があるというよりはなにかに似ているといった方が正しいか。
 思い出せ、捻り出せ、重大なことを見落としている気がする。

「あのキモいシークレット、漫画で見た気がするなぁ」
「……ライカ、どんな漫画だった?」
「んー、呪いの本? ホラー系のやつだった気がする。ライカ、そういうの大好きなんだよねぇ」

 喉元まで出かかっている。
 このまま、戦闘を開始するのは――危険な香りがした。僕が突入の合図をしないことに皆が首を傾げている。

「ソラちゃん、まだ? 私、あいつをぶっ倒したら――ホームに帰ってゆっくりとお風呂に浸かるから。リペアストーンがあるっていっても、なんか汚れが落ちてる気がしないんだよね」

 ホムラが毛先を指で弄りながら、

「髪の潤いもなくなってる気がするし」
「ホムラ、それだ――それだよ」
「な、ななな、なにがっ?」

 ズイッと、僕はホムラに顔を寄せる。
 急に近付いたせいか、ホムラが動揺してだろう――頬を赤く染める。
 今のホムラの一言で、シークレットの姿が僕の記憶と重なった。
 僕は一度静止するよう指示する。

「皆、作戦を立て直そう」

 慎重にいかざるを得ない。
 僕の推測が正しければ、一瞬にして全滅する恐れがある。ライカとホムラの偶然発した言葉が運命を左右した。
 8本首だけに集中するのではなく、全体に意識を向けたら――浮かび上がる。

「あのシークレット、メドゥーサに似てるんだ」
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