黄仁の花灯り

鳥崎蒼生

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秘密

第1章 5-5

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宇航ユーハンが朱有を出て2ヶ月、申月にある中秋節の準備なども相まって、帰るのに手間取ってしまった。
皇帝に謁見し、事の次第を伝えると、皇帝の庇護下に置く方が良いのではないかという話もされたが、まだ桜綾オウリンの力が分からない事や、鳳凰についても調査が必要であること、朱雀神からの神託だったことや、緊急を要する事態で朱家の養女になったことを考慮されて、朱家で預かる事を許可された。報告が遅れたことにはお叱りを受けたが、罰は受けずに済んだ。
ただし、20歳を過ぎたら、桜綾の拠点を黄有に移すことが条件だ。
それはかまわないが、桜綾については周りに疑惑が多すぎる。
鳳家の没落に続き、琳家の没落、蘭花ランファの死。そして鳳凰の巫女。
鳳凰については、皇帝の許可を経て書庫を調べてみた物の、500年という月日が邪魔をして、詳しくは分からなかった。
ただ500年程前、神の対戦時に鳳凰は確かに存在した。5神と共にその名も記されてはいたが、その後のことは何一つ、記されておらず、巫女のその後や鳳家についても何も得られなかった。
こうなったら、鳳家の没落原因の調査や生き残りを探す方がいい。だが時間がかかるだろう。
鳳家、琳家を含めた調査を大理司と朱家の調司に託すことにした。
中秋節は黄仁でも大きな祭典のため、皇居での催し物の手配や、警備の支持、後宮への贈り物や当日の料理の手配などを済ませた。
全てに目処が付いて、帰りの朱璃に付いた頃にはもう2ヶ月も発っていた。
黄有への往き道で桜綾の負傷と文葉からの手紙の話は伝書で受け取っていた。すぐにでも引き返したかったが、そうもいかず、帰りも遅くなった。伝書では無事に回復しているとの事だったが、自分の目で確認しないことには、落ち着かない。
一刻も早く、朱有へ戻りたいが馬も生き物だ。休ませなくてはならない。
文葉には莫氏の方から罰してもらうように頼んだが、どうにも腹の虫が治らない。
それでも、これ以上宇航が関わることは出来ない。罰は下したのだ。
莫家で何か起きても、後は莫氏に任せるしかない。
もう何も起きないといいが・・・と思っていた矢先に、緊急の伝書が届いた。



