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迅速な転校
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「あったわ、都合のいい女子校」
「はっっっっっや‼」
お腹が減ったなーっと、お昼が少し過ぎたぐらいに起きて、リビングに入った瞬間母から言われた言葉に開いた口が閉まらない私。もしかして顎落としちゃった?
それにしても早くない? そんなにすぐ見つかるもん?
「まあ、兄さんに手伝ってもらったんだけど」
「ほう……」
「神鳴ちゃんのために調べてたんだって」
神鳴ちゃんは私のいとこで、私の七個下の女の子。神鳴ちゃんも吸血鬼の血筋だから、陽に弱いらしい。
「まだ随分先だけど?」
「早いに越したことはないの、それであんた助かるんだし」
「確かに」
そして母が教えてくれた私の転校先の情報はというと、なんと一学年に一人、超絶美人がいるらしい。
学校一の美人が各学年にいる感じ。ということは、一年生は私が転校するから、超絶美人が二人になると……。
超絶美人が私だけじゃなくなるのはありがたい。それでもキツイのはキツイけど。
「――ということで、あんたこの学校に転校しなさい。大丈夫、あんたの学力なら余裕だから」
ということで、私はこの一学年に一人超絶美人がいる学校へ転校することになったのだった。
△
「えーっと……あの、その……たたたっ高橋、鳴月……ですっぅ」
ということで、あれよあれよと準備が進み、四月中旬というなんとも変な時期に転校することができた私は、黒板の前に立ってカチコチしていた。
人の視線が辛い。品定めするような下品な視線の方がマシな気がする。だってほらあそこの金髪ギャルとかキラキラした目で見てくるもん!
「――よろしくお願いしますっ‼」
カチコチして、気力をゴリゴリ削られてからなんとか席へと辿り着く。
既に超絶美人が一人いても、やっぱりみんなキラキラした目で見てくるんだなと、人生そんな上手くいかないな、なんて考える。
私の席は転校生らしく後ろの角、逃げ場が無い。終わった。いや、囲まれるのは仕方がないんだ……乗り越えないと……。
前の席の子――さっき一番キラキラした目を向けてきたギャルと、右隣の子が話しかけてくれる。ありがたい、でもキラキラした目が辛い。あともう授業始まるよ? 前向かないと――と思って気づいた。そうだ、この学校は偏差値低いんだ……。
一限目が始まっても、結構騒がしい。中学校の時はこんな感じだったな、なんて少し前のことを思い出す。あ、駄目だ。違うことを考えて陽から身を守ろうとしても、過去の陽が私に襲い掛かる。
勉強もついて行けないんじゃなくて私の方が先を行ってるから集中できない。
そんなこんなで一限目が終わって休み時間。案の定、私は同級生達に囲まれていた。まだ同級生だけっていうのが救いだ。まだ見ていないけど、本当に各学年に超絶美人がいるんだと、私は感動で泣きそうになる。でもまだちょっと信じ切れていない。次の休み時間も二年生、三年生が来なければ、本当だと完全に信じてもいい。
話しかけてくるギャル達(コミュ力高い女子は総じてギャルだ)の対処をしながら、私はなんか身体から力を吸われていくような感覚に耐える。
森林夏、川原田澪、今田凪そして――。
「やっぱてんこーって疲れる感じ? だよね、うちもそーぞーしたら疲れてきた! やばっ、もーねむい‼」
畑中佳、私の前の座席の生徒。授業が始まる直前なのに、こうして後ろを向いて話しかけてくるギャル。うん。この人は見た目もギャルだ、黒くないけど。金髪だし。他の人は名前こそ憶えたけど容姿まではまだ憶えられていない。だって、眩しかったから……。
「畑中さん、もう授業――」
「佳でいーよ!」
「あっ、うん。佳さん、もう授業――」
「呼び捨てでいーって」
「あっ、うん。佳、もう授業――」
ここで先生から、佳に注意が入れられる。
つっ……疲れた……。
良い人、良い人なんだけどね、もうやっばい、キラキラしてて、私の存在がゴリゴリと削られていくような、なんかもうヤバかった。
「あっ、うちはなっちゃんって呼ぶね‼」
前……向こう……?
