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第13話 第五章 思わぬ邂逅①
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「ハックション」
黒羽の盛大なくしゃみに彩希は驚き、タオルを手渡した。
「ちょっと、大丈夫なの?」
「あ、ああ。昨日、川に落ちたせいかな。ちょっと、風邪っぽいかもしれない」
「だったら、今日くらい休めば」
「それは、無理だ。来週の祭りに使う食材が、まだ全部決まってない。今から町へ行って、食材をチェックしたら、今度はギルドの依頼をこなす予定だ」
身を乗り出し、真剣な眼差しになる彩希に、黒羽は大慌てで両手を振った。
「ああ、違うよ。ギルドの依頼って言っても、別に代弁者がらみの依頼じゃないんだ。森の奥にある花を採取するんだよ。成功したら、希少なイカを沢山譲ってくれるらしくてさ、それを祭りに使う」
「へえ、そう」
ふてくされたように、ベッドに横たわる彩希に黒羽は少し不満げな表情を浮かべる。
「おい、目に見えて興味を失うなよ。お前だって、喫茶店アナザーの一員なんだから、ちょっとくらい喜べよ」
彩希は、寝返りを打つ要領で黒羽に背を向ける。人差し指で、艶やかな髪をいじりながら、彼女はポツリと呟く。
「私、体が弱ってるんだから。ちょっとくらい看病してくれて良いじゃない。自分も弱ってるんだから、休みなさいよ。フーンだ」
本人としては、聞こえないように気を付けたつもりだろうが、黒羽はあいにく耳が良い。黒羽はバッグから体温計を取り出すと、彼女に手渡した。
「何?」
「熱がないか測れよ。出発まで少し時間があるから、それまで看病するよ」
普段あまり照れることのない彩希が、顔を真っ赤にして俯いた。初々しい姿に、黒羽は微笑ましさを感じると同時に、少し体温が上がった気がした。
「き、聞こえてたの」
「フン。俺は、ウロボロスを使わなくても、五感はそこそこ鋭いぞ」
彩希は顔を両手で包み隠したかと思うと、急に威張ったような様子に変わり、偉そうに
「じゃあ、お願いするわ。せいぜい看病なさい」
と命じた。
「お任せください、お嬢様。では、激ウマの病人食でも作ってきますよ」
黒羽は仰々しく頭を下げてから、厨房へ向かった。
「ヘヘヘ、やったわ」
彩希は、嬉しそうな表情を隠すように、枕に顔を押しつけた。
一方その頃、別の宿で死人のように眠っていたニコロは、勢いよくベッドから跳ね起きると、盛大なくしゃみをした。
「へ、ヘエエエクション。だあ、もう。絶対風邪引いたよ。あのアホが、踏ん張れなかったせいだ」
不機嫌にベッドから降りると、身支度もそこそこに一階の食堂兼酒場に向かう。
「君、食事をくれないか。大目にチップをあげるから、早めにね」
ウエイトレスの胸元に、紙幣をねじりこみ席に座る。
この宿屋は、プリウの中でも一位、二位を争うほどの高級宿屋だ。他の一般的な宿とは一線を画すサービスが客をもてなし、料理も最上級のものばかり。……しかし、昨日食べた黒羽の料理のせいだろう。運ばれてきた料理を食べても、急にランクの下がったものに感じた。
(……なんか、足りねえんだよな。クソ、俺が野郎の作った料理にこれほど美味いと感じちまうとはな)
悔しげに料理をかきこむと、槍を背負い宿を後にした。黒羽と落ち合うことになっているギルドへ向かいつつ、彼は道行く女性に視線を向ける。
旦那と楽しげに話す主婦。
無邪気に友達と会話する若い女性。
理性的に見える女性店員。