1ヶ月半程、手を癒やしている間に石鹸の在庫は増えて、壺に至っては、もう売り出しが始まった。
師匠が暇なときに作っていた立水巾棒もついでに、商品化された。
立水巾棒は商家や屋敷を持つ貴族様方に好評で追加注文を受けている。
まだ専用の工房がないので、師匠と然周様が紹介した別の工房で作って売っている。
1本5銅丸で、専用の雑巾は50丁。まぁ、雑巾は各屋敷で作れば買う必要もないが・・・。
コック付きの陶器は、食堂や酒場を中心に売れ始めている様だが、まだ一般に浸透するには時間がかかる。
コックの付いていない、蓋だけの物も売り始めているが、こちらはどうもそれを使う利点が分からず、売り上げは伸びていない。
元々、保管用の物は、木を甕や壺の上に載せるか、木をコルクの様にして蓋をするのが主流だ。それにスクリューが付いたからと言って、どう違うのか、ここの人は分からない。スクリューが付いている分、液漏れもなく水分を運べるという事、空気に触れづらくなった分、劣化も遅くなること。それに、多少の匂いなら防げること。
それを実践販売する事を提案しておいた。後は商売人の腕次第だ。
コック付きの物は、値段も小さい物なら10銅丸、大きい甕でも80銅丸に設定し、ついてない物は筒型で、小さい物は1銅丸、大きい物は10銅丸で、なるべく手が出しやすいようにした。
私はやっと医者から許可が出た後、固定が外され左手を使えるようになってからも、数日は関節が固まって、動かしづらかった。今も皮膚が引きつった様な感覚はあるが痛みはない。
傷は・・・やっぱり残ってしまった。5㎝ほどの傷だが、皮膚が盛り上がって、跡になってしまっている。
今更、これぐらいの傷を気にする必要もないが。
私には背中にも足にも大きな傷跡がある。背中に関しては自分で見られない分マシだが、足の傷は自分が見ても醜い。
背中の傷は鏡で1度だけ見たが、更に大きいのできっと嫁には行けないだろう。
それでも私には発明がある。自分で稼いで食べていければ、それでいいと今は思っている。
左手が良くなった事もあるが、工房も落ち着いてきたので、私は鉛筆を作る事にした。
当初は忙しくて、自分で作ろうと思っていたが、落ち着いた今なら、師匠に木の加工をお願いしてもいいかなと思う。
「桜綾、俺に用か?」
灯鈴トウリンに頼んで、師匠を呼んでもらったら、間も置かずにやってきた。手が空いていたのだろう。
「師匠、新しい物、作りたくない?」
頭を搔いていた手が止まり、私の顔を凝視する。
「おま・・・お前、次から次へと・・・まぁいい。で、どんなもんなんだ?」
文句を言いつつも、師匠も好奇心には勝てないらしい。
「墨を使わずに、字が書けたら・・・どう?」
「墨を使わずに、何を使うんだよ。」
「だから、それを作るのよ。題して鉛筆よ。」
私は事前に描いておいた図面を師匠に見せる。
「これは・・・これで字が書けると?いや信じない訳じゃないが・・・で、俺はこの木の部分を作ればいいのか?」
さすが師匠、話が早い。
「芯の部分は試さないと分量が難しいから、私が作るとして、この木の部分、作れる?」
「簡単な構造だから、すぐに出来そうだが・・・木の材質はどうする?」
「ふふふ!用意済み。この桐でどうかな?軽いし加工しやすい。」
「まさか・・・あの時の買い物ってこれを買いに行ってたのか?」
「うん。」
師匠は大きなため息をつく。
「取りあえず、試作を作って持ってくるから、そこからまた改良しよう。木はもらっていくぞ。」
束ねてあった桐を抱えると、師匠が去って行く。
私はそれを見送って、粘土と墨を持って工房へ向かった。
炎珠も跡を付いてくる。あの事件があってから、部屋から出るときは、必ずと言って良いほど炎珠が付いてくる。
炎珠が所用でいない時には灯鈴が。
「これをどうするのですか?」
炎珠が粘土と墨を出して、不思議そうに眺める。粘土は濡れた布で包み、渇かないように頼んでおいたので、状態は思っていたよりは良さそうだ。
「炎珠、この墨を1本ここに削ってくれる?」
乳鉢を差し出して、お願いする。
「これを削るんですか?ここに?まぁいいですけど」
そう言って椅子に座ると、墨を削り始めた。
私はその間に粘土を小さくちぎって、水を混ぜながらこねる。
それを何個か作った後、それに濡れた布をかぶせて渇かないようにしておく。
炎珠に削ってもらった墨をすり潰し、できるだけ細かくする。分量をメモしながら、それを粘土に混ぜ、5本、棒状に形を整える。
それを渇かして、色の濃さを調整する為だ。色の調整が出来たら、師匠が作ってくれるであろう細工木の中に埋め込む。
これもまた渇かすために時間が必要だ。
「桜綾、これでいいか?」
粘土を渇かし始めた頃、師匠が木の加工を済ませて持ってきた。
思ったよりも太かったので、師匠に人差し指くらいにして欲しいと頼むと、その場で削り始めた。
綺麗に削れていく木を見るのは、とても気持ちがいい。
あっという間に望む細さまで、削れてしまった。それを小さな鉈で半分に割る。本来の細さよりも、かなり太いけど、これを鉈で半分に割るのも難しいのに、あれより細くしては、上手く割れないだろう。
割った木に溝を掘り、粘土を隙間なく入れる。
ここまでは順調だ。試しに一番濃い墨粘土をそれに詰めて、余分な粘土を拭き取り、渇かしてみる。
後は待つだけだ。取りあえず手と顔を洗い、灯鈴に用意してもらったお茶で一息つく。
鈴明は帳簿付けで忙しく、今日は顔を見ていない。
灯鈴に頼んで、鈴明にお菓子とお茶を運んでもらった。私は外の机で菓子を頬張る。
(今度、菓子でも作って見るかな・・・)
