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無神機関・決戦編
43話
久々に帰ってきたように感じる二ヶ宮神社では、満と仄、そして槍丈と破狩が出迎えてくれた。
仄意外は大いに驚きながら。
「えぇと…谷透さん…?彼らは……」
「あぁ、俺の私兵です」
「って感じぃ」
谷透の横には六武衆の三人がおり、そして背後には元『無神機関』の面々がゾロゾロとついてきていた。無論ゼシやシダマの内乱でほぼ壊滅状態になった組織だ。一般兵は限りなく零に近いが、それでも少数ながら生き残っている兵もいる。
「……おいおい、ちょっと待て、そこの半袖シャツにジーンズのお前、『無神機関』のものだったよな?」
槍丈は蒼糸は指して話す。
そう言えば蒼糸は、最後の一手として神社に寝返ったんだったか。顔はモロバレである。それにその側にいる止水、雹、斑目、有山も怪しい目で見られてしまう。神社の神守と無神機関の兵隊の中で、静かな緊張が走る……
一触即発の空気の中、割って入るように白獅子が両者の間に立った。
「彼らは元無神機関の構成員です。ですが、組織内部の内乱に加え、相手方、主に『穢れ』の元凶であったかもしれない者と対峙し、我ら神社に協力的な姿勢を見せました。彼らの能力は切り捨てるには惜しいものと私が判断しました。これより、彼らは今回の件の功労者、谷透さんの私兵として活躍するように私が推薦しました。これから、元凶の件と踏まえて、一ノ門へ私が話を通すつもりです。では」
それだけ言うと、白獅子はひゅう…と風のように姿を消した。
「では、私も戻りますか。早く帰ろうと思うんですが……」
御影は谷透にべったりとくっついている真陽を引き剥がしながら続ける。
「帰りますよ姉さん。ほら、谷透さんは困ってますが」
「いやよ、だってあのヒミコとかいう女なんなのよ私の谷透様よあの女『私のオトコ』なんていってこれは隙を与える訳には行かないの離して御影あのオンナを谷透様の近くに置かせる訳には……」
「神人『ヒミコ』はこの後連れていくように言われてたんですが、このままヒミコは一ノ門に連れて行きますが」
「えぇ…せっかく自由になれたのにまぁた拘束されるのねぇ…」
「いきましょうか御影。いちはやくあの女を引き剥がさないと」
しばらく言い合っていたが、御影の言葉ひとつで収まり、御影と真陽はヒミコを連れて去っていった。
「しかし……ははっ…困りましたね」
糸目で破狩が呟くと、満が続ける。
「えぇ、まさか連中が生きているとは。困ったものですね。特に……」
満はプルプル震えた後、蒼糸を指さして叫ぶ!
「何で!!この!!適当でふざけたやつが生き残ってる!!かくなる上は!」
満が抜刀し切りかかると、蒼糸はヒョイッと鋼線を指先から射出し、空中へと逃げる。
「お、おい…」
谷透が止めようとすると、有山が肩に手をかける。
「彼女…満は元々、無神機関の人間だったんだ。蒼糸と満は最初から仲が悪くてね。あれはじゃれてるようなものだよ」
「いや、普通に殺しあってねぇ……?」
そんなこんなで、帰ってきたばかりなので、あと1日二ヶ宮神社に止まってから、三ツ谷に帰る事になった。
「なるほど~…谷透さんは封神剣の力をもう完璧に扱えるようになったんですねー」
「あぁ、ただ、本当に完璧かは分からないがな」
「はいー?」
「あぁ、いや済まない。仄には分からなかったな。気にしないでくれ」
二ヶ宮に宛てがわれた部屋で2人は、いつも通り谷透の上で仄が乗っかってくっついていた。
「それで、変わった事は無かったか?」
「あー、あると言えばあった気がするんですよねー」
「………なに?」
「あぁー大したことじゃないと思うんですよー」
谷透が一瞬殺気立つが、仄の言葉ですぐにそれを消す。
「破狩さんがですねー、谷透さんの持ってる封神剣の事について聞いてきましてー。なんでも、あれを扱って危険は無いのかどうか心配だったみたいですねー」
「あぁ、そういう事か」
破狩と言えば、二ヶ宮の神守代表のような人間だ。元々六武衆でもある。白獅子さんのそばにいたのだから、神代遺物についても知っているだろう。
それにあの性格だ。心配性と言う訳では無いだろうが、そう言われても違和感はない。
