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御前試合編
13話
御前試合を翌日に控えた夜。谷透は一人、剣を振っていた。
……相変わらず鞘が着いたままだが。
(……ここからっ…)
あの日からもう何回繰り返したかは分からない突き。見返したいのか、上達したいのか、それすらも分からない。
「シューヤよここにいたか」
そこへ紅葉が現れた。
「……なんだ、ガキ」
「せいが出るのぅ」
「……まぁな」
再び剣を振ろうとすると、紅葉から声が届いた。
「シューヤよ。逃げたくはならないのか?」
「……はぁ?」
唐突に出てきた問に、詰まってしまう谷透。
「元はと言えば、妾が招いた問題じゃ。シューヤはそれに巻き込まれた。相手はあの六武衆じゃ。そなたよりずっと強い。………逃げてもいいんじゃないか?」
「………」
汗を拭きながら考える。紅葉が妙にしおらしい。何かあったのか?
「お前……」
「シューヤよ。主は『封神剣』がなぜ三ツ谷にあったのか、妾が有していたのか、知っているか?」
「あ?あぁ、だいたい聞いた」
「……そうか」
紅葉はちょこんとそばにあった石の上に座る。
「妾は逃げた」
「………」
「父は…刃紗羅は、3つの神社の神の中で最強だった。しかし、妾を逃がすために、穢れた神達の前に立ちはだかった」
紅葉は夜空を見上げて続ける。
「あの時、妾が逃げなければ達は全滅していた。結果から見れば正しい選択だったかもしれん。だが……妾は娘として、本当に正しい選択をしたか、未だに分からぬ……」
紅葉は小さな両手を前に出しながら続ける。
「シューヤ。いつか選ぶ時はくる。今逃げるか、戦うか。それはお主が選ぶ事じゃ。六武衆は強い。主が逃げても妾は咎めぬ」
「………」
谷透は封神剣を持ち上げ、紅葉に近付き。
パァンッ!
と、手を叩いた。
「!?」
「阿呆。逃げ出すならお前と出会った時に逃げてるわ。それにな……」
谷透は封神剣を地面に刺して続ける。
「俺は『穢祓い』を行った先で、俺を振り返らなくちゃ行けないんでね」
そう言うと、紅葉は微笑む。
「そうか」
「ま、安心しろ。六武衆は全員倒す」
「そんな簡単に倒せる訳あるか、この野蛮人が」
「……あ?」
見ると、風切が出てきた。
「六武衆の方たちは何れも猛者だ」
「……なんだよ。だから勝てねぇってのか?」
「違う………」
風切は刀を構える。
「1回だけだ。1度だけ私が教えてやる」
「……へぇ?」
谷透はニヤついて答える。
「あの…あまり遅くまでやると、明日に響きますよ……?」
結まで出てきたかと思うと、その後間延びした声が聞こえる。
「まぁー谷透さんなら心配ないと思うのですー」
「……なんだよ。全員揃って夜更かしかぁ?」
そこへ……
「どっかーんってとーじょー!たにとー!明日は頑張れよー!」
「あのー花車?あっしゃらが旦那の相手なんですわ……あっしゃらが戦うんですわ」
「夜分遅くに騒がしくてすいませんね」
六武衆の白獅子、四方、花車が出てきた。
「明日、貴方はできることをやれば良い」
「んまー、たにとー明日は実質1回しかたたか……」
「花車ーッッ!!!ちょーい!それはまだ言っちゃあダメなんですわ!!」
「……?」
「六武衆!?な、こんな…!?」
「おぉー、白獅子さんなんて直で見たの初めてですー」
その様子を見て、谷透はフッと笑いがこぼれる。
「……俺の周りも、騒がしくなったもんだ」
……相変わらず鞘が着いたままだが。
(……ここからっ…)
あの日からもう何回繰り返したかは分からない突き。見返したいのか、上達したいのか、それすらも分からない。
「シューヤよここにいたか」
そこへ紅葉が現れた。
「……なんだ、ガキ」
「せいが出るのぅ」
「……まぁな」
再び剣を振ろうとすると、紅葉から声が届いた。
「シューヤよ。逃げたくはならないのか?」
「……はぁ?」
唐突に出てきた問に、詰まってしまう谷透。
「元はと言えば、妾が招いた問題じゃ。シューヤはそれに巻き込まれた。相手はあの六武衆じゃ。そなたよりずっと強い。………逃げてもいいんじゃないか?」
「………」
汗を拭きながら考える。紅葉が妙にしおらしい。何かあったのか?
「お前……」
「シューヤよ。主は『封神剣』がなぜ三ツ谷にあったのか、妾が有していたのか、知っているか?」
「あ?あぁ、だいたい聞いた」
「……そうか」
紅葉はちょこんとそばにあった石の上に座る。
「妾は逃げた」
「………」
「父は…刃紗羅は、3つの神社の神の中で最強だった。しかし、妾を逃がすために、穢れた神達の前に立ちはだかった」
紅葉は夜空を見上げて続ける。
「あの時、妾が逃げなければ達は全滅していた。結果から見れば正しい選択だったかもしれん。だが……妾は娘として、本当に正しい選択をしたか、未だに分からぬ……」
紅葉は小さな両手を前に出しながら続ける。
「シューヤ。いつか選ぶ時はくる。今逃げるか、戦うか。それはお主が選ぶ事じゃ。六武衆は強い。主が逃げても妾は咎めぬ」
「………」
谷透は封神剣を持ち上げ、紅葉に近付き。
パァンッ!
と、手を叩いた。
「!?」
「阿呆。逃げ出すならお前と出会った時に逃げてるわ。それにな……」
谷透は封神剣を地面に刺して続ける。
「俺は『穢祓い』を行った先で、俺を振り返らなくちゃ行けないんでね」
そう言うと、紅葉は微笑む。
「そうか」
「ま、安心しろ。六武衆は全員倒す」
「そんな簡単に倒せる訳あるか、この野蛮人が」
「……あ?」
見ると、風切が出てきた。
「六武衆の方たちは何れも猛者だ」
「……なんだよ。だから勝てねぇってのか?」
「違う………」
風切は刀を構える。
「1回だけだ。1度だけ私が教えてやる」
「……へぇ?」
谷透はニヤついて答える。
「あの…あまり遅くまでやると、明日に響きますよ……?」
結まで出てきたかと思うと、その後間延びした声が聞こえる。
「まぁー谷透さんなら心配ないと思うのですー」
「……なんだよ。全員揃って夜更かしかぁ?」
そこへ……
「どっかーんってとーじょー!たにとー!明日は頑張れよー!」
「あのー花車?あっしゃらが旦那の相手なんですわ……あっしゃらが戦うんですわ」
「夜分遅くに騒がしくてすいませんね」
六武衆の白獅子、四方、花車が出てきた。
「明日、貴方はできることをやれば良い」
「んまー、たにとー明日は実質1回しかたたか……」
「花車ーッッ!!!ちょーい!それはまだ言っちゃあダメなんですわ!!」
「……?」
「六武衆!?な、こんな…!?」
「おぉー、白獅子さんなんて直で見たの初めてですー」
その様子を見て、谷透はフッと笑いがこぼれる。
「……俺の周りも、騒がしくなったもんだ」
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