金盞花の光

鳥崎蒼生

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佐々木裕子

温もり

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気が付くと裕子は白い霧の中に立っていた。
ホワを探してこの森に入って、光に包まれた事は覚えているが、記憶が半分かけていた。
確か、カフェのような場所にいたような気がするが・・・
ただ、ホワに会ったという感覚が、指先に残っている。
そして、もうホワがこの世にいないことも確信していた。
その事に胸が痛み、温もりの残る指を握ってしばらくその霧の中で涙を流した。
どんなにホワに会えたとしても、後悔は薄まらない。
ただホワが私といて幸せだったと聞けたことは、嬉しかった。
私にとってホワはただの鳥ではない。
癒しであり、幸せであり、大切な存在だった。
他に代わりはいない。
だからこそ、こんなにも胸が締め付けられる。
これから時が経っても、きっとホワを思い出せばつらくなるだろう。
もっと幸せにしてあげたかった。
もっと長く一緒にいたかった。
空のカゴを出すことが出来ない。
お気に入りのおもちゃも当分は見ることもできない。
それでも、私は生きていかなければならない。
今いるグリの為にも。
ホワと過ごした時間を、いつか辛いことだけじゃなく、楽しかったことを思い出せるようになるためにも。
裕子は膝に力を入れて立ち上がると涙をぬぐった。
二度と同じ過ちは繰り返さない。
ホワは見えなくてもきっと私たちを見てくれている。
ただの気休めかもしれない。
それでもホワが私の傍に存在していたことは確かだ。
どんなに辛くても、自分がやったことに自責の念を持ってでも生きていかなければならない。
そう思ったら、ここにいてはいけない気がした。
ホワの分までグリを大切にしよう。
裕子は躊躇なく前へ足を踏み出した。

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