ラムネ色の恋

真っ当な意見

そらは、今の状態を
正しいとは思っていない。

さとると同棲しているのに、
親友の彼女がいて、
更に看護師の後輩と身体の
関係を持った。


愛ちゃんにしてみたら
いわゆるセフレの枠に
入るのかもしれない。

誠実さにかけている。
誰か一人を選ぶとしたら…
以前茉莉と付き合いたいと
さとるに話をしたこともあるが、
二人に言いくるめられ、
トライアングルの関係が
出来上がった。


茉莉はそらに男性と、
結婚をして子供を産んでほしいと
思ってる。
それで許せるのがさとるという訳だ。

さとるもそらと別れるくらいなら
茉莉と付き合う事を許し、
今の状態を維持したほうが良いと
思ってる。

そして、今の状況を崩そうと
思うと、そらには二人から罰が与えられる。

愛しているはずが、
そらのなかではストレスがないといえば
嘘だった。

それを救ってくれたのが
愛ちゃんだった。

愛ちゃんは実直で
感情表現もストレートだ。
わからないが故に、
飛び込んだ世界で
これが普通よと
教えられたら…きっと
鵜呑みにするだろう。

ほっとけない気持ちと嫉妬。
後者は紛れもなく
好きだという気持ちだ。

そら一人で考えても
答えは出せないと思った。
今のこの現状を相談できる人。
その為にはまず、カミングアウトから
しなければならない。

そう考えると、
周りの友達に相談できずにいた。

匿名で、相談できる場所。
頭に浮かんだのは、
ネットのLGBT相談室だった。

専門のカウンセラーが
いるわけではないが、
客観的な意見をくれるかもしれない。
罵倒されたり否定されることが
あっても自分がしてることは、
それに、値することだ。


そらは、相談室のチャットに
現状を書き込み相談した。

１時間せずに返信が来た。
返信の内容は以下だった。

《同棲している彼氏さんと
親友の彼女さんは、ポリアモリーに
なるのかもしれませんね。
でも、後輩さんは単なる浮気です。
彼氏も彼女も嫌がってるのに
内緒で関係を持ったわけですから。
もう会わないか、恋人と後輩さん
両方に了承を得るか、どっちか
じゃないですか？》

確かに、愛ちゃんは浮気だ。
さとると、茉莉にはこうなることが
わかっていたのかもしれない。

愛ちゃんをまた、傷つけたくない。
でも、こうやって関係を持ったことが
既に傷つけているのかもしれない。

関係を持ったあとで
別れるのは更に傷つけて
しまうかもしれない。

100%の感情で向き合えないなら、
相手は、傷つくし、
自分も自責の念が消えない。
そらは自責の念をずっと
抱えたままなんだろうか。

恋人や愛ちゃんに了承を
得たとしてもその自責の念は
消えないだろう。

その分相手に対して、
弱い立場になる。

相談して出した答えは、
全てYESか全て NOだ。

自責の念は、何人でも同じ。
全て NOならば、
そらは全員と別れて1人になる。
別れるのはまだ先でいい。

今は、3人との愛を、育もう。
愛の沼に落ちていこう。
自分は真っ当ではない人間だ。