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番外編
お片付けは後で……
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テーブル横に置いていたトレイに大きなお皿を重ねていく。
ここに来たばかりの頃はお皿なんてオーソドックスな平皿が二種類くらいしかなかった。
朝ごはんは何とかなっても晩御飯はそれだけでは足りないと、私の家から持ってきたり買い足したものだ。
グラスも全然揃ってなくて、とりあえず感じの良いものを買い揃えた。
それは全て私が柴垣くんの家に合うようにと選んだもので、結局は私好み。
いつのまにか柴垣くんの空間は、私の色に染まってきた。
それでも彼は私の色が心地いいと言ってくれる。
それはきっと、私の家が柴垣くんの色になってきて、彼に包まれている気がして安心している私と同じ心理なのかも知れない。
何度かトレイでキッチンとリビングを往復すると、テーブルの上はすっかり綺麗になった。
布巾で丁寧にテーブルを拭きクッションをソファに戻すと、リビングは日常を取り戻す。
「よし……と」
キッチンでお皿に残ったものを処分して、スポンジに洗剤を付けて泡立てているとき、玄関からバタンと玄関の閉まる音が聞こえた。
「ただいま」
「おかえりなさい」
こうやって柴垣くんを迎えるのも、すっかり慣れて今では安心するほどになった。
この幸せな気持ちは言葉にならない。
「陸のやろう……散々迷惑かけたくせにアッサリ一人でかえりやがった」
「そんなに上原くんの彼女、怖いの?」
「陸の性格からして、締めてねぇと何処までも図に乗るから敢えてそうしてるんだと思うけどな」
「なるほど」
確かに上原くんを野放しにしたら、とんでもないことをしでかしそうだ。
ここに来たばかりの頃はお皿なんてオーソドックスな平皿が二種類くらいしかなかった。
朝ごはんは何とかなっても晩御飯はそれだけでは足りないと、私の家から持ってきたり買い足したものだ。
グラスも全然揃ってなくて、とりあえず感じの良いものを買い揃えた。
それは全て私が柴垣くんの家に合うようにと選んだもので、結局は私好み。
いつのまにか柴垣くんの空間は、私の色に染まってきた。
それでも彼は私の色が心地いいと言ってくれる。
それはきっと、私の家が柴垣くんの色になってきて、彼に包まれている気がして安心している私と同じ心理なのかも知れない。
何度かトレイでキッチンとリビングを往復すると、テーブルの上はすっかり綺麗になった。
布巾で丁寧にテーブルを拭きクッションをソファに戻すと、リビングは日常を取り戻す。
「よし……と」
キッチンでお皿に残ったものを処分して、スポンジに洗剤を付けて泡立てているとき、玄関からバタンと玄関の閉まる音が聞こえた。
「ただいま」
「おかえりなさい」
こうやって柴垣くんを迎えるのも、すっかり慣れて今では安心するほどになった。
この幸せな気持ちは言葉にならない。
「陸のやろう……散々迷惑かけたくせにアッサリ一人でかえりやがった」
「そんなに上原くんの彼女、怖いの?」
「陸の性格からして、締めてねぇと何処までも図に乗るから敢えてそうしてるんだと思うけどな」
「なるほど」
確かに上原くんを野放しにしたら、とんでもないことをしでかしそうだ。
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