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第九章 海を目指して
第百十七話 姿無き反応
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イズミが仮眠を取っている時でも、マスタングは常に周囲の警戒をしている。
近場のみであったり広範囲であったりはマチマチだが、異常があれば報告をするように指示も出されている。
「…」
マスタングが広範囲の索敵を行うと、遠くに反応があった。
主人であるイズミが眠る前には何も反応が無かった場所である。
「マスター。約1km先に魔法反応が出現しました」
マスタングが運転席側のドアを開けて、寄りかかって眠るイズミを叩き起こした。
「敵か?」
「特定が出来ない魔法反応です」
イズミはカスタムしたばかりのアサルトライフルを準備してから、月に照らされる平原を見つめる。
マスタングが報告する程なのだから、誰かしら居るのだろうと思いながらマスタングへと乗り込んで、気を引き締めて反応のあった場所へと走らせた。
マスタングのハイビームで照らしたが、誰も確認出来なかった。
「…本当に此処か?」
「間違いありません」
イズミはマスタングから降りて探索用のライトを点灯させ、じっくりと辺りを見渡す。
少し歩き回っても、人が居たような痕跡が1つも見当たらない。
「何も無いぞ…罠か?」
「それらしい反応もありません」
イズミはアサルトライフルを助手席に置いてから、魔法反応があったこの場所から少しだけ離れた所まで移動してマスタングを停めた。
「マスタング、ライフル用のスコープを出してくれ」
グローブボックスから出て来たスコープをライフルに取り付け、助手席側の窓を下げて銃口を出してから左手でグリップを握るようにして構える。
「よし…マスタング、また反応があったら教えてくれ」
「かしこまりました」
イズミは現在時刻を確認してから、左手に巻いた腕時計を手のひら側に巻き直す。
深夜2時20分。
夜が明けるには、まだ時間がある。
「魔法反応を検知しました」
マスタングの報告を聞いたイズミは、眠い目をこすってから銃を構え直してスコープを覗き込んだ。
月明かりは有るので、なんとか反応の元を見つけられればと思って覗くが、やはり目視確認が出来ない。
「…目視確認は出来ないな。まだ反応はあるか?」
「まだあります」
イズミは小さく息を吐いてマスタングから降りると、マグナムとライトを取り出す。
前方を照らしながら、マスタングと連携して魔法反応がある場所へと近付いた。
「駄目だ、何も無い…マスタング、魔法反応は人か?それとも物か?」
「…特定が出来ません」
イズミはいよいよ困ってしまった。
人か物かどうかですら特定が出来ない以上、全てが怪しく見えて来るのだ。
「魔法反応は移動しているか?」
「移動はしていません」
人か物かも分からず、移動もしていない。
イズミは考えないようにしていた、ある可能性を口にした。
「マスタング。この世界に、幽霊は存在するか?」
自分が眠る前には反応があったとは聞いていない。
最初に魔法反応をキャッチしたのは深夜の2時頃、草木も眠る丑三つ時って頃合いなのもイズミの抱いた可能性を強くさせていた。
「存在する可能性が高いです」
マスタングの回答を聞いたイズミは、大きくため息をついた。
近場のみであったり広範囲であったりはマチマチだが、異常があれば報告をするように指示も出されている。
「…」
マスタングが広範囲の索敵を行うと、遠くに反応があった。
主人であるイズミが眠る前には何も反応が無かった場所である。
「マスター。約1km先に魔法反応が出現しました」
マスタングが運転席側のドアを開けて、寄りかかって眠るイズミを叩き起こした。
「敵か?」
「特定が出来ない魔法反応です」
イズミはカスタムしたばかりのアサルトライフルを準備してから、月に照らされる平原を見つめる。
マスタングが報告する程なのだから、誰かしら居るのだろうと思いながらマスタングへと乗り込んで、気を引き締めて反応のあった場所へと走らせた。
マスタングのハイビームで照らしたが、誰も確認出来なかった。
「…本当に此処か?」
「間違いありません」
イズミはマスタングから降りて探索用のライトを点灯させ、じっくりと辺りを見渡す。
少し歩き回っても、人が居たような痕跡が1つも見当たらない。
「何も無いぞ…罠か?」
「それらしい反応もありません」
イズミはアサルトライフルを助手席に置いてから、魔法反応があったこの場所から少しだけ離れた所まで移動してマスタングを停めた。
「マスタング、ライフル用のスコープを出してくれ」
グローブボックスから出て来たスコープをライフルに取り付け、助手席側の窓を下げて銃口を出してから左手でグリップを握るようにして構える。
「よし…マスタング、また反応があったら教えてくれ」
「かしこまりました」
イズミは現在時刻を確認してから、左手に巻いた腕時計を手のひら側に巻き直す。
深夜2時20分。
夜が明けるには、まだ時間がある。
「魔法反応を検知しました」
マスタングの報告を聞いたイズミは、眠い目をこすってから銃を構え直してスコープを覗き込んだ。
月明かりは有るので、なんとか反応の元を見つけられればと思って覗くが、やはり目視確認が出来ない。
「…目視確認は出来ないな。まだ反応はあるか?」
「まだあります」
イズミは小さく息を吐いてマスタングから降りると、マグナムとライトを取り出す。
前方を照らしながら、マスタングと連携して魔法反応がある場所へと近付いた。
「駄目だ、何も無い…マスタング、魔法反応は人か?それとも物か?」
「…特定が出来ません」
イズミはいよいよ困ってしまった。
人か物かどうかですら特定が出来ない以上、全てが怪しく見えて来るのだ。
「魔法反応は移動しているか?」
「移動はしていません」
人か物かも分からず、移動もしていない。
イズミは考えないようにしていた、ある可能性を口にした。
「マスタング。この世界に、幽霊は存在するか?」
自分が眠る前には反応があったとは聞いていない。
最初に魔法反応をキャッチしたのは深夜の2時頃、草木も眠る丑三つ時って頃合いなのもイズミの抱いた可能性を強くさせていた。
「存在する可能性が高いです」
マスタングの回答を聞いたイズミは、大きくため息をついた。
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