そう考えていると、仄がむぎゅーと谷透をベッドの中で抱きしめる。
「んふふー。久々の谷透さんなのですー」
「お、おい仄……」
ほっぺたをスリスリする仄をどうしようか、谷透の両手が空中を漂う中、谷透の目線は横に行く。
そこには元無神機関の連中がこっちを向いており。
「今はやめとけ、たぶん誤解しか招いてない」
「左様か」
「えぇ。そして、これが『神人』ゼシの核です」
白獅子は一ノ門神主に、ゼシの核を見せていた。
「……うぅむ…かのような存在が、まさか実在するとはな……」
神主は唸る。
「此度、穢れを撒き散らすと言っていた元凶が彼の者になります。厳格に保管しておけば、復活する事も無いと思います」
「……随分と詳しいな。白獅子」
一ノ門の武神 阿剣が口を挟むと、白獅子は黙る。
「…やめておきましょう阿剣様。ここでの無為な詮索は何も得しない。彼は敵に回るような人間じゃない」
「……人間じゃない…か…」
阿剣はあえて含みを持たせながら、呟いた。
自室に戻った白獅子はヒミコと対話を重ねていた。
「さて、貴方の処置だが、どうするべきだろうか」
「その前に、同族がまだ生きていた事に驚きなのだけど?」
「………」
「それに、あの『神殺しの英雄』フヒトだって言うんだもの。お面で隠してもやっぱり分かるわ」
「……それは、とっくに捨てた名前です」
「……まぁ、何千年も生きていれば、そうもなるのかしらね。私は「始まりの神人」の代じゃあないから、貴方ほど生きては無いけれど」
白獅子はヒミコの言葉を遮るように、言葉を紡ぐ。
「ヒミコさん、貴方の処置を決めました。この先、再び『神人』が穢れをまとって現れないとも限りません。可能な限り、神社へ助言してあげてください」
「……ま、わかったわ。一応、同族のよしみだもの」
白獅子の執務室では、神人が2人。悠久の時を生きた伝説の種族は、ここで対面した。
仄意外は大いに驚きながら。
「えぇと…谷透さん…?彼らは……」
「あぁ、俺の私兵です」
「って感じぃ」
谷透の横には六武衆の三人がおり、そして背後には元『無神機関』の面々がゾロゾロとついてきていた。無論ゼシやシダマの内乱でほぼ壊滅状態になった組織だ。一般兵は限りなく零に近いが、それでも少数ながら生き残っている兵もいる。
「……おいおい、ちょっと待て、そこの半袖シャツにジーンズのお前、『無神機関』のものだったよな?」
槍丈は蒼糸は指して話す。
そう言えば蒼糸は、最後の一手として神社に寝返ったんだったか。顔はモロバレである。それにその側にいる止水、雹、斑目、有山も怪しい目で見られてしまう。神社の神守と無神機関の兵隊の中で、静かな緊張が走る……
一触即発の空気の中、割って入るように白獅子が両者の間に立った。
「彼らは元無神機関の構成員です。ですが、組織内部の内乱に加え、相手方、主に『穢れ』の元凶であったかもしれない者と対峙し、我ら神社に協力的な姿勢を見せました。彼らの能力は切り捨てるには惜しいものと私が判断しました。これより、彼らは今回の件の功労者、谷透さんの私兵として活躍するように私が推薦しました。これから、元凶の件と踏まえて、一ノ門へ私が話を通すつもりです。では」
それだけ言うと、白獅子はひゅう…と風のように姿を消した。
「では、私も戻りますか。早く帰ろうと思うんですが……」
御影は谷透にべったりとくっついている真陽を引き剥がしながら続ける。
「帰りますよ姉さん。ほら、谷透さんは困ってますが」
「いやよ、だってあのヒミコとかいう女なんなのよ私の谷透様よあの女『私のオトコ』なんていってこれは隙を与える訳には行かないの離して御影あのオンナを谷透様の近くに置かせる訳には……」
「神人『ヒミコ』はこの後連れていくように言われてたんですが、このままヒミコは一ノ門に連れて行きますが」
「えぇ…せっかく自由になれたのにまぁた拘束されるのねぇ…」
「いきましょうか御影。いちはやくあの女を引き剥がさないと」
しばらく言い合っていたが、御影の言葉ひとつで収まり、御影と真陽はヒミコを連れて去っていった。
「しかし……ははっ…困りましたね」
糸目で破狩が呟くと、満が続ける。
「えぇ、まさか連中が生きているとは。困ったものですね。特に……」
満はプルプル震えた後、蒼糸を指さして叫ぶ!
