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episode 1
戻ってきた男
しおりを挟む「ではでは…柴垣くんの本社帰還を祝して…かんぱーーい!」
「「かんぱーーーい!!」」
ガシャガシャとグラスが音を立てて合わさり、柴垣くんの歓迎会がスタートした。
営業職というものは時間の都合がつけにくく、少し遅めの時間からのスタートとなっただけに、みんな最初から食事やお酒のピッチが早い。
開始30分で既に大騒ぎとなり、わらわらと席を移動し始めると、私の左隣を固めてくれていた沙耶ちゃんがお酌に呼ばれ。
その隙間に、ありがたいのか何なのか。
私に代わる代わるお酌をしに来てくれる男性陣。
それに合わせて必然的に私の酒量も増えていく。
気付けばいつの間にか私の横には津田さんが収まっていて、
「お前ら、あんまり三崎に呑ませるなよなー」
と言いながら追い払ってくれていた。
「結菜、気付いてる?」
楓が私の耳元で声を潜める。
「何が? 」
「津田さん。結菜の周りでワイワイ騒いでる男共と違って本気だよ、きっと」
「本気?何に?」
「あんたに決まってんでしょ!」
思いもよらない楓の言葉に、私は一瞬固まってしまった。
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