どの女性も素晴らしい。見ているだけで、頬がにやけ、口説きたくなる。だが、彩希のことが頭に掠めると、行動に移す気にはならなかった。
(ハア、料理はあの野郎。心は麗しきお姫様。どれだけ俺を乱せば気が済むんだ、あのコンビは)
頭を掻き、思考を切り替えた。
顔は自然と引き締まり、周りの人々を油断なく観察する。
――代弁者。ニコロにとって、命を賭けても殺さなければならない仇だ。狂っているが、馬鹿ではない。むしろ、ずば抜けて頭が良い。
それは、代弁者が引き起こしたと思わしき事件を調べれば誰でも分かることだ。
情がなく、およそ人らしさを感じさせないあの男を追うと、必ずといっていいほど、『バーラスカ』と『ウロボロス』の二つが浮き彫りになる。
(ヤツのせいで、どれだけのドラゴンと人が不幸になったか)
考えただけで、虫唾が走る。ヤツはこの世界に居て良い存在ではない。悪鬼なのだ。
今もどこかで蠢き、良からぬことを考えているに違いない。
「キャ!」
女性が怖がってニコロを避けた。彼はハッとし、後悔する。女性を怖がらせるとは何事か。代弁者のことを考えると、いつも殺気が噴き出す。コレは悪い癖だ。
胸いっぱいに潮風を吸い、涼やかな風景に意識を向ける。
――魚を焼く匂い、穏やかな日差し、揺れる木々。
心を落ち着かせたい時は、決まって周りを見渡すのが、彼なりのルールだ。
頭が冷え、口元にいつもの軽薄そうな笑みが浮かんだ時、ギルド前に到着した。
※
黒羽は、すでにギルド前で待っていた。
「よう」
「来たか。さっそくで悪いが、依頼を片付けに行くぞ」
「えっと、何を受けるっていったっけか?」
頬を掻くニコロに、黒羽は一枚の用紙を差し出す。やれやれと言った様子で、黒羽は町の入り口へ向かった。
「昨日の今日でもう忘れたのか? 花の採取だよ」
「うっせーな、わーってるよ。その花は、豊潤の森の奥地にあるって話だ。『フレイム』つってな。名前の通り炎のような花びらで、見た者に情熱を感じさせてくれるって言われてんだ。花言葉は、「魂の一片まで燃ゆる・熱愛・情愛」だ」
「……え?」
あまりの博識ぶりに戸惑う黒羽だったが、
「花のことなら俺は誰よりも詳しいぜ。女にもてる」
妙に納得してしまった。
「まあ、詳しいなら何よりだ。早く行こう」
黒羽は、ギルドから馬を一頭借りると、ニコロと共に町を出る。
「よっと」
馬を走らせ、みるみる景色が後方へ流れていく。
良い調子だ、と黒羽が喜ぶのも束の間だった。
「おっせーな」
ニコロに愚痴を言われ、黒羽の気分は急下降する。
最近、乗馬の練習をし始めたが、お世辞にもまだ上手とは言えない。ましてや、ニコロの操る馬はペガサスである。馬そのものの、早さも違う。
「仕方がないだろう。一流の冒険者なら、気を利かせてくれないか」
「冗談じゃねえ。彩希ちゃんなら喜んで。でも、あんた相手だったら、むしろスピードを速める」
言うや否や、ニコロは加速し、あっという間に遠ざかっていく。黒羽は頭痛を堪えれるように手を額に当てると、馬に早く進むように指示を出した。
プリウの周辺は、街道を外れれば荒野ばかりが広がっている。見通しが良く、馬上から感じる風は、普段よりも涼やかに感じた。
(ニコロがいるから鍵は使えないけど、すぐに着くだろう)
前回、空を飛んできた黒羽は、失念していた。豊潤の森は、馬で行くとそれなりに遠い場所にあるのだ。
「フゥ、やっと、追いついた」
森の入り口で退屈そうに待っていたニコロの姿を発見したのは、馴れぬ馬術に疲れ、太陽が高く昇った頃であった。
