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御前試合編
11話
早朝、仄を起こさないように離を出て、封神剣を片手に外に出る。
朝日がまだ登っていないので、肌寒いが谷透はインナーのまま外に出た。
「………」
封神剣を握る力を調整し、振る。
「………フッ!……ハッ!……」
ヒュッと封神剣が風を切る音が響く。
(………ただの突き……ねぇ?)
谷透は腰元に封神剣を近付け、そのまま突きを放つ。
(………いや…もっと速い筈だ)
2、3回繰り返すが、昨晩見た白獅子のような目で追えないほどの速さの突きは繰り出せない。
(……いや、これも違うな……ここから……こうかっ!)
何回か工夫してみたが、それでも遅い。あの過程を飛ばして結果のみを突きつけるような神速の突きはどうやっているのだろうか。
「…………」
悩んでいると、後ろから足音が聞こえてきた。
「なんだ野蛮人。随分と早起きだな」
……風切だった。
「おーおー、そう言うお前も早起きだねぇー優等生サマよ」
「…ふん」
風切は刀を手に素振りを始め、その後剣技の鍛錬を始める。
華麗な刀さばき、足運び。
「………ほーん」
「………なんだ」
一定の技の確認をした後、風切は横目で谷透を見る。
「いやー流石は優等生サマだと思ってよ。俺にも教えてくれよ。白獅子さんから剣技を学べって言われたからな」
風切は汗を拭い、刀を鞘に納刀すると居合の構えを取りながら続ける。
「野蛮人に教えた事など無い」
「あっそ」
「………学びたいなら、勝手に見て盗めば良い」
「………へぇ、じゃそうするわ」
朝日は、もう登っていた。
昼になり食事を済ませたあと、谷透は離の近くをブラブラしていた。1週間後に御前試合があるが、正直やる事がほとんど無い。紅葉や結などは昨晩燃えた二ヶ宮の居た建物の事で会議に行っていた。仄は食事後、窓際で随分ぼーっとしていたので声をかけたら、「アリさんがいるのですー」と、どうやらご執心のようだった。
そんなこんなで谷透は一人、封神剣を持ちながら何をするでもなく離の近くをふらついていた。
「………しかしまぁ、無駄にでけぇ神社だよな。まぁ大社っつぅぐらいだからそれぐらいあるモンなんだろうが」
三ツ谷に宛てがわれた離は、近くは木々が鬱蒼としている。恐らくこの離も必要最低限な事しかされてないのだろう。
「………」
木々をぼーっと眺めていると、突然ギチギチィッ!と言う音が聞こえ、大木が倒れるような音が響いた。
「……あ?」
反射的に封神剣を構えた。昨晩に続いてまた穢れた神かも知れない。とにかく確認することが優先だ。
谷透は木々の中に入る。すると、続いてまた大木が倒れるような音が響いた。その音がだんだん大きくなっていくので、木の影に隠れながら移動する。
「____!………____」
何やら声が聞こえて来た。さらに慎重に木々の影を縫うように移動する。
「あーー、また倒れちゃったよ。上手く切れねぇー!」
「………?」
木の裏から気配を殺して覗くように声の主を見る。
人だ。人だが……
褐色で大柄、上半身は胸にサラシだけ巻いて、下には裾がボロボロになっている袴を履いていた。自分で引きちぎったような跡だ。そして……
(……女?)
