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エレメント正邪激闘編
370話 ハグハグ
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2日後に迫ったギルド対抗戦。
不安要素バリバリながらも、僕たち側の準備は整ったが――ゴザルたちはどうなったのだろう。ラミュアの話していた頼みの綱がヒットしていれば、すでに王都には来ていてもいいはずだ。
"Nightmares"のホームを覗いたが、ゴザルたちの姿は見当たらなかった。
僕とナコだけではあるが、リビングのソファーに腰を掛け――ギルド対抗戦に向けての話し合いを始めることにする。
……姿を消した他のメンバーについては諦めよう。
仮に作戦を決めたとして、後藤さんの言う通り――素直に実行する確率は限りなく低そうだからだ。
僕はナコにギルド対抗戦の内容を説明する。
「サバイバル方式、ですか?」
「ゲーム時と同様なら、予選はそうなるだろうね。全てのギルドが同じフィールドで戦い合って、何組かが本戦に勝ち上がることができるんだ」
フィールドは『戦姫の傷跡』になる。
王都の一区画、戦姫の傷跡と称される場所は――遥か昔、大陸全土で争いが起きていた際に一人の勇敢な人物が守り抜いた地と言われている。現在は誰も住まぬ廃都となっており、残された建造物を利用した訓練場となっていた。
それがゲーム時でいうところの――PvP専用エリアである。
「スタートは転移陣でギルドごとにランダムで飛ばされてね。運悪く他ギルドと転移場所がかぶったりしたら、開始早々ぶつかり合うこともあるかな」
そして、その指し示す答えは――一つだった。
「まず間違いなく命のやり取りになる。このギルド対抗戦は実戦形式、どれだけ殺そうが罪に問われることはない」
ゲーム時、PvPなら――終了後、復活できた。
現実となった今、そんな生易しい環境は皆無である。殺し殺され、死んだものは死んだままである。
ナコは握り込んだ手を胸に置きながら、
「問題ありません。クーラは私が守ります」
「ありがとう。僕もナコを守ってみせるよ」
「ふふ。この世界の理不尽なんかに、私を奪わせたりはしませんもんね」
「約束するよ」
ナコが嬉しそうに、僕に身体を預ける。
ウィンウィンにいたころは、よくこんな風に――二人で穏やかな時間を過ごしていた気がする。
ナコも同じことを考えていたのか、僕の方をじっと見ながら、
「そういえば、二人きりの時間ですね」
「うんうん」
「クーラ、ハグしてください」
「んんっ?」
「ハグしてください」
繰り返し、繰り返す。
聞こえなかったフリは駄目とばかりに、ナコは何度も――そう口にするのであった。
不安要素バリバリながらも、僕たち側の準備は整ったが――ゴザルたちはどうなったのだろう。ラミュアの話していた頼みの綱がヒットしていれば、すでに王都には来ていてもいいはずだ。
"Nightmares"のホームを覗いたが、ゴザルたちの姿は見当たらなかった。
僕とナコだけではあるが、リビングのソファーに腰を掛け――ギルド対抗戦に向けての話し合いを始めることにする。
……姿を消した他のメンバーについては諦めよう。
仮に作戦を決めたとして、後藤さんの言う通り――素直に実行する確率は限りなく低そうだからだ。
僕はナコにギルド対抗戦の内容を説明する。
「サバイバル方式、ですか?」
「ゲーム時と同様なら、予選はそうなるだろうね。全てのギルドが同じフィールドで戦い合って、何組かが本戦に勝ち上がることができるんだ」
フィールドは『戦姫の傷跡』になる。
王都の一区画、戦姫の傷跡と称される場所は――遥か昔、大陸全土で争いが起きていた際に一人の勇敢な人物が守り抜いた地と言われている。現在は誰も住まぬ廃都となっており、残された建造物を利用した訓練場となっていた。
それがゲーム時でいうところの――PvP専用エリアである。
「スタートは転移陣でギルドごとにランダムで飛ばされてね。運悪く他ギルドと転移場所がかぶったりしたら、開始早々ぶつかり合うこともあるかな」
そして、その指し示す答えは――一つだった。
「まず間違いなく命のやり取りになる。このギルド対抗戦は実戦形式、どれだけ殺そうが罪に問われることはない」
ゲーム時、PvPなら――終了後、復活できた。
現実となった今、そんな生易しい環境は皆無である。殺し殺され、死んだものは死んだままである。
ナコは握り込んだ手を胸に置きながら、
「問題ありません。クーラは私が守ります」
「ありがとう。僕もナコを守ってみせるよ」
「ふふ。この世界の理不尽なんかに、私を奪わせたりはしませんもんね」
「約束するよ」
ナコが嬉しそうに、僕に身体を預ける。
ウィンウィンにいたころは、よくこんな風に――二人で穏やかな時間を過ごしていた気がする。
ナコも同じことを考えていたのか、僕の方をじっと見ながら、
「そういえば、二人きりの時間ですね」
「うんうん」
「クーラ、ハグしてください」
「んんっ?」
「ハグしてください」
繰り返し、繰り返す。
聞こえなかったフリは駄目とばかりに、ナコは何度も――そう口にするのであった。
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