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第一章 炎竜退治
宮殿
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帝都が見えてくるとシバはクロード達に
「ギルドへのクエスト完了の報告は、宮殿に向かってからだな」
と告げた。
勿論クロード達に異論はなかった。
――皇女殿下が炎龍と共に消えて、宮廷は大騒ぎになっているかもしれんしな――
とシバは考えていた。こういった懸念事項はさっさと片付けておいた方が良い。
――アキトにこれを言ったら『騒ぎが大きくなった方が物語的に面白いんじゃないの?』とか他人事みたいに言うんだろうな――
という気がしてシバは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
――間違いなく言うな――
飛空艇は高度を徐々に下げ、直接宮殿の発着場へと進路を向けた。
操縦室に戻ったシバはアキトに
「フェリーに貰った皇室の紋章を信号旗と一緒に掲げておけよ」
と指示を出した。
「それはもう掲げているよ。何の連絡もなく宮殿に横付けしようとしたら、撃ち落されても文句は言えんからな。それだけは勘弁してもらいたい」
とアキトは笑った。
「流石だな」
とシバがうなずくと
「ま、久しぶりにフェリーの顔も見たいもんだな」
アキトはそう言って笑った。
「それは面倒なので俺はパスさせてもらおう」
とシバは首を振った。しかしその言葉とは裏腹に『そういう訳にもいかないだろう』という腹づもりは出来ていた。
皇室旗を船尾に靡かせた飛空艇は、何の障害もなく宮殿内の飛空艇発着場へと横付けする事が出来た。
既に発着場には近衛兵と思しき兵士と黒服の侍従たちが待ち構えていた。
飛空艇の扉を開きシバが顔を覗かせると
「お久しぶりですな」
と黒服に身を包んだ老人が声を掛けた。
「おや? 侍従長もお変りもなくご健勝そうで何よりです」
とシバはにこやかに挨拶を返しながら下船した。
ついでに
「流石皇室の紋章を掲揚すると侍従長自らのお出迎えですか?」
と軽口を叩くと侍従長は表情も変えずに
「それ以前に、こんな物騒な航空戦艦に乗っているお方は、シバ殿以外に私は知りませんからな」
と意に介す事もなく侍従長は切り返して来た。
「これは飛空艇です。お間違え無く」
とシバはきっぱりと否定した。シバにとってはこの艇はあくまでも飛行艇であった。
「左様でございましたな。ところであの信号旗はなんですかな? 『危険物運搬中』と言う意味の更に物騒なモノを掲げておりますが、この王宮に一体何を運んできたというのでしょうかな?」
とシバに問い質した。
まだ無線などない世界である。
一部の魔導士や賢者たちには『念話』という、テレパシーのような精神感応による意思疎通のやり取りができるが、ほとんどの飛空艇や船舶でのやり取りは、旗で行うのが一般的であった。
シバは横目で飛空艇の艦尾に掲げてある皇室旗を確認した。そして飛空艇の天井から斜めに伸びたマストに視線を移し、そこから艦尾にかけて繋がっている掲揚索に連なっている複数の信号旗に目をやった。
そこには侍従長の言う通り『危険物運搬中』の信号旗がパタパタとはためいていた。
――アキトの野郎。やりやがったな。よりにもよって……――
とシバも流石にそんな信号旗掲揚までは指示していなかった。
それなりに焦りながらも、それを悟られないように
「皇帝陛下の大切なものをお運び申し上げましたので」
と言って一歩下がった。
そこへ飛空艇から皇女ソフィアが降り立った。
「ギルドへのクエスト完了の報告は、宮殿に向かってからだな」
と告げた。
勿論クロード達に異論はなかった。
――皇女殿下が炎龍と共に消えて、宮廷は大騒ぎになっているかもしれんしな――
とシバは考えていた。こういった懸念事項はさっさと片付けておいた方が良い。
――アキトにこれを言ったら『騒ぎが大きくなった方が物語的に面白いんじゃないの?』とか他人事みたいに言うんだろうな――
という気がしてシバは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
――間違いなく言うな――
飛空艇は高度を徐々に下げ、直接宮殿の発着場へと進路を向けた。
操縦室に戻ったシバはアキトに
「フェリーに貰った皇室の紋章を信号旗と一緒に掲げておけよ」
と指示を出した。
「それはもう掲げているよ。何の連絡もなく宮殿に横付けしようとしたら、撃ち落されても文句は言えんからな。それだけは勘弁してもらいたい」
とアキトは笑った。
「流石だな」
とシバがうなずくと
「ま、久しぶりにフェリーの顔も見たいもんだな」
アキトはそう言って笑った。
「それは面倒なので俺はパスさせてもらおう」
とシバは首を振った。しかしその言葉とは裏腹に『そういう訳にもいかないだろう』という腹づもりは出来ていた。
皇室旗を船尾に靡かせた飛空艇は、何の障害もなく宮殿内の飛空艇発着場へと横付けする事が出来た。
既に発着場には近衛兵と思しき兵士と黒服の侍従たちが待ち構えていた。
飛空艇の扉を開きシバが顔を覗かせると
「お久しぶりですな」
と黒服に身を包んだ老人が声を掛けた。
「おや? 侍従長もお変りもなくご健勝そうで何よりです」
とシバはにこやかに挨拶を返しながら下船した。
ついでに
「流石皇室の紋章を掲揚すると侍従長自らのお出迎えですか?」
と軽口を叩くと侍従長は表情も変えずに
「それ以前に、こんな物騒な航空戦艦に乗っているお方は、シバ殿以外に私は知りませんからな」
と意に介す事もなく侍従長は切り返して来た。
「これは飛空艇です。お間違え無く」
とシバはきっぱりと否定した。シバにとってはこの艇はあくまでも飛行艇であった。
「左様でございましたな。ところであの信号旗はなんですかな? 『危険物運搬中』と言う意味の更に物騒なモノを掲げておりますが、この王宮に一体何を運んできたというのでしょうかな?」
とシバに問い質した。
まだ無線などない世界である。
一部の魔導士や賢者たちには『念話』という、テレパシーのような精神感応による意思疎通のやり取りができるが、ほとんどの飛空艇や船舶でのやり取りは、旗で行うのが一般的であった。
シバは横目で飛空艇の艦尾に掲げてある皇室旗を確認した。そして飛空艇の天井から斜めに伸びたマストに視線を移し、そこから艦尾にかけて繋がっている掲揚索に連なっている複数の信号旗に目をやった。
そこには侍従長の言う通り『危険物運搬中』の信号旗がパタパタとはためいていた。
――アキトの野郎。やりやがったな。よりにもよって……――
とシバも流石にそんな信号旗掲揚までは指示していなかった。
それなりに焦りながらも、それを悟られないように
「皇帝陛下の大切なものをお運び申し上げましたので」
と言って一歩下がった。
そこへ飛空艇から皇女ソフィアが降り立った。
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