鮭とかえる

かえるまる

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序章

亀じいさん

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第4話 亀じいさん

同じ場所、同じ時間に生まれた鮭くんとかえるくん。
種族の違いを超えて、仲良くなるのに時間はかかりませんでした。

お腹がぷっくり膨れた2人です。
ぷっくりが栄養分ですから、お腹も空きません。
流れの穏やかな淵の中を行ったり来たり、毎日を流れの中で遊びます。

この日も遊んでいると。

「おふたりさんこんにちは」

水面の上から声が聞こえてきました。

岩の上にいる亀じいさんです。

「ほお、珍しい組合せじゃの。鮭とかえるがいっしょにるんじゃの」

「ぼくらは卵からいっしょにいるんだ」

「ほぉ~。鮭の仲間やかえるの仲間といっしょじゃないんじゃな」

「仲間?よくわからないんだけど、ぼくらはふたりで生まれたからね」

「ふたりいっしょなんだよ」

「なるほどの。違う種族でいっしょなんじゃの。
鮭とかえるのふたりでいっしょか。見たことも聞いたこともない!
まぁそういうのもおもしろいかのぉ」

「ほっほっほ」

笑いながら、亀じいさんが言いました。

「わからんことがあったら、なんでも聞きにおいで。わしはたいがいここにおるからの」

「うん、わかった」

「亀じいさんは物知りなんだね」

「ほっほっほ」

「亀の甲より年の功と、人間たちも言うておったからの」

「亀の甲?」
「年の功?」
「う~ん、なんだろう?」

ふたりには、その言葉の意味も、人間も何かはわかりませんでしたが、亀じいさんが物知りなことはわかりました。

「ほっほっほ」

ふたたび亀じいさんが笑いました。

「なかよく遊ぶんじゃよ」

「うん!」

「うん!」
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