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ループ、33

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「リオン」

 熱が孕む甘い声で名前を呼ばれる。

「私は嫌か?」

「いえ・・・あの・・・」

「私はずっとリオンを愛してきた。そして、これからも愛し続ける自信はある」

 何故そこまで・・・。
 王子に嫌われ、断罪までされた私なのに。

「リオン」

 呼ぶ声が優しく全身を包み込む。
 嬉しさで震えが止まらない。

「国王様」

「カイル、と」

「・・・カイル様」

 多分、真っ赤な顔になっているだろう。
 証拠に、カイル様は幸せそうな笑顔を見せている。

「リオン、私を愛してると言ってくれ」

「え⁉︎あ、あの・・・」

「言ってくれ」

「あ、愛しています・・・」

 駄目だ。恥ずかし過ぎて失神しそう。

「くっ・・・そっ・・・。可愛過ぎるだろ」

「へ?」

「済まない。我慢の限界だ。ちゃんと責任は取るから安心しろ」

「あっ⁉︎」

 スイっと軽やかに抱き上げられ、城内へと進む。
 突き進んで行くのは王家のプライベートエリアの最奥、王の居室だ。

「お前達はここで待て。いいと言うまで誰も通すな」

 付き従う近衛騎士達に扉の前で命じると、二人だけで中へと入る。
 現れたのはカイル様の雰囲気に合わせた家具一式に執務室に置かれている物と同じ重厚感ある机。
 中央に置かれたソファを素通りしてまた扉に向かう。
 多分、そこは・・・。

 ギッと重い音を鳴らして扉を開けると、広い空間の中央に天蓋付きの広いベッドが置かれていた。
 ゆっくりベッドへ降ろされ、自分も乗り上がる。
 二人分の軋みが少しだけ緊張を呼ぶ。

「なるべく痛くはしない」

「なるべく・・・」

「いや。リオンは初めてだろう?だから、ほら・・・」

 本気で困っている。可愛い。
 少し距離を詰めて、カイル様の方へと体を傾けて・・・キスをした。

 自分からするのって、勇気いるけど恥ずかしい。
 けど、好きな人とは嬉しさもある。
 元王子とのを上書きして欲しい。

「大丈夫です。カイル様なら痛さも何とかしてくれますよね?」

あおった自覚、あるか?」

「多分、あります」

 強く抱きしめられ、噛み付く様に口付けされる。
 油断して薄く開いていた歯列は舌でこじ開けられ、口内をなぶられた。
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