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第二章
21 何か既視感
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はう。
学校終わった。
あー……へとへとなり。
気合い入りすぎて疲れちゃったや。
今日も朝からお父さんお母さんと新メニューの話をしたり、鑑定をしながら仕込みとギルドマスターのご飯を大忙しだ。予定では四人の冒険者にそれぞれ一人ずつサポートがつくから8×72食分だ。大変だけど手を抜く訳にはいかない。レンジ君に奉納しつつ手を合わせたらちゃんと効果が付与されてた。効果は食べてから一か月って鑑定で表示されてたから大丈夫だよね。
で、それと並行して朝は店内のPOPやメニューボードの配置を考えたり、目いっぱいお店を綺麗にしたりして。もともとお父さんもお母さんも整理整頓、使ったらすぐに片付ける、が徹底してるからお店はいつもキレイなんだけどね。要は気持ちの問題だ。
んで今朝は学校に行く前に新メニューを一食一食レンジ君に収納して効果を鑑定して、お昼に戻ってきてからはお店の手伝いをしつつ新メニューが売れないことにヤキモキしてさ。
挙句の果てには、ギルドマスターを勝手に心配して大泣きするわ泣き疲れて眠るわ、賄い食べ損ねて学校に遅れて戻って立たされるわ……何なんだ私。へにょ~ん。
……だけど。
だけどだよ?
へこたれてられるかあ!
『荒鷲亭』には絶対負けない……!
『満腹亭』のメニューを劣悪にコピって安く提供する、トーマんちの弱みに付け込んで立ち退きをほのめかす、リルやラルフのお父さんお母さんにヒドいこと言って脅して『荒鷲亭』に引っ張り込む。
それに、どんどんとギルド前商店街のお店に圧力をかけて立ち退かせて、お店を広げていってる。トーマが言ってた。
” 『荒鷲亭』のオーナーはもしかしたら……自分のチェーン店でギルド前商店街の売り上げを独り占めしたいのかもって、父ちゃんと母ちゃんが話してた ”
「そんなん、許せるかあっ!」
「ぎゃあ!」
「に”ゃっ?!」
「わふっ?!」
新しいお店が出来れば人は動く、街は活性化する。それが評判になれば、ギルドを中心に他の街から来た冒険者や商人、旅人達が新たな人々を連れてきて、お金をユクラの町に落としていく。輸出入の仕事をしてたからそのあたりは……んむ?
何か既視感、ってトーマたちじゃん。
顔真っ青だけどどしたんだろ?
何が出た?!
魔王でも出たの?
この怯え方は普通じゃない。でも、アイラちゃんに任せなさい! 私だって試食でパワーとヘルシーランチ両方食べてるんだから!
ステイタスは全然変化ないけど、これはきっと今から私に隠された能力が発動するんだ。
くう、右手が疼いて来たぜ。オッドアイズぅ、力を示せ! 邪眼開放っ……ふはははは! 魔を超える魔、ここに爆誕!
さあ、ジュウべえよ。魔王も魔物も一途でキュートな魔法少女にしておしまいっ!
でも……なんか既視感。
何でしたっけ?
「アイラ、怖い顔して何を叫んでんだよ!」
私かい。
学校終わった。
あー……へとへとなり。
気合い入りすぎて疲れちゃったや。
今日も朝からお父さんお母さんと新メニューの話をしたり、鑑定をしながら仕込みとギルドマスターのご飯を大忙しだ。予定では四人の冒険者にそれぞれ一人ずつサポートがつくから8×72食分だ。大変だけど手を抜く訳にはいかない。レンジ君に奉納しつつ手を合わせたらちゃんと効果が付与されてた。効果は食べてから一か月って鑑定で表示されてたから大丈夫だよね。
で、それと並行して朝は店内のPOPやメニューボードの配置を考えたり、目いっぱいお店を綺麗にしたりして。もともとお父さんもお母さんも整理整頓、使ったらすぐに片付ける、が徹底してるからお店はいつもキレイなんだけどね。要は気持ちの問題だ。
んで今朝は学校に行く前に新メニューを一食一食レンジ君に収納して効果を鑑定して、お昼に戻ってきてからはお店の手伝いをしつつ新メニューが売れないことにヤキモキしてさ。
挙句の果てには、ギルドマスターを勝手に心配して大泣きするわ泣き疲れて眠るわ、賄い食べ損ねて学校に遅れて戻って立たされるわ……何なんだ私。へにょ~ん。
……だけど。
だけどだよ?
へこたれてられるかあ!
『荒鷲亭』には絶対負けない……!
『満腹亭』のメニューを劣悪にコピって安く提供する、トーマんちの弱みに付け込んで立ち退きをほのめかす、リルやラルフのお父さんお母さんにヒドいこと言って脅して『荒鷲亭』に引っ張り込む。
それに、どんどんとギルド前商店街のお店に圧力をかけて立ち退かせて、お店を広げていってる。トーマが言ってた。
” 『荒鷲亭』のオーナーはもしかしたら……自分のチェーン店でギルド前商店街の売り上げを独り占めしたいのかもって、父ちゃんと母ちゃんが話してた ”
「そんなん、許せるかあっ!」
「ぎゃあ!」
「に”ゃっ?!」
「わふっ?!」
新しいお店が出来れば人は動く、街は活性化する。それが評判になれば、ギルドを中心に他の街から来た冒険者や商人、旅人達が新たな人々を連れてきて、お金をユクラの町に落としていく。輸出入の仕事をしてたからそのあたりは……んむ?
何か既視感、ってトーマたちじゃん。
顔真っ青だけどどしたんだろ?
何が出た?!
魔王でも出たの?
この怯え方は普通じゃない。でも、アイラちゃんに任せなさい! 私だって試食でパワーとヘルシーランチ両方食べてるんだから!
ステイタスは全然変化ないけど、これはきっと今から私に隠された能力が発動するんだ。
くう、右手が疼いて来たぜ。オッドアイズぅ、力を示せ! 邪眼開放っ……ふはははは! 魔を超える魔、ここに爆誕!
さあ、ジュウべえよ。魔王も魔物も一途でキュートな魔法少女にしておしまいっ!
でも……なんか既視感。
何でしたっけ?
「アイラ、怖い顔して何を叫んでんだよ!」
私かい。
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