汗で全身が濡れ、膝の内側辺りの皮が多少剥がれてしまった。正直、今すぐ宿に引き返して休みたい気分だ。
黒羽の盛大なくしゃみに彩希は驚き、タオルを手渡した。
「ちょっと、大丈夫なの?」
「あ、ああ。昨日、川に落ちたせいかな。ちょっと、風邪っぽいかもしれない」
「だったら、今日くらい休めば」
「それは、無理だ。来週の祭りに使う食材が、まだ全部決まってない。今から町へ行って、食材をチェックしたら、今度はギルドの依頼をこなす予定だ」
身を乗り出し、真剣な眼差しになる彩希に、黒羽は大慌てで両手を振った。
「ああ、違うよ。ギルドの依頼って言っても、別に代弁者がらみの依頼じゃないんだ。森の奥にある花を採取するんだよ。成功したら、希少なイカを沢山譲ってくれるらしくてさ、それを祭りに使う」
「へえ、そう」
ふてくされたように、ベッドに横たわる彩希に黒羽は少し不満げな表情を浮かべる。
「おい、目に見えて興味を失うなよ。お前だって、喫茶店アナザーの一員なんだから、ちょっとくらい喜べよ」
彩希は、寝返りを打つ要領で黒羽に背を向ける。人差し指で、艶やかな髪をいじりながら、彼女はポツリと呟く。
「私、体が弱ってるんだから。ちょっとくらい看病してくれて良いじゃない。自分も弱ってるんだから、休みなさいよ。フーンだ」
本人としては、聞こえないように気を付けたつもりだろうが、黒羽はあいにく耳が良い。黒羽はバッグから体温計を取り出すと、彼女に手渡した。
「何?」
「熱がないか測れよ。出発まで少し時間があるから、それまで看病するよ」
普段あまり照れることのない彩希が、顔を真っ赤にして俯いた。初々しい姿に、黒羽は微笑ましさを感じると同時に、少し体温が上がった気がした。
「き、聞こえてたの」
「フン。俺は、ウロボロスを使わなくても、五感はそこそこ鋭いぞ」
彩希は顔を両手で包み隠したかと思うと、急に威張ったような様子に変わり、偉そうに
「じゃあ、お願いするわ。せいぜい看病なさい」
と命じた。
「お任せください、お嬢様。では、激ウマの病人食でも作ってきますよ」
黒羽は仰々しく頭を下げてから、厨房へ向かった。
「ヘヘヘ、やったわ」
彩希は、嬉しそうな表情を隠すように、枕に顔を押しつけた。
一方その頃、別の宿で死人のように眠っていたニコロは、勢いよくベッドから跳ね起きると、盛大なくしゃみをした。
「へ、ヘエエエクション。だあ、もう。絶対風邪引いたよ。あのアホが、踏ん張れなかったせいだ」
不機嫌にベッドから降りると、身支度もそこそこに一階の食堂兼酒場に向かう。
「君、食事をくれないか。大目にチップをあげるから、早めにね」
ウエイトレスの胸元に、紙幣をねじりこみ席に座る。
この宿屋は、プリウの中でも一位、二位を争うほどの高級宿屋だ。他の一般的な宿とは一線を画すサービスが客をもてなし、料理も最上級のものばかり。……しかし、昨日食べた黒羽の料理のせいだろう。運ばれてきた料理を食べても、急にランクの下がったものに感じた。
(……なんか、足りねえんだよな。クソ、俺が野郎の作った料理にこれほど美味いと感じちまうとはな)
悔しげに料理をかきこむと、槍を背負い宿を後にした。黒羽と落ち合うことになっているギルドへ向かいつつ、彼は道行く女性に視線を向ける。
旦那と楽しげに話す主婦。
無邪気に友達と会話する若い女性。
理性的に見える女性店員。
どの女性も素晴らしい。見ているだけで、頬がにやけ、口説きたくなる。だが、彩希のことが頭に掠めると、行動に移す気にはならなかった。