女性のようだった。なんか手にバカでかい斧を持っている。大柄な本人よりデカいので、全長2メートルか、それ以上ある。
「いやぁー上手く切れないなぁーホント。ダルマ落としみたいに切りたいんだけどなーー………ん?」
大斧を肩に担いでいる女性は、不意に怪訝な顔をすると、続ける。
「な~んか見られてるな……ん~………そこかぁッ!」
すると、谷透の隠れている木に拳大の大きさの石がすっ飛んで来た。直撃した木はメキメキィッ!と音を立てて、直撃した箇所から半分に折れた。
「……あっぶね!」
つい倒れてくる木を回避しながら、叫んでしまった。そして女性と目が合う。目が合った女性はアレ?という感じで立っていた。
「なんだ人かー。随分気配殺してるからなんかその手のアレだと思ったわー」
「確認しねぇで人一人殺せるようなスローイングしたのかテメェっ!?」
「あ、元気良いな!じゃあ大丈夫だろ!」
褐色の女性はケラケラ笑うと、続ける。
「んでぇ?少年誰よ?ここにいるってことは神守の1人とか?」
褐色の女性の問に谷透は答える。
「『穢祓い』としてここに呼ばれた」
その単語を聞いた途端、褐色の女性は驚いた顔をして、谷透に近寄ってきた。
……それも、10メートルぐらい離れてた距離を1回の跳躍で。
褐色の女性は谷透の顔の両端をガシッと掴んでまじまじと見つめる。
「ん~………うん!あーー、この子かぁ~」
「は?」
女性はパッと手を話すとニマァっと笑って話し始めた。
「いやね、聞いてたのよ。富太をぶっ飛ばしたっていうやっべーやつがここにいるってね。白獅子様から聞いてたけどー、『穢祓いだ!』なんて自分から名乗るの人なんてまずいないし、君かー」
女性は何やら1人で納得してウンウンと頷く。
「……で?アンタ誰?」
「あそうかー。穢祓いくんはここ来るの始めてだから大抵の人間とハジメマシテなのかー。ウンウン、じゃ自己紹介っと」
女性は手にした大斧をブゥンッと1回振り回すと、その勢いで肩に乗せた。
「アタシね、六武衆の花車。君の名前はなんだー?穢祓いくん!」
「……谷透、谷透 修哉だ」
「へぇー、たにとーくんかぁー」
花車は白い歯を見せながらニヤッ!と笑い続ける。
「六武衆って事はあれか?俺と御前試合をやる相手ってことか?」
「あー、その事なんだけどさぁ。アタシ気に食わないのよねー」
「……何がだ?」
「いやね、いきなり部外者の君に御前試合やれーって言ってさ。まぁアイツぶっ飛ばしたとはいえ六武衆全員を1人で相手するってねー。どう考えても過剰戦力だよー」
間延びした声で花車は続ける。
「って訳だたにとー!ここで戦うぞ!」
「……はぁ!?」
「だってー、一ノ門達の前で試合とか息つまるし~」
花車は口を尖らせ文句を言う。
「……あのよ、六武衆ってのは一ノ門お抱えの最強の神守集団じゃねぇのかよ。そうお上を軽く見て良いのか?」
「あー、六武衆ってさ、白獅子様がリーダーじゃないと行けないのよ。そもそもね、コネで入った富太がイキってんのが気に食わない」
花車は分かりやすく苛立ちながら続けた。
「あ~ヤメヤメ!苛つく話題はしないに限る!って訳でたにとー!ほらほら!試合!!」
「………」
谷透は封神剣を構えて答える。
「……条件は」
「ここの森。アタシが満足したら終わり」
ニヤッ!と笑う花車。
「……わかった」
「おぅおぅ!やる気だねー!いいねぇたにとー!それじゃあアタシもいっくぞー!」
花車は肩に担いだ大斧を両手で持つと、振りかぶりながらこちらに跳躍してきた。
(……速ッッッや!?)
反射的に霊体化を発動する。花車の大斧は谷透の胴体をすり抜ける。
「ありゃっ!?なんだそりゃ!?」
花車は嬉しそうに驚くと、谷透の反対側に着地する。
「……さて、俺の番だ」
霊体化をしたまま、近付く。花車は警戒しているのか、ジリジリと下がる。
「……うーん…すり抜けるのかぁ……うーん……ん?そこかァっ!」
花車は唐突に前進し、右の足首を掴む。
「はァっ!?」
教えてもないのにこんな短期間で何故か弱点を把握された。
「んひ!行くぞぉー!」
ブゥンっ!と花車は谷透の右足を片手で掴んだまま空に放り投げた。
「いや死ぬ!死ぬってこれ!おいぃぃぃぃっ!!?」
宙に放り出された谷透は自由落下でドンドン加速していくのを感じる。
地面に激突する直前に花車が再びガシッと谷透の片足を片手で掴む。
「ん~ッ!アタシ満足!」
上下逆さに映る花車の顔を眺めながら谷透はつぶやく。
「……降ろしてくれ……」
「んぁ?あ、ごめんごメンゴ」
花車はヒョイッと谷透を宙で一回転させると、ギュムッ!と抱きしめる。
「アタシ大満足だよー!たにとーこれからもっと強くなれるねぃ!ん~、楽しみ♡」
うっとりする花車とは反対に、顔がふくよかな胸に押し付けられて呼吸困難になりそうな谷透。霊体化ですり抜けると、ゼェハァと息を整える。
「……はァ…なんで、俺の異能力を見破れた……最初の時もそうだ。なんでアンタ俺の隠れてる木をピンポイントで当てられたんだ?」
谷透が問うと、花車は迷いなく答える。
「アタシの勘!いやねーあたし直感よく当たるのよ~」
「………」
谷透はガックリと肩を落とす。こんな動物みたいなやつに見破れたのか。いや、恐らくそれがこの花車の強みなのだろう。大斧を片手で振り回せる怪力に、恐ろしい程の直感。直感を信じる戦いをする人間は、こちらがどれだけ入念に策を練ろうが、ただの直感だけで破られる時もある。そこには文字通りタネも仕掛けもないのだから、この手の相手は敵に回すだけ損だ。
谷透は息を整え、花車に向かって話す。
「……御前試合でまた戦うだろ。その時まで待っておけ。今より強くなる」
「ホントに!?いいねぇ、楽しみにしてるよたにとー!!」
再び化け物のような瞬発力で抱きしめられる谷透。
花車の腕から逃げながら彼は思う。
(六武衆ってこんなヤツらしかいねぇのか…?)
御前試合がだんだん不安になってくる谷透だった。
朝日がまだ登っていないので、肌寒いが谷透はインナーのまま外に出た。
「………」
封神剣を握る力を調整し、振る。
「………フッ!……ハッ!……」
ヒュッと封神剣が風を切る音が響く。
(………ただの突き……ねぇ?)
谷透は腰元に封神剣を近付け、そのまま突きを放つ。
(………いや…もっと速い筈だ)
2、3回繰り返すが、昨晩見た白獅子のような目で追えないほどの速さの突きは繰り出せない。
(……いや、これも違うな……ここから……こうかっ!)
何回か工夫してみたが、それでも遅い。あの過程を飛ばして結果のみを突きつけるような神速の突きはどうやっているのだろうか。
「…………」
悩んでいると、後ろから足音が聞こえてきた。
「なんだ野蛮人。随分と早起きだな」
……風切だった。
「おーおー、そう言うお前も早起きだねぇー優等生サマよ」
「…ふん」
風切は刀を手に素振りを始め、その後剣技の鍛錬を始める。
華麗な刀さばき、足運び。
「………ほーん」
「………なんだ」
一定の技の確認をした後、風切は横目で谷透を見る。
「いやー流石は優等生サマだと思ってよ。俺にも教えてくれよ。白獅子さんから剣技を学べって言われたからな」
風切は汗を拭い、刀を鞘に納刀すると居合の構えを取りながら続ける。
「野蛮人に教えた事など無い」
「あっそ」
「………学びたいなら、勝手に見て盗めば良い」
