皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~

うにおいくら

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第四章 要人警護

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「艇長、今回の依頼も無事に終了しましたね」
とショーンが副操縦席から振り返り、珍しく艇長席に座っていたシバに言った。

「まあ、単なる荷物運びだからな」
とシバはどうでも良さげに返事を返した。
彼にとってはとても退屈な依頼だったようだ。
今回の依頼は『煌聖竜ヴァルハイト』の宝『七つの龍石』の内二つの龍石を運ぶ任務だった。

 依頼主はブリアイル王国連合だった。その王国の植民地であるアムロハ大陸で荷物を受け取り、今まさにブリアイル王国上空を飛行中だった。

「まだ終わってないぞ、ショーン。荷物を受け取ってまだ運んでいる最中だ」
と操縦席に座っていたダミアンが気を引き締めろと言わんばかりにショーンを諭した。

「もう、そこにお届け先が見えているので、つい終わった気分になっていました」
とショーンは前方を指さしながら笑って誤魔化した。

「ふん! どうせ植民地の原住民から巻き上げたお宝だろうに……」
とシバは吐き捨てるように呟いた。彼はこの依頼を受けてはいたが気乗りはしていないようだった。

「ちゃんとお金さえもらえたら、依頼に違いはないさ。そう愚痴るな」
とアキトがシバをなだめた。この依頼を受けたのはアキトだった……と言うかこの依頼を仲介したのがフレデリック三世だったので、無下に断る事が出来なかったというのが真相だ。

「おっと、そろそろウェイビー城ですけど、どこに降りますか?」
とショーンが操縦席の窓から城を確認しながら言った。
ショーンの言う通り眼下にはブリアイル王国連合王室の公邸となっているウェイビー城が、広大な緑の大地のど真ん中に威風堂々と建っているのが見えた。

「引き渡し場所はウェイビー城で間違いないんだな」
とシバが確認した。

「はい。間違いないです」

「じゃあ、城内のあの芝生広場のど真ん中に降りてやれ」
とシバは指示した。

「了解。城内の芝生広場のど真ん中に降ります」
とショーンが復唱した。

ぶつは?」

「ちゃんとカーゴ内に厳重に梱包しておいてあるよ」
とアキトが答えた。

「そうか……それにしてもあんなものに血眼ちまなこになるっている奴等の気が知れんわ」
とシバは呆れたように呟いた。
そうこの宝は、一つだけでも立派な城が建つぐらいの金額がする。それほど貴重で珍しいお宝だった。

 それだけに輸送も気を遣う。輸送途中に空賊に襲われる可能性もある代物だ。それ故にシバたちにこの依頼が来たのは当然といえば当然だった。

「昔は俺たちも血眼になって探していただろうが……」
とアキトが呆れたような表情で言った。

 今でこそ、秘宝と言われる宝物や武器もベースアジトの倉庫に腐る程眠っているが、冒険者の頃……それも成りたての頃は、それこそ彼らは血眼になって経験値とお宝を求め彷徨っていた。

「ふん! 俺たちは他人から巻き上げたりはしていないぞ!」
とシバは憤慨して反論した。彼は宝物は自らの手で勝ち取った物でないと意味がないと思っているようだ。

「やんごとなき御貴族様からのご依頼ですからね。料金もたんまり貰えたし、あんまり悪く言っちゃだめですぜ」
とダミアンがシバを宥めるように話しかけた。

「そんな事は分かっているさ。ただ気分が悪いという事だ」
とシバも理屈では判っていた。ただ感情的には好きになれない仕事だった。

 そうこうしている間に飛空艇は城のど真ん中の芝生広場に着陸した。
操縦室の窓から衛兵たちが飛空艇の前に整列してカーゴドアが開くのを待っているのが見えていた。
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