「何で!!この!!適当でふざけたやつが生き残ってる!!かくなる上は!」
満が抜刀し切りかかると、蒼糸はヒョイッと鋼線を指先から射出し、空中へと逃げる。
「お、おい…」
谷透が止めようとすると、有山が肩に手をかける。
「彼女…満は元々、無神機関の人間だったんだ。蒼糸と満は最初から仲が悪くてね。あれはじゃれてるようなものだよ」
「いや、普通に殺しあってねぇ……?」
そんなこんなで、帰ってきたばかりなので、あと1日二ヶ宮神社に止まってから、三ツ谷に帰る事になった。
「なるほど~…谷透さんは封神剣の力をもう完璧に扱えるようになったんですねー」
「あぁ、ただ、本当に完璧かは分からないがな」
「はいー?」
「あぁ、いや済まない。仄には分からなかったな。気にしないでくれ」
二ヶ宮に宛てがわれた部屋で2人は、いつも通り谷透の上で仄が乗っかってくっついていた。
「それで、変わった事は無かったか?」
「あー、あると言えばあった気がするんですよねー」
「………なに?」
「あぁー大したことじゃないと思うんですよー」
谷透が一瞬殺気立つが、仄の言葉ですぐにそれを消す。
「破狩さんがですねー、谷透さんの持ってる封神剣の事について聞いてきましてー。なんでも、あれを扱って危険は無いのかどうか心配だったみたいですねー」
「あぁ、そういう事か」
破狩と言えば、二ヶ宮の神守代表のような人間だ。元々六武衆でもある。白獅子さんのそばにいたのだから、神代遺物についても知っているだろう。
それにあの性格だ。心配性と言う訳では無いだろうが、そう言われても違和感はない。
そう考えていると、仄がむぎゅーと谷透をベッドの中で抱きしめる。
「んふふー。久々の谷透さんなのですー」
「お、おい仄……」
ほっぺたをスリスリする仄をどうしようか、谷透の両手が空中を漂う中、谷透の目線は横に行く。
そこには元無神機関の連中がこっちを向いており。
「今はやめとけ、たぶん誤解しか招いてない」
「左様か」
「えぇ。そして、これが『神人』ゼシの核です」
白獅子は一ノ門神主に、ゼシの核を見せていた。
「……うぅむ…かのような存在が、まさか実在するとはな……」
神主は唸る。
「此度、穢れを撒き散らすと言っていた元凶が彼の者になります。厳格に保管しておけば、復活する事も無いと思います」
「……随分と詳しいな。白獅子」
一ノ門の武神 阿剣が口を挟むと、白獅子は黙る。
「…やめておきましょう阿剣様。ここでの無為な詮索は何も得しない。彼は敵に回るような人間じゃない」
「……人間じゃない…か…」
阿剣はあえて含みを持たせながら、呟いた。
自室に戻った白獅子はヒミコと対話を重ねていた。
「さて、貴方の処置だが、どうするべきだろうか」
「その前に、同族がまだ生きていた事に驚きなのだけど?」
「………」
「それに、あの『神殺しの英雄』フヒトだって言うんだもの。お面で隠してもやっぱり分かるわ」
「……それは、とっくに捨てた名前です」
「……まぁ、何千年も生きていれば、そうもなるのかしらね。私は「始まりの神人」の代じゃあないから、貴方ほど生きては無いけれど」
白獅子はヒミコの言葉を遮るように、言葉を紡ぐ。
「ヒミコさん、貴方の処置を決めました。この先、再び『神人』が穢れをまとって現れないとも限りません。可能な限り、神社へ助言してあげてください」
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