周回(ループ)令息は断罪お断り致します‼︎

蒼葉

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ループ、22

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「何です?」

 問いかけても答えない。

「誰からです?」

 これにも答えない。

「誰からのもので、目的も分からない手紙モノを受け取る義理はないですよね?」

 少し強い口調でとがめると、困った顔をして彼は口を開いた。

「会えるまで名前を告げるなと言われております」

「では、何故私に?」

「理由はお伺いしておりません。ただ、お渡しする様にと」

「今渡されると言う事は、国王様がおられると都合が悪い物なのですか?」

「存じ上げません」

 はぁ、と溜息をく。知らない、存じないの一点張り。
 イラつく。

「では、受け取りを拒否します」

「いえ、受け取って頂きます」

 無理矢理手を取り手紙を握らせてくる。

「ちょっと‼︎」

「申し訳ありません」

 深いお辞儀をする彼の態度は切羽詰まった感じがする。
 仕方がない。命令されたか?仕方ない、一応受け取っておくか。

「今、その場で読んでいただけますか?」

「え?何故?」

「・・・」

 あ~・・・。それも命令ですね。
 渋々中を改めると、一枚のカードが出て来た。

『先日の謝罪の為、お時間を頂きたい。そこにいる使用人が案内しますので、是非ともおいで下さい』

 名前がないので、王弟か第2王子か・・・。

「別に謝罪は結構です、とお伝え下さい」

「・・・申し訳ありません。必ずご案内する様にと厳命を受けております」

「国王様を待つ事は?」

「出来ません。陛下が居られると、ご案内できませんので」

「はあ・・・。わかりました。護衛の方は連れても構いませんよね?」

「・・・分かりました。では、ご案内致します」

 真っ青になりながらも前を向いて歩き出す彼について行く。
 チラリと姿を捉えた護衛の方に目配せをすると、向こうからも了解の合図が出た。
 これで少しは安心だろう。
 重くなる足取りで案内される場所へと嫌々向かう事になってしまって。
 
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