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ループ、0

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 よく晴れた日。
 国中の貴族達が競って着飾り、どんな約束事があれど必ず参加する王家主催の夜会の最中。
 目の前には、この国の第2王子カルヴァイスが憤怒ふんぬの顔をして此方を睨み付けている。
 その彼に、可愛らしい令息が縋る様に抱きついたまま同じ様に此方を伺い見ていた。

「公爵家の者でありながら、ユーリを執拗に虐め抜くその性根に反吐へどが出る」

 言われている事が理解できないでいると、王子は更に顔を赤らめて怒気を強める。

「罪を認めろ。証拠も証言も此処にあるのだぞ」

 怒鳴られても認められないものは認められない。

 

 でも、証言も証言もあるというのだから、其れらは紛れも無く捏造なのだろう。
 恐らく、捏造元は王子の胸で縋り付きながらも私にだけ薄く笑い掛けるユーリ

「私は虐めなどしておりません」

「抜け抜けと嘘を吐くな‼︎」

「王子の言われる証言も証拠も身に覚えがありません」

「罪を認めてユーリに土下座でもすれば穏便に済ませてやろうと思っていたが・・・もうよい。騎士団共、この性悪をこの場にて処刑ころせ‼︎生かしておけば、またユーリに何をするか分からんからな」

 何を言っているのだろう。
 現国王が、先代国王時代まで蔓延していたに作った法がこの国にはが存在する。
 もちろん、第2王子目前の本人もその存在を知っているはず。
 その調査機関で調べ、その結果を持ってして話し合いをすべき事柄を全てすっ飛ばしての処刑。

 チラリと周りを見回すも、誰一人止めに入ろうとは思わないらしい。
 それもその筈。
 今、この国にいる最高位貴族は目の前の第2王子なのだ。
 国王と第1王子は隣国へと赴いている。
 だから誰も止められない。

 騎士団達は困惑しながらも、命令に逆らえずゆっくり剣を抜き持つ。
 そうしている間に王子の気が変わってくれる事を期待していた騎士団達は油断した。
 元々短気だった王子は身近にいた騎士の剣を奪い取り、此方に振りかぶって来たのだ。

(嗚呼・・・また私は死ぬのか)

 何故か冷静に心の中で呟いた後、意識が刈り取られた。



 翌日、国境外で1人の貴族令息の遺体が無惨に放置されていた。

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