垢BANズ!!

幽零

文字の大きさ
7 / 22
サメジマエリア編

7話

しおりを挟む
流石に疲れたので、皆で一息つくことにした。

局長室から数階下がった場所に、休憩室と仮眠室が併設されているエリアがあるので、そこに向かった。


「登って降りるだけかと思ってたのに、こんな困難に当たるとは……」

「ピーちゃん疲れてんね。あ~~、コークうめぇ~……キク~……」

「リュウ、エナドリも飲んでみないか?」

「あー、若。俺宗教上の理由でコーク以外飲めないっす」

「え!?そんな宗教があるんやね!?」

「リリアさん……多分リューさんの冗談だと思う」

「え!?そうなん!?」

パタパタと羽を揺らして驚くリアさん。片手にタフちゃんを抱えながら、よく歩けるなぁ……



「あ~、なんか数階降りるだけなのにドッと疲れた……」

「全部の階のエレベーターにトッパー君いるしねぇ……」

「……あれ……?」

「ん?どしたタフちゃん」

「そういえば、局長室に着いた時、カソケさんとリュウさんはエレベーターから来たよね……?」

「ん?あぁー……」

カソケ殿は思い出したように続ける。

「エレベーター普通に使えたけど?」

「若、多分違うっす。目の前に居たあのアンドロイドの事じゃ無いっすか?」

「ん?あぁ、アレか。違法ツールで黙らせてきたけど」

「…………え?俺歩き損?」

「いいじゃんピーちゃん健康的じゃん」

「……心は不健康になった気がする」


仮眠室のベットに横たわると、気を張ってたからか、すぐに眠気が来た。女性陣はカプセル型の小部屋があるので、一人一つ使っても充分だ。

「はぁ~……疲れた……あれ?リュー君とカソケ殿?どっか行くの?」

ベットに横になったら、二人が仮眠室の外に行くのが見えた。

「…………あぁ、ちょっと。コーク飲みたくなったんだ」

「私はその付き添いかなー」

「あ、そうなんだ。気をつけてねー」

「ウィっす」

「はいはーい」

二人が出て行ったあと、ボフッと枕に沈む。ここ最近値上がりしてたのか中々入れなかった夢の国に、今夜はすんなり入場出来た。





「……あれ」

「お?」

「おやタフちゃん」

コーヒーを買いに来たら、何故かカソケさんとリュウさんがいた。

「え、寝なくて大丈夫?」

「俺はー、コークを買いにっすね」

「私は付き添いかな」

「あぁ、お金ないんでしたっけ。うちに言ってくれれば職員カード貸したのに」

「あぁそれは良いよ。私たちの癖みたいなものだからね」

リュウさんはしゃがみながらコーク缶を一気飲みする。

「プハー……で、タフちゃんは何故ここに?」

「ん?あぁ、リリアさんと一緒に寝てたんだけど。コーヒー飲みたくなって」

「あれ?白衣は?」

「リリアさんに掴まれてたから脱いで来た」

「おおぅ、よく破けなかったね」

「ていうか白衣で寝てんすか……」

「……正職員も楽じゃないんですよ」

いつもの銘柄を選んで、職員カードで購入する。

「そういえば……結構な異常事態なのに、二人は落ち着いてますよね」

「まぁ……ねぇ?」

「そっすねー」

何気無く視線を合わせる2人。まるで『この程度、何でもない』というような余裕だ。

……何となく察していたが、やっぱりこの2人は場馴れしてるっぽい。

「そういえば、リアさんって強化人間だけどさ。すごいよねー。あれ全身でしょ?」

「あー、若も気になってました?あの人、明らかに軍属じゃないっすよね」

「オプション何個つけてるんだろう。3つぐらいかな?」

「もっとじゃないっすか?」

「歌手見習いって言ってた」

「え、歌手なんすか」

「今のうちにサイン貰おうかな」

「若って多趣味っすよね」

「そうかな?」

「多趣味っすよ。俺はコークから浮気しないんで、ちょっとその気持ちが分からないっす。なんでそんな酷い事できるんすか?」

「人を極悪非道みたいに言いやがって」

「え、違うんすか?」

「いや、その通りだけど」

「ふふっ……」

「ん?」

「お?」

「いや、二人は仲良いなって思って」

何気なくポツリと呟く。

「仲良いと言えば、ピーちゃんとタフちゃんも仲良いっすよね」

「2人は長いの?」

「あー、うん。そうだけど……」


……なんか前もやったなこのやり取り。








「良い朝!良い目覚め!」

バッと起き上がる。目に付くのはデバイスに浮かび上がる「Unknown」の文字。

「状況は悪すぎ!!」

とりあえず休憩室に向かうと、テーブルで3人向かい合って座っていた。

「あれ、カソケ殿にリュー君?タフちゃんも。何してたのー?」

「あー……ピーちゃん」

何故かリュー君は疲れた顔をしていた。

「この2人、夜通しアニメの話してたし、なんならゲームのマルチずっと一緒にやってて……俺がそれに付き合わされてた感じっす」

真剣な表情でモニターに向き合う二人。

「徹夜でゲーム……これは、楽しすぎる」

「全くもってタフちゃんに同意」


「……いや、ホントに何してたの?」


「モンスターをハンターするゲームしてた」

「で、何回か全滅した」

「途中から若達がモンスターにハンターされてたっすよね」

「なんてこった。これが焼肉定食……」

「弱肉強食っすよ。若」

朝からなんてゆるい会話だろう。平和だ。

「おはよー……」

「あ、リアさんおはよう」

「ねね、聞いて聞いて。朝起きたら口元になにか挟まってると思ってさぁ、見てみたら白衣噛んでた。しかもめっちゃ良い香りするんよ、これ」



「「「「ごめんなんて???」」」」



全員の思考と言葉が一致した。



しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転

小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。 人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。 防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。 どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

処理中です...