「はっっっっっや‼」
お腹が減ったなーっと、お昼が少し過ぎたぐらいに起きて、リビングに入った瞬間母から言われた言葉に開いた口が閉まらない私。もしかして顎落としちゃった?
それにしても早くない? そんなにすぐ見つかるもん?
「まあ、兄さんに手伝ってもらったんだけど」
「ほう……」
「神鳴ちゃんのために調べてたんだって」
神鳴ちゃんは私のいとこで、私の七個下の女の子。神鳴ちゃんも吸血鬼の血筋だから、陽に弱いらしい。
「まだ随分先だけど?」
「早いに越したことはないの、それであんた助かるんだし」
「確かに」
そして母が教えてくれた私の転校先の情報はというと、なんと一学年に一人、超絶美人がいるらしい。
学校一の美人が各学年にいる感じ。ということは、一年生は私が転校するから、超絶美人が二人になると……。
超絶美人が私だけじゃなくなるのはありがたい。それでもキツイのはキツイけど。
「――ということで、あんたこの学校に転校しなさい。大丈夫、あんたの学力なら余裕だから」
ということで、私はこの一学年に一人超絶美人がいる学校へ転校することになったのだった。
△
「えーっと……あの、その……たたたっ高橋、鳴月……ですっぅ」
ということで、あれよあれよと準備が進み、四月中旬というなんとも変な時期に転校することができた私は、黒板の前に立ってカチコチしていた。
人の視線が辛い。品定めするような下品な視線の方がマシな気がする。だってほらあそこの金髪ギャルとかキラキラした目で見てくるもん!
「――よろしくお願いしますっ‼」
カチコチして、気力をゴリゴリ削られてからなんとか席へと辿り着く。
既に超絶美人が一人いても、やっぱりみんなキラキラした目で見てくるんだなと、人生そんな上手くいかないな、なんて考える。
私の席は転校生らしく後ろの角、逃げ場が無い。終わった。いや、囲まれるのは仕方がないんだ……乗り越えないと……。
前の席の子――さっき一番キラキラした目を向けてきたギャルと、右隣の子が話しかけてくれる。ありがたい、でもキラキラした目が辛い。あともう授業始まるよ? 前向かないと――と思って気づいた。そうだ、この学校は偏差値低いんだ……。
一限目が始まっても、結構騒がしい。中学校の時はこんな感じだったな、なんて少し前のことを思い出す。あ、駄目だ。違うことを考えて陽から身を守ろうとしても、過去の陽が私に襲い掛かる。
勉強もついて行けないんじゃなくて私の方が先を行ってるから集中できない。
そんなこんなで一限目が終わって休み時間。案の定、私は同級生達に囲まれていた。まだ同級生だけっていうのが救いだ。まだ見ていないけど、本当に各学年に超絶美人がいるんだと、私は感動で泣きそうになる。でもまだちょっと信じ切れていない。次の休み時間も二年生、三年生が来なければ、本当だと完全に信じてもいい。
話しかけてくるギャル達(コミュ力高い女子は総じてギャルだ)の対処をしながら、私はなんか身体から力を吸われていくような感覚に耐える。
森林夏、川原田澪、今田凪そして――。
「やっぱてんこーって疲れる感じ? だよね、うちもそーぞーしたら疲れてきた! やばっ、もーねむい‼」
畑中佳、私の前の座席の生徒。授業が始まる直前なのに、こうして後ろを向いて話しかけてくるギャル。うん。この人は見た目もギャルだ、黒くないけど。金髪だし。他の人は名前こそ憶えたけど容姿まではまだ憶えられていない。だって、眩しかったから……。
「畑中さん、もう授業――」
「佳でいーよ!」
「あっ、うん。佳さん、もう授業――」
「呼び捨てでいーって」
「あっ、うん。佳、もう授業――」
ここで先生から、佳に注意が入れられる。
つっ……疲れた……。
良い人、良い人なんだけどね、もうやっばい、キラキラしてて、私の存在がゴリゴリと削られていくような、なんかもうヤバかった。
「あっ、うちはなっちゃんって呼ぶね‼」
前……向こう……?
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