(ハア、料理はあの野郎。心は麗しきお姫様。どれだけ俺を乱せば気が済むんだ、あのコンビは)
頭を掻き、思考を切り替えた。
顔は自然と引き締まり、周りの人々を油断なく観察する。
――代弁者。ニコロにとって、命を賭けても殺さなければならない仇だ。狂っているが、馬鹿ではない。むしろ、ずば抜けて頭が良い。
それは、代弁者が引き起こしたと思わしき事件を調べれば誰でも分かることだ。
情がなく、およそ人らしさを感じさせないあの男を追うと、必ずといっていいほど、『バーラスカ』と『ウロボロス』の二つが浮き彫りになる。
(ヤツのせいで、どれだけのドラゴンと人が不幸になったか)
考えただけで、虫唾が走る。ヤツはこの世界に居て良い存在ではない。悪鬼なのだ。
今もどこかで蠢き、良からぬことを考えているに違いない。
「キャ!」
女性が怖がってニコロを避けた。彼はハッとし、後悔する。女性を怖がらせるとは何事か。代弁者のことを考えると、いつも殺気が噴き出す。コレは悪い癖だ。
胸いっぱいに潮風を吸い、涼やかな風景に意識を向ける。
――魚を焼く匂い、穏やかな日差し、揺れる木々。
心を落ち着かせたい時は、決まって周りを見渡すのが、彼なりのルールだ。
頭が冷え、口元にいつもの軽薄そうな笑みが浮かんだ時、ギルド前に到着した。
※
黒羽は、すでにギルド前で待っていた。
「よう」
「来たか。さっそくで悪いが、依頼を片付けに行くぞ」
「えっと、何を受けるっていったっけか?」
頬を掻くニコロに、黒羽は一枚の用紙を差し出す。やれやれと言った様子で、黒羽は町の入り口へ向かった。
「昨日の今日でもう忘れたのか? 花の採取だよ」
「うっせーな、わーってるよ。その花は、豊潤の森の奥地にあるって話だ。『フレイム』つってな。名前の通り炎のような花びらで、見た者に情熱を感じさせてくれるって言われてんだ。花言葉は、「魂の一片まで燃ゆる・熱愛・情愛」だ」
「……え?」
あまりの博識ぶりに戸惑う黒羽だったが、
「花のことなら俺は誰よりも詳しいぜ。女にもてる」
妙に納得してしまった。
「まあ、詳しいなら何よりだ。早く行こう」
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「よっと」
馬を走らせ、みるみる景色が後方へ流れていく。
良い調子だ、と黒羽が喜ぶのも束の間だった。
「おっせーな」
ニコロに愚痴を言われ、黒羽の気分は急下降する。
最近、乗馬の練習をし始めたが、お世辞にもまだ上手とは言えない。ましてや、ニコロの操る馬はペガサスである。馬そのものの、早さも違う。
「仕方がないだろう。一流の冒険者なら、気を利かせてくれないか」
「冗談じゃねえ。彩希ちゃんなら喜んで。でも、あんた相手だったら、むしろスピードを速める」
言うや否や、ニコロは加速し、あっという間に遠ざかっていく。黒羽は頭痛を堪えれるように手を額に当てると、馬に早く進むように指示を出した。
プリウの周辺は、街道を外れれば荒野ばかりが広がっている。見通しが良く、馬上から感じる風は、普段よりも涼やかに感じた。
(ニコロがいるから鍵は使えないけど、すぐに着くだろう)
前回、空を飛んできた黒羽は、失念していた。豊潤の森は、馬で行くとそれなりに遠い場所にあるのだ。
「フゥ、やっと、追いついた」
森の入り口で退屈そうに待っていたニコロの姿を発見したのは、馴れぬ馬術に疲れ、太陽が高く昇った頃であった。
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