Perverse

伊吹美香

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episode 2

溢れる想い

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「結菜と柴垣くんが付き合ってて、柴垣くんが結菜のマンションに通いつめてるって話。聞いたことない?」



そんな噂、聞いたことなんてあるもんか。



当事者を置いてきぼりにして、どうしてそんな噂が立ってしまっているの?



柴垣くんは1度もうちに上がったことなんてないのに。



「…あ」



心当たりはあるものの、そうであるならばどう解釈したらいいのだろう。



「あのね、その話、誤解なんだけど一部は事実なの」



楓はグルリと周りを見渡す。



同じ課の人達は1人も戻っておらず、同フロアにも数人いる程度で私たちの会話が届く距離ではない。



それを確認すると楓は声を抑えて、



「どういうこと?」



と眉を潜めた。



「柴垣くんと一緒に帰ってるのは本当なの」



「ええっ!?」



思わず大声が出そうになったのか、目を丸くし口を大きくあけて停止すると、グッと堪えて小声で驚いた。



「一度帰りが一緒になった時にね、マンションが隣同士だって知ったの。だから時間が合うと家まで一緒になっちゃう」



そう説明すると『そうだったのね』と楓は納得したようだったが。
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