「………へぇ、じゃそうするわ」
朝日は、もう登っていた。
昼になり食事を済ませたあと、谷透は離の近くをブラブラしていた。1週間後に御前試合があるが、正直やる事がほとんど無い。紅葉や結などは昨晩燃えた二ヶ宮の居た建物の事で会議に行っていた。仄は食事後、窓際で随分ぼーっとしていたので声をかけたら、「アリさんがいるのですー」と、どうやらご執心のようだった。
そんなこんなで谷透は一人、封神剣を持ちながら何をするでもなく離の近くをふらついていた。
「………しかしまぁ、無駄にでけぇ神社だよな。まぁ大社っつぅぐらいだからそれぐらいあるモンなんだろうが」
三ツ谷に宛てがわれた離は、近くは木々が鬱蒼としている。恐らくこの離も必要最低限な事しかされてないのだろう。
「………」
木々をぼーっと眺めていると、突然ギチギチィッ!と言う音が聞こえ、大木が倒れるような音が響いた。
「……あ?」
反射的に封神剣を構えた。昨晩に続いてまた穢れた神かも知れない。とにかく確認することが優先だ。
谷透は木々の中に入る。すると、続いてまた大木が倒れるような音が響いた。その音がだんだん大きくなっていくので、木の影に隠れながら移動する。
「____!………____」
何やら声が聞こえて来た。さらに慎重に木々の影を縫うように移動する。
「あーー、また倒れちゃったよ。上手く切れねぇー!」
「………?」
木の裏から気配を殺して覗くように声の主を見る。
人だ。人だが……
褐色で大柄、上半身は胸にサラシだけ巻いて、下には裾がボロボロになっている袴を履いていた。自分で引きちぎったような跡だ。そして……
(……女?)
女性のようだった。なんか手にバカでかい斧を持っている。大柄な本人よりデカいので、全長2メートルか、それ以上ある。
「いやぁー上手く切れないなぁーホント。ダルマ落としみたいに切りたいんだけどなーー………ん?」
大斧を肩に担いでいる女性は、不意に怪訝な顔をすると、続ける。
「な~んか見られてるな……ん~………そこかぁッ!」
すると、谷透の隠れている木に拳大の大きさの石がすっ飛んで来た。直撃した木はメキメキィッ!と音を立てて、直撃した箇所から半分に折れた。
「……あっぶね!」
つい倒れてくる木を回避しながら、叫んでしまった。そして女性と目が合う。目が合った女性はアレ?という感じで立っていた。
「なんだ人かー。随分気配殺してるからなんかその手のアレだと思ったわー」
「確認しねぇで人一人殺せるようなスローイングしたのかテメェっ!?」
「あ、元気良いな!じゃあ大丈夫だろ!」
褐色の女性はケラケラ笑うと、続ける。
「んでぇ?少年誰よ?ここにいるってことは神守の1人とか?」
褐色の女性の問に谷透は答える。
「『穢祓い』としてここに呼ばれた」
その単語を聞いた途端、褐色の女性は驚いた顔をして、谷透に近寄ってきた。
……それも、10メートルぐらい離れてた距離を1回の跳躍で。
褐色の女性は谷透の顔の両端をガシッと掴んでまじまじと見つめる。
「ん~………うん!あーー、この子かぁ~」
「は?」
女性はパッと手を話すとニマァっと笑って話し始めた。
「いやね、聞いてたのよ。富太をぶっ飛ばしたっていうやっべーやつがここにいるってね。白獅子様から聞いてたけどー、『穢祓いだ!』なんて自分から名乗るの人なんてまずいないし、君かー」
女性は何やら1人で納得してウンウンと頷く。
「……で?アンタ誰?」
「あそうかー。穢祓いくんはここ来るの始めてだから大抵の人間とハジメマシテなのかー。ウンウン、じゃ自己紹介っと」
女性は手にした大斧をブゥンッと1回振り回すと、その勢いで肩に乗せた。
「アタシね、六武衆の花車。君の名前はなんだー?穢祓いくん!」
「……谷透、谷透 修哉だ」
「へぇー、たにとーくんかぁー」
花車は白い歯を見せながらニヤッ!と笑い続ける。
「六武衆って事はあれか?俺と御前試合をやる相手ってことか?」
「あー、その事なんだけどさぁ。アタシ気に食わないのよねー」
「……何がだ?」
「いやね、いきなり部外者の君に御前試合やれーって言ってさ。まぁアイツぶっ飛ばしたとはいえ六武衆全員を1人で相手するってねー。どう考えても過剰戦力だよー」
間延びした声で花車は続ける。
「って訳だたにとー!ここで戦うぞ!」
「……はぁ!?」
「だってー、一ノ門達の前で試合とか息つまるし~」
花車は口を尖らせ文句を言う。
「……あのよ、六武衆ってのは一ノ門お抱えの最強の神守集団じゃねぇのかよ。そうお上を軽く見て良いのか?」
「あー、六武衆ってさ、白獅子様がリーダーじゃないと行けないのよ。そもそもね、コネで入った富太がイキってんのが気に食わない」
花車は分かりやすく苛立ちながら続けた。
「あ~ヤメヤメ!苛つく話題はしないに限る!って訳でたにとー!ほらほら!試合!!」
「………」
谷透は封神剣を構えて答える。
「……条件は」
「ここの森。アタシが満足したら終わり」
ニヤッ!と笑う花車。
「……わかった」
「おぅおぅ!やる気だねー!いいねぇたにとー!それじゃあアタシもいっくぞー!」
花車は肩に担いだ大斧を両手で持つと、振りかぶりながらこちらに跳躍してきた。
(……速ッッッや!?)
反射的に霊体化を発動する。花車の大斧は谷透の胴体をすり抜ける。
「ありゃっ!?なんだそりゃ!?」
花車は嬉しそうに驚くと、谷透の反対側に着地する。
「……さて、俺の番だ」
霊体化をしたまま、近付く。花車は警戒しているのか、ジリジリと下がる。
「……うーん…すり抜けるのかぁ……うーん……ん?そこかァっ!」
花車は唐突に前進し、右の足首を掴む。
「はァっ!?」
教えてもないのにこんな短期間で何故か弱点を把握された。
「んひ!行くぞぉー!」
ブゥンっ!と花車は谷透の右足を片手で掴んだまま空に放り投げた。
「いや死ぬ!死ぬってこれ!おいぃぃぃぃっ!!?」
宙に放り出された谷透は自由落下でドンドン加速していくのを感じる。
地面に激突する直前に花車が再びガシッと谷透の片足を片手で掴む。
「ん~ッ!アタシ満足!」
上下逆さに映る花車の顔を眺めながら谷透はつぶやく。
「……降ろしてくれ……」
「んぁ?あ、ごめんごメンゴ」
花車はヒョイッと谷透を宙で一回転させると、ギュムッ!と抱きしめる。
「アタシ大満足だよー!たにとーこれからもっと強くなれるねぃ!ん~、楽しみ♡」
うっとりする花車とは反対に、顔がふくよかな胸に押し付けられて呼吸困難になりそうな谷透。霊体化ですり抜けると、ゼェハァと息を整える。
「……はァ…なんで、俺の異能力を見破れた……最初の時もそうだ。なんでアンタ俺の隠れてる木をピンポイントで当てられたんだ?」
谷透が問うと、花車は迷いなく答える。
「アタシの勘!いやねーあたし直感よく当たるのよ~」
「………」
谷透はガックリと肩を落とす。こんな動物みたいなやつに見破れたのか。いや、恐らくそれがこの花車の強みなのだろう。大斧を片手で振り回せる怪力に、恐ろしい程の直感。直感を信じる戦いをする人間は、こちらがどれだけ入念に策を練ろうが、ただの直感だけで破られる時もある。そこには文字通りタネも仕掛けもないのだから、この手の相手は敵に回すだけ損だ。
谷透は息を整え、花車に向かって話す。
「……御前試合でまた戦うだろ。その時まで待っておけ。今より強くなる」
「ホントに!?いいねぇ、楽しみにしてるよたにとー!!」
再び化け物のような瞬発力で抱きしめられる谷透。
花車の腕から逃げながら彼は思う。
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