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第4話 エルフの村
オルモンの深き場所
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二人はその入口の前に立った。
高さはゆうにイツキの背丈の五倍はありそうな入口が開いていた。
「ここに立つのは久しぶりですね。イツキ」
とイリアンはイツキに話しかけた。
「そうですね。その時は、まだ腰に剣もぶら下げてませんでしたけど」
とイツキは笑って言った。
「本当に無茶な少年でしたね」
とイリアンは懐かしそうに応えた。
「はい。その通りです。優しい主のおかげで今を迎えられております」
「ほほほ」
イリアンは楽しそうに笑った。
「では、参りますか。イリアン」
「はい。参りましょう」
二人は暗い通路を歩いた。
空気は湿っていている。体にまとわりつくような重さを感じた。
石造りの通路は大人が4~5人並んでも余裕で通れる広さがあった。ところどころ松明が掲げられており、歩くのには問題のない明るさは保たれていた。
それでもイリアンは杖の先に火を灯し、照明代わりに周りを照らしていた。
「昔と全然変わってませんね」
イツキの声が通路に響いた。
「そうですね」
十数年振りの地下宮殿は全く変わっていなかった。むしろ荒れ放題になっている分、不気味さを増していた。
「何も出てきませんね」
今度はイリアンの声が響いた。
2人は静かに通路を歩いて行った。途中いくつか通路に繋がる部屋があったが、目的はそこにはないのであえて無視して進んでいった。
「一応、レベルが高い相手には様子をうかがっているのでしょう。だから急に襲って来ることはないと思いますよ」
通路は続く、たまに魔獣の気配は感じるものの襲って来る事は無かった。
「昔来た時はここに来るまでに、どれだけのモンスターが出てきた事か……」
とイツキは懐かしそうに話をした。
「そうでしたね。イツキは一人で暴れまわっていましたね。」
「そうでしたか?僕は口笛吹きながら片手間に戦っていたように記憶していますが……」
「とっても強力な思い出補正がかかっていますね。イツキ……」
イリアンはまるで出来の悪い弟を諭(さと)すように笑った。
イツキは誤魔化すように
「ゴブリンちゃ~ん。出ておいで~」と暗闇に向かって呟いた。
勿論ゴブリンどころかゴキブリ1匹出てこない。
「イリアン……ちょっとこの辺で休憩しましょうか?」
「はい」
ちょうど通路に面した部屋があったので、イツキは様子を伺ってから中に入った。
「大丈夫みたいです」
その声を聞いてイリアンも中に入った。
イツキは部屋の奥にイリアンを案内すると自分は入り口近くに座った。
それは仮に魔獣が通路から襲ってきても直ぐに応戦できる体制を取ったということだった。
「やはりイツキは頼もしくなりましたね」
イリアンは懐かしそうに目を細めてイツキの顔を見つめた。
「そうですか?」
「昔は休憩すると何も考えずに寝るか、食べるかでしたからね」
「そうでしたねえ……あの時は何も知らない小僧でしたからね」
「イツキは武器も持たずに戦ってましたからね」
「そうそう。唯一の特技はバーサクでしたからね。気が付いたら一人で暴れまわってました」
「ほらね」
「あ!」
イツキは自ら語るに落ちた事を悟った。
「やっぱり、イリアンには勝てませんね」
イリアンはそれには答えず笑顔で返した。
高さはゆうにイツキの背丈の五倍はありそうな入口が開いていた。
「ここに立つのは久しぶりですね。イツキ」
とイリアンはイツキに話しかけた。
「そうですね。その時は、まだ腰に剣もぶら下げてませんでしたけど」
とイツキは笑って言った。
「本当に無茶な少年でしたね」
とイリアンは懐かしそうに応えた。
「はい。その通りです。優しい主のおかげで今を迎えられております」
「ほほほ」
イリアンは楽しそうに笑った。
「では、参りますか。イリアン」
「はい。参りましょう」
二人は暗い通路を歩いた。
空気は湿っていている。体にまとわりつくような重さを感じた。
石造りの通路は大人が4~5人並んでも余裕で通れる広さがあった。ところどころ松明が掲げられており、歩くのには問題のない明るさは保たれていた。
それでもイリアンは杖の先に火を灯し、照明代わりに周りを照らしていた。
「昔と全然変わってませんね」
イツキの声が通路に響いた。
「そうですね」
十数年振りの地下宮殿は全く変わっていなかった。むしろ荒れ放題になっている分、不気味さを増していた。
「何も出てきませんね」
今度はイリアンの声が響いた。
2人は静かに通路を歩いて行った。途中いくつか通路に繋がる部屋があったが、目的はそこにはないのであえて無視して進んでいった。
「一応、レベルが高い相手には様子をうかがっているのでしょう。だから急に襲って来ることはないと思いますよ」
通路は続く、たまに魔獣の気配は感じるものの襲って来る事は無かった。
「昔来た時はここに来るまでに、どれだけのモンスターが出てきた事か……」
とイツキは懐かしそうに話をした。
「そうでしたね。イツキは一人で暴れまわっていましたね。」
「そうでしたか?僕は口笛吹きながら片手間に戦っていたように記憶していますが……」
「とっても強力な思い出補正がかかっていますね。イツキ……」
イリアンはまるで出来の悪い弟を諭(さと)すように笑った。
イツキは誤魔化すように
「ゴブリンちゃ~ん。出ておいで~」と暗闇に向かって呟いた。
勿論ゴブリンどころかゴキブリ1匹出てこない。
「イリアン……ちょっとこの辺で休憩しましょうか?」
「はい」
ちょうど通路に面した部屋があったので、イツキは様子を伺ってから中に入った。
「大丈夫みたいです」
その声を聞いてイリアンも中に入った。
イツキは部屋の奥にイリアンを案内すると自分は入り口近くに座った。
それは仮に魔獣が通路から襲ってきても直ぐに応戦できる体制を取ったということだった。
「やはりイツキは頼もしくなりましたね」
イリアンは懐かしそうに目を細めてイツキの顔を見つめた。
「そうですか?」
「昔は休憩すると何も考えずに寝るか、食べるかでしたからね」
「そうでしたねえ……あの時は何も知らない小僧でしたからね」
「イツキは武器も持たずに戦ってましたからね」
「そうそう。唯一の特技はバーサクでしたからね。気が付いたら一人で暴れまわってました」
「ほらね」
「あ!」
イツキは自ら語るに落ちた事を悟った。
「やっぱり、イリアンには勝てませんね」
イリアンはそれには答えず笑顔で返した。
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