垢BANズ!!

幽零

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サメジマエリア編

7話

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流石に疲れたので、皆で一息つくことにした。

局長室から数階下がった場所に、休憩室と仮眠室が併設されているエリアがあるので、そこに向かった。


「登って降りるだけかと思ってたのに、こんな困難に当たるとは……」

「ピーちゃん疲れてんね。あ~~、コークうめぇ~……キク~……」

「リュウ、エナドリも飲んでみないか?」

「あー、若。俺宗教上の理由でコーク以外飲めないっす」

「え!?そんな宗教があるんやね!?」

「リリアさん……多分リューさんの冗談だと思う」

「え!?そうなん!?」

パタパタと羽を揺らして驚くリアさん。片手にタフちゃんを抱えながら、よく歩けるなぁ……



「あ~、なんか数階降りるだけなのにドッと疲れた……」

「全部の階のエレベーターにトッパー君いるしねぇ……」

「……あれ……?」

「ん?どしたタフちゃん」

「そういえば、局長室に着いた時、カソケさんとリュウさんはエレベーターから来たよね……?」

「ん?あぁー……」

カソケ殿は思い出したように続ける。

「エレベーター普通に使えたけど?」

「若、多分違うっす。目の前に居たあのアンドロイドの事じゃ無いっすか?」

「ん?あぁ、アレか。違法ツールで黙らせてきたけど」

「…………え?俺歩き損?」

「いいじゃんピーちゃん健康的じゃん」

「……心は不健康になった気がする」


仮眠室のベットに横たわると、気を張ってたからか、すぐに眠気が来た。女性陣はカプセル型の小部屋があるので、一人一つ使っても充分だ。

「はぁ~……疲れた……あれ?リュー君とカソケ殿?どっか行くの?」

ベットに横になったら、二人が仮眠室の外に行くのが見えた。

「…………あぁ、ちょっと。コーク飲みたくなったんだ」

「私はその付き添いかなー」

「あ、そうなんだ。気をつけてねー」

「ウィっす」

「はいはーい」

二人が出て行ったあと、ボフッと枕に沈む。ここ最近値上がりしてたのか中々入れなかった夢の国に、今夜はすんなり入場出来た。





「……あれ」

「お?」

「おやタフちゃん」

コーヒーを買いに来たら、何故かカソケさんとリュウさんがいた。

「え、寝なくて大丈夫?」

「俺はー、コークを買いにっすね」

「私は付き添いかな」

「あぁ、お金ないんでしたっけ。うちに言ってくれれば職員カード貸したのに」

「あぁそれは良いよ。私たちの癖みたいなものだからね」

リュウさんはしゃがみながらコーク缶を一気飲みする。

「プハー……で、タフちゃんは何故ここに?」

「ん?あぁ、リリアさんと一緒に寝てたんだけど。コーヒー飲みたくなって」

「あれ?白衣は?」

「リリアさんに掴まれてたから脱いで来た」

「おおぅ、よく破けなかったね」

「ていうか白衣で寝てんすか……」

「……正職員も楽じゃないんですよ」

いつもの銘柄を選んで、職員カードで購入する。

「そういえば……結構な異常事態なのに、二人は落ち着いてますよね」

「まぁ……ねぇ?」

「そっすねー」

何気無く視線を合わせる2人。まるで『この程度、何でもない』というような余裕だ。

……何となく察していたが、やっぱりこの2人は場馴れしてるっぽい。

「そういえば、リアさんって強化人間だけどさ。すごいよねー。あれ全身でしょ?」

「あー、若も気になってました?あの人、明らかに軍属じゃないっすよね」

「オプション何個つけてるんだろう。3つぐらいかな?」

「もっとじゃないっすか?」

「歌手見習いって言ってた」

「え、歌手なんすか」

「今のうちにサイン貰おうかな」

「若って多趣味っすよね」

「そうかな?」

「多趣味っすよ。俺はコークから浮気しないんで、ちょっとその気持ちが分からないっす。なんでそんな酷い事できるんすか?」

「人を極悪非道みたいに言いやがって」

「え、違うんすか?」

「いや、その通りだけど」

「ふふっ……」

「ん?」

「お?」

「いや、二人は仲良いなって思って」

何気なくポツリと呟く。

「仲良いと言えば、ピーちゃんとタフちゃんも仲良いっすよね」

「2人は長いの?」

「あー、うん。そうだけど……」


……なんか前もやったなこのやり取り。








「良い朝!良い目覚め!」

バッと起き上がる。目に付くのはデバイスに浮かび上がる「Unknown」の文字。

「状況は悪すぎ!!」

とりあえず休憩室に向かうと、テーブルで3人向かい合って座っていた。

「あれ、カソケ殿にリュー君?タフちゃんも。何してたのー?」

「あー……ピーちゃん」

何故かリュー君は疲れた顔をしていた。

「この2人、夜通しアニメの話してたし、なんならゲームのマルチずっと一緒にやってて……俺がそれに付き合わされてた感じっす」

真剣な表情でモニターに向き合う二人。

「徹夜でゲーム……これは、楽しすぎる」

「全くもってタフちゃんに同意」


「……いや、ホントに何してたの?」


「モンスターをハンターするゲームしてた」

「で、何回か全滅した」

「途中から若達がモンスターにハンターされてたっすよね」

「なんてこった。これが焼肉定食……」

「弱肉強食っすよ。若」

朝からなんてゆるい会話だろう。平和だ。

「おはよー……」

「あ、リアさんおはよう」

「ねね、聞いて聞いて。朝起きたら口元になにか挟まってると思ってさぁ、見てみたら白衣噛んでた。しかもめっちゃ良い香りするんよ、これ」



「「「「ごめんなんて???」」」」



全員の思考と言葉が一致した。



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