230 / 292
episode 7
私達の答え
しおりを挟む
知りたいか知りたくないか。
その二択であれば知りたい。
けれどなかには、知らなくていいい事というのは必ず存在するものだ。
私がそうであったように、お互いの事だけを想っていたということは、ちゃんとわかる。
その柴垣くんが私を不安にさせるような事をしているはずが無い。
「もう少ししたらちゃんと話すな?」
「うん。大丈夫」
たぶん柴垣くんは、今まさに変わろうとしている竹下さんの過去の悪事を、今はまだ私の耳に入れたくないんだろうと思う。
きっと全てを懐かしむほどの過去になった時、彼はちゃんと私に話してくれるだろうから。
今の私はそれを不安なく待てる。
「ねぇ、柴垣くん。一体いつから私のこと見ててくれたの?」
柴垣くんが私を想ってくれてたなんて考えもしなかった。
そんなきっかけさえも身に覚えがなくて、恥ずかしいけれど恐る恐る聞いてみた。
「そんなの…最初からだよ。初めて会った時から」
「えええっ!?」
柴垣くんの答えは意外すぎて。
驚きのあまり声後裏返ってしまった。
「なんだよ、その嫌そうな驚きは。一目惚れなめんなよ。コロッと簡単に落ちて、もうすぐ6年だ」
「……ウソみたい」
だって柴垣くんは入社した時から冷たくて。
私にこれっぽっちも優しくなかった。
おまけに『お前は男をダメにする女だ』と断言されてしまうし。
私は本当に柴垣くんの事が怖くて苦手だったんだから。
その二択であれば知りたい。
けれどなかには、知らなくていいい事というのは必ず存在するものだ。
私がそうであったように、お互いの事だけを想っていたということは、ちゃんとわかる。
その柴垣くんが私を不安にさせるような事をしているはずが無い。
「もう少ししたらちゃんと話すな?」
「うん。大丈夫」
たぶん柴垣くんは、今まさに変わろうとしている竹下さんの過去の悪事を、今はまだ私の耳に入れたくないんだろうと思う。
きっと全てを懐かしむほどの過去になった時、彼はちゃんと私に話してくれるだろうから。
今の私はそれを不安なく待てる。
「ねぇ、柴垣くん。一体いつから私のこと見ててくれたの?」
柴垣くんが私を想ってくれてたなんて考えもしなかった。
そんなきっかけさえも身に覚えがなくて、恥ずかしいけれど恐る恐る聞いてみた。
「そんなの…最初からだよ。初めて会った時から」
「えええっ!?」
柴垣くんの答えは意外すぎて。
驚きのあまり声後裏返ってしまった。
「なんだよ、その嫌そうな驚きは。一目惚れなめんなよ。コロッと簡単に落ちて、もうすぐ6年だ」
「……ウソみたい」
だって柴垣くんは入社した時から冷たくて。
私にこれっぽっちも優しくなかった。
おまけに『お前は男をダメにする女だ』と断言されてしまうし。
私は本当に柴垣くんの事が怖くて苦手だったんだから。
0
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
数合わせから始まる俺様の独占欲
日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。
見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。
そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。
正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。
しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。
彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。
仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。
Perverse second
伊吹美香
恋愛
人生、なんの不自由もなく、のらりくらりと生きてきた。
大学三年生の就活で彼女に出会うまでは。
彼女と出会って俺の人生は大きく変化していった。
彼女と結ばれた今、やっと冷静に俺の長かった六年間を振り返ることができる……。
柴垣義人×三崎結菜
ヤキモキした二人の、もう一つの物語……。
溺婚
明日葉
恋愛
香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。
以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。
イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。
「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。
何がどうしてこうなった?
平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました
藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。
次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。
好きな人の好きな人
ぽぽ
恋愛
"私には何年も思い続ける初恋相手がいる。"
初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。
恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。
そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。
先輩、お久しぶりです
吉生伊織
恋愛
若宮千春 大手不動産会社
秘書課
×
藤井昂良 大手不動産会社
経営企画本部
『陵介とデキてたんなら俺も邪魔してたよな。
もうこれからは誘わないし、誘ってこないでくれ』
大学生の時に起きたちょっとした誤解で、先輩への片想いはあっけなく終わってしまった。
誤解を解きたくて探し回っていたが見つけられず、そのまま音信不通に。
もう会うことは叶わないと思っていた数年後、社会人になってから偶然再会。
――それも同じ会社で働いていた!?
音信不通になるほど嫌われていたはずなのに、徐々に距離が縮む二人。
打ち解けあっていくうちに、先輩は徐々に甘くなっていき……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる