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無神機関編
29話
「………それで、急いでここまで来たんですが……」
今日も今日とて死人のような顔をした御影が、目の前の光景を見ながら言い放つ。
「何がどうして姉さんがここにいるんですか?」
御影はかなり呆れたような顔で言い放つ。
「何って…何?当たり前じゃない、だって谷透様…さんのためでしょう?それに御影、どうして声をかけてくれなかったのかしら?」
「……それは後で言いますが……とりあえず」
御影は真陽を指さして言葉を発する。
「服を着た方が良さそうですが。そして谷透さんの上から降りた方が良さそうですが」
言い遅れたが、ここの場所は谷透達にあてがわれた部屋だ。そして目の前の光景だが……
谷透が四肢を異空間から出現した腕によって拘束され、その上に真陽がまたがっている。真陽は上の和服をはだけさせており、もう夜這いというか、襲われているようにしか見えない。
御影の後ろでは、破狩が苦笑いをしており、満は両手で顔を隠している。蒼糸はへぇっと何故か笑っている。仄は意外と普通にガン見していた。
当の本人である谷透は四肢を拘束されたままぼーっと天を仰いでいた。
「谷透さんー大丈夫ですかぁー?」
「いや…起きたらいきなり自由は効かねーわ、真上に真陽がいるわ、気がつけば御影も着てるわで……もうキャパオーバーだ……」
「ここまで見られてしまっては、冷めてしまいました。残念ですが、また後日籠絡するとしましょう」
真陽は術式を解除し、服を着る。
谷透は疲れきった顔で上体を起こした。
「……仄、悪ィ水持ってきてくれ」
「はいー」
仄はいつも通りふにゃーっとした笑顔でトテテと谷透の言うことに従う。
少し時間が経って、一同をお堂に集めた谷透、合流した御影と真陽を加え、槍丈、満、破狩など二ヶ宮のメンツもそこに集合していた。御影と真陽に『無神機関』に関する情報を共有し、現状を確認する。
「……なるほど、『無神機関』とやらも一枚岩では無かったってことですか」
「ま、そんな感じの認識で間違ってないって感じぃ」
「私たちは諸々の事情で『無神機関』へと乗り込めない。なので谷透さん達にいってもらうという方針ですね」
破狩が端的にまとめると、谷透がフードを羽織る。
「オーケィ、作戦は向こうに行きつつだな。六武衆二人と内通者とその上司、あわよくばそっちの総括さんも味方につけられるって感じか」
「油断しないでって感じぃ、仮にも神を数体殺している組織だし、『シダマ』ってやつは本当に読めない。そいつの部隊も雑魚じゃないって感じぃ」
「はいはい、わかったよ」
「えーっと、とりあえず私はどうすれば良いですかねー?」
仄の言葉に、谷透は優しく頭を撫で答える。
「仄、お前はここに残ってくれ。もしシキヨみたいなやつが出てきた時、お前がいれば少なくとも時間は稼げる……頼めるか?」
そういうと、仄はふにゃーっと顔を緩ませ答える。
「わかりましたー。頑張ってくださいねー」
「おう」
谷透は封神剣をベルトで腰裏に固定すると一言つぶやく。
「んじゃあ、クーデターと行くか」
蒼糸に連れられて、御影と真陽、そして谷透が二ヶ宮神社から見えなくなった頃、満が仄に尋ねた。
「あなた、『穢祓い』が一人で行っちゃって不安じゃないの?」
そういうと仄は少し表情を緩ませて答える。
「そりゃ不安ですー。ですが、それでも心地よく送り出してあげるのが今の私にできる谷透さんへの精一杯ですー」
「……そういうものかしらね」
満の声に仄は「はいー」と笑顔で答えた。
神を守る組織と神を殺す組織の、鍔迫り合いが始まる。
今日も今日とて死人のような顔をした御影が、目の前の光景を見ながら言い放つ。
「何がどうして姉さんがここにいるんですか?」
御影はかなり呆れたような顔で言い放つ。
「何って…何?当たり前じゃない、だって谷透様…さんのためでしょう?それに御影、どうして声をかけてくれなかったのかしら?」
「……それは後で言いますが……とりあえず」
御影は真陽を指さして言葉を発する。
「服を着た方が良さそうですが。そして谷透さんの上から降りた方が良さそうですが」
言い遅れたが、ここの場所は谷透達にあてがわれた部屋だ。そして目の前の光景だが……
谷透が四肢を異空間から出現した腕によって拘束され、その上に真陽がまたがっている。真陽は上の和服をはだけさせており、もう夜這いというか、襲われているようにしか見えない。
御影の後ろでは、破狩が苦笑いをしており、満は両手で顔を隠している。蒼糸はへぇっと何故か笑っている。仄は意外と普通にガン見していた。
当の本人である谷透は四肢を拘束されたままぼーっと天を仰いでいた。
「谷透さんー大丈夫ですかぁー?」
「いや…起きたらいきなり自由は効かねーわ、真上に真陽がいるわ、気がつけば御影も着てるわで……もうキャパオーバーだ……」
「ここまで見られてしまっては、冷めてしまいました。残念ですが、また後日籠絡するとしましょう」
真陽は術式を解除し、服を着る。
谷透は疲れきった顔で上体を起こした。
「……仄、悪ィ水持ってきてくれ」
「はいー」
仄はいつも通りふにゃーっとした笑顔でトテテと谷透の言うことに従う。
少し時間が経って、一同をお堂に集めた谷透、合流した御影と真陽を加え、槍丈、満、破狩など二ヶ宮のメンツもそこに集合していた。御影と真陽に『無神機関』に関する情報を共有し、現状を確認する。
「……なるほど、『無神機関』とやらも一枚岩では無かったってことですか」
「ま、そんな感じの認識で間違ってないって感じぃ」
「私たちは諸々の事情で『無神機関』へと乗り込めない。なので谷透さん達にいってもらうという方針ですね」
破狩が端的にまとめると、谷透がフードを羽織る。
「オーケィ、作戦は向こうに行きつつだな。六武衆二人と内通者とその上司、あわよくばそっちの総括さんも味方につけられるって感じか」
「油断しないでって感じぃ、仮にも神を数体殺している組織だし、『シダマ』ってやつは本当に読めない。そいつの部隊も雑魚じゃないって感じぃ」
「はいはい、わかったよ」
「えーっと、とりあえず私はどうすれば良いですかねー?」
仄の言葉に、谷透は優しく頭を撫で答える。
「仄、お前はここに残ってくれ。もしシキヨみたいなやつが出てきた時、お前がいれば少なくとも時間は稼げる……頼めるか?」
そういうと、仄はふにゃーっと顔を緩ませ答える。
「わかりましたー。頑張ってくださいねー」
「おう」
谷透は封神剣をベルトで腰裏に固定すると一言つぶやく。
「んじゃあ、クーデターと行くか」
蒼糸に連れられて、御影と真陽、そして谷透が二ヶ宮神社から見えなくなった頃、満が仄に尋ねた。
「あなた、『穢祓い』が一人で行っちゃって不安じゃないの?」
そういうと仄は少し表情を緩ませて答える。
「そりゃ不安ですー。ですが、それでも心地よく送り出してあげるのが今の私にできる谷透さんへの精一杯ですー」
「……そういうものかしらね」
満の声に仄は「はいー」と笑顔で答えた。
神を守る組織と神を殺す組織の、鍔迫り合いが始まる。
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