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第3話 悩める皇太子
暴れる男
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うららかな午後、イツキはいつものように暇そうにデスクに足を放り投げ、背もたれに体重を預けギルド新聞を読んでいた。
ガン!! ドン! ダン!
「何なんだと! この野郎!」
「馬鹿にするな!」
「やめて~!!」
部屋の外から罵声が聞こえる。それと同時に女性の悲鳴らしきものも聞こえた。
「ん? なんだ? 部屋の外が騒がしいな……」
イツキはしばらく外の騒音を無視していたが、一向に止む気配がないので見に行く事にした。
部屋のドアをゆっくり開け様子をうかがうと、ギルドの受付の前で暴れている男が居た。
廻りの人間はその男を何とかなだめようとしているが、明らかに手を出しかねている状態だった。
男は腰に黄金に光る剣を差し、鎧こそ装備しては居ないがその風貌はどう見ても騎士であろうと思われた。
イツキはその暴れている男を目を細めてみると
「ん? あれは……」
と呟いた。
イツキは部屋を出て様子を見ようと男に少し近づいた。直ぐにマーサが近寄ってきて
「あの人、職種選択前の能力鑑定チェックでレベルがあまりにも低かったんです。それを見て急に怒りだして……」
と説明した。
「舐めてんのか!!……てか?」
イツキは軽く笑いながら聞いた。
「そうです。その通りです」
マーサは泣きそうな声で答えた。
「ふ~ん。なるほどねえ」
そう答えるとイツキは、その男の背後にそっと近づき足払いをくらわした。
ダーン! と大きな音がして男はもんどりうって仰向けに倒れた。
「あんた、何してんの?」
とイツキが覗き込むようにして男に聞いたが返事はなかった。
どうやら男は気絶したようだ。
「あら?……やれやれ、仕方ないな……。このバカを俺の部屋に運んでよ」
とイツキはため息をつきながら周りの男たちに、この男を自分の部屋に運んでくれるよう頼んだ。
暫くしてイツキの部屋のソファーで寝かされていた男は気が付いた。
「痛っててて……」
と側頭部を押さえながら、男は上半身を起こして尋ねた。
「ここはどこだ?」
イツキはデスクでギルド新聞を読んでいたが、顔を上げて
「ここはギルドにある俺の部屋だ。あんたはギルドのロビーで暴れて”勝手に”こけて頭を打って気絶した……で、ここに運び込まれたという訳だ」
と答えた。
「そうか。あんたが面倒を見てくれたのか。申し訳ない」
男はソファーに座ったまま礼を述べた。どうやら立って礼を述べるにはまだ頭がふらつくようだ。
「いやいや、困った時はお互い様だ……礼はいらない」
とイツキは素知らぬ顔をして答えた。
「ところで、なんであんなところで暴れていたんだ。そういう趣味でもあるのか?」
イツキは立ち上がってそう質問した。
「そんな趣味はない……実は転職しようとして来てみたんだが、『ここではできない。転職の神殿に行き女官か巫女に頼め』と言われた。それでも試しに転職する前に潜在能力を測って貰ったら全然ダメだった。
それをここの奴らに笑われて頭に来たんだ」
男は頭を擦りながらポツポツと語り出した。
「あんた、酒飲んでたな?」
「ああ、少しな……」
「少しではないだろうが……昼間から酒を飲むなんてあまり感心できないな。それもあんた騎士だろう?」
「そうだな。言うとおりだ。だが、騎士でも飲みたくなる事はある」
「そうかぁ……騎士でも昼間っから酒を煽って酔っぱらった勢いでギルドで大暴れして、スッテンコロリンと転がって頭を打った愚か者になりたくなる事もある訳だ」
イツキは冷たく言い放った。
「なんだと!?」
男の目が鋭く光った。
「その愚か者がリチャード王子という訳ですな」
とイツキは静かな声でその男の正体を言い当てた。
ガン!! ドン! ダン!
「何なんだと! この野郎!」
「馬鹿にするな!」
「やめて~!!」
部屋の外から罵声が聞こえる。それと同時に女性の悲鳴らしきものも聞こえた。
「ん? なんだ? 部屋の外が騒がしいな……」
イツキはしばらく外の騒音を無視していたが、一向に止む気配がないので見に行く事にした。
部屋のドアをゆっくり開け様子をうかがうと、ギルドの受付の前で暴れている男が居た。
廻りの人間はその男を何とかなだめようとしているが、明らかに手を出しかねている状態だった。
男は腰に黄金に光る剣を差し、鎧こそ装備しては居ないがその風貌はどう見ても騎士であろうと思われた。
イツキはその暴れている男を目を細めてみると
「ん? あれは……」
と呟いた。
イツキは部屋を出て様子を見ようと男に少し近づいた。直ぐにマーサが近寄ってきて
「あの人、職種選択前の能力鑑定チェックでレベルがあまりにも低かったんです。それを見て急に怒りだして……」
と説明した。
「舐めてんのか!!……てか?」
イツキは軽く笑いながら聞いた。
「そうです。その通りです」
マーサは泣きそうな声で答えた。
「ふ~ん。なるほどねえ」
そう答えるとイツキは、その男の背後にそっと近づき足払いをくらわした。
ダーン! と大きな音がして男はもんどりうって仰向けに倒れた。
「あんた、何してんの?」
とイツキが覗き込むようにして男に聞いたが返事はなかった。
どうやら男は気絶したようだ。
「あら?……やれやれ、仕方ないな……。このバカを俺の部屋に運んでよ」
とイツキはため息をつきながら周りの男たちに、この男を自分の部屋に運んでくれるよう頼んだ。
暫くしてイツキの部屋のソファーで寝かされていた男は気が付いた。
「痛っててて……」
と側頭部を押さえながら、男は上半身を起こして尋ねた。
「ここはどこだ?」
イツキはデスクでギルド新聞を読んでいたが、顔を上げて
「ここはギルドにある俺の部屋だ。あんたはギルドのロビーで暴れて”勝手に”こけて頭を打って気絶した……で、ここに運び込まれたという訳だ」
と答えた。
「そうか。あんたが面倒を見てくれたのか。申し訳ない」
男はソファーに座ったまま礼を述べた。どうやら立って礼を述べるにはまだ頭がふらつくようだ。
「いやいや、困った時はお互い様だ……礼はいらない」
とイツキは素知らぬ顔をして答えた。
「ところで、なんであんなところで暴れていたんだ。そういう趣味でもあるのか?」
イツキは立ち上がってそう質問した。
「そんな趣味はない……実は転職しようとして来てみたんだが、『ここではできない。転職の神殿に行き女官か巫女に頼め』と言われた。それでも試しに転職する前に潜在能力を測って貰ったら全然ダメだった。
それをここの奴らに笑われて頭に来たんだ」
男は頭を擦りながらポツポツと語り出した。
「あんた、酒飲んでたな?」
「ああ、少しな……」
「少しではないだろうが……昼間から酒を飲むなんてあまり感心できないな。それもあんた騎士だろう?」
「そうだな。言うとおりだ。だが、騎士でも飲みたくなる事はある」
「そうかぁ……騎士でも昼間っから酒を煽って酔っぱらった勢いでギルドで大暴れして、スッテンコロリンと転がって頭を打った愚か者になりたくなる事もある訳だ」
イツキは冷たく言い放った。
「なんだと!?」
男の目が鋭く光った。
「その愚か者がリチャード王子という訳ですな」
とイツキは静かな声でその男の正体を言い当てた。
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