清々しい風と花の淡い香りがする。心地のいい時間。口には甘いお菓子。幸せ感じる時間だ。
「作っていて、なんとなく想像は付いたが、あれで本当に字が書けるのか?」
同じく横で菓子を食べている師匠が、口から菓子をこぼしながら私に聞く。
「飲み込んでから話してよ。墨よりは薄いし、大切な文書には使えないけど、私の図面を描くには役立つし、保管が必要ない物とか、すぐに捨てるような走り書き程度の物には便利なの。だって硯要らないし、墨を摺らなくていいし。あれ1本なら持ち運びも楽でしょ?」
「まぁ完成してみないことには、始まらないか。で、細くした木はどれくらい作る?」
「商品化するか分からないし、取りあえずは5本くらい?」
お茶を流し込み、そう答えると、
「あれは商品じゃないのか?」
と聞いてくる。
「いやいや、そんなに一度に商品作ってたら、皆の体が持たないし、今ない物をいきなり出し過ぎてもどうかと・・・」
「ないからこそ、売れるんだろうが!それに便利ならいいじゃないか。」
そうなんだけど・・・文明が一気に、しかも自分が変えることに抵抗がある。
確かに、過去に転生した訳ではないから、歴史を変えるとかの心配はないのだけれど、このまま発明を続けることで、悪影響を及ぼさないかと心配になる。
「とにかく、完成してから考える。失敗するかも知れないしね。」
話を濁すしかない。近々,師匠や鈴明にも私の秘密を打ち明けたいと思っている。
そうすれば、私の気持ちも少しは理解してもらえるかも知れない。
今まで話せなかったのは、嫌われたり、怖がられたりすることが嫌だったからだ。
唯一、私の居場所を作ってくれた人達だからこそ言えなかったが、宇航様に話したことで話す事は悪い事ばかりじゃないと知った。
近くて、なくしたくない人だからこそ、信頼して話すべきだと今は思う。
一旦、仕事を落ち着かせるためにも、鉛筆の商品化はもう少し伸ばしたい。
菓子もなくなり、そろそろ各自の部屋へ戻ろうと思っていたとき、伝書が届いた。
(宇航様かな?)
そう思いつつ、鳩の足から手紙を取って放す。
見たことない鳩だった気がするけど・・・
小さく丸められたその紙を開く。
「そちらに使者を送った。その者から話を聞いて欲しい。論・洞雁」
論・洞雁ドウガン春燕シュンエンの父だ。
どうせ、言うことは分かっている。娘を助けろと言うのだろう。
それを私から宇航様に頼め、と。
文葉では取り合ってもらえなかったから、実父が出てきたのだろう。
使者を送ったという事は、もうこちらへ向かっているのだろう。
果たしてどんな人間なのか・・・
私が文を持ったまま固まったので、異変に気づいた師匠が文を取り上げる。
師匠は一読してすぐに指示を出した。
「炎珠、これから先は桜綾への謁見は全て断れ。いや、知らない者は門を通すな!後、工房周辺の警備を強化してくれ!」
炎珠がそれを聞いて動き出そうとしたその時だった。
「それは困りましたね。もうここまで来てしまいました。」
その声に一斉に振向くと、そこに立っていたのはスラッとした色白の男性だった。
扇子を口元に当てて、瞳だけは私を見据えている。
この人・・・どこかで見たような気がする・・・。
炎珠が即座に私の前に立ち、剣に手を当てる。
「そんなに身構えないでください。こちらは話がしたいだけで、争いに来たわけではありませんから。私は論家に仕える洵新ジュンシンと申します。この度はお話があり、桜綾様の元へ参りました。」
一礼するとやはり視線を私に向ける。
私は炎珠の影からその男を見ている事しか出来ない。
「こちらが話を聞く義理はない。帰れ。桜綾は部屋へ。」
師匠が相手を威嚇する。しかし相手はひるまない。
「私も命令を受けている以上、話さないと帰れないのですよ。お家に。だから、話をさせて頂けますか?朱家ほどではありませんが、論家の使いとして、正式に門番に通して頂いてきているのですから。」
私と話さない限り、意地でも帰らない気なのだろう。
しかし、ここは朱家の本家だ。いくら貴族でも論家を名乗っている以上、手荒なまねはしないだろう。
「師匠・・・聞きます。炎珠もいるし、大丈夫だと思います。」
「しかし・・・!」
「大丈夫!ここでいいなら、聞きます。」
「さすがに物わかりがいいですね。お嬢様。では、本題に入りましょうか。」
そう言いながら洵新は私達の横を通って椅子に腰掛ける。
「灯鈴、お客様にお茶を。」
私も精一杯虚勢を張る。
ここでひるんだら負ける気がしたからだ。
師匠は眉間に皺を寄せ、腕を組んだまま洵新を睨み付けている。
炎珠は、私の横で刀からは手を放さず、片時も動かない。
灯鈴がお茶を運んで来るまでの間、沈黙が流れる。空気は重いし気分も悪い。
出来れば早くこの時間が過ぎて欲しい。
どれくらいそうしていたか、灯鈴がお茶を運んできた。お茶が注がれ、それをきっかけに洵新が口を開く。
「先ほども申しましたが、私は論家からの使いで参りました。」
洵新の話は、予想通り、春燕と文葉の事だった。
話によれば、朱領主に下した罰の免除を打診したいらしい。それについて、宇航様との仲立ちをしてほしいという事だった。
罰とはいえ、病気で寝込んでいる春燕を放置出来ないと。出来れば金子を払ってでも、家に連れ戻したいという。
確かに、使用人として働いている以上、金子で売られることはあるが、罰として使用人になった場合でも、それが通用するのだろうか・・・。
胃からこみ上げてくる物や、腹から湧き上がってくる怒りを抑えて、なるべく冷静に聞く。
「義母は何の病気なのですか?」
「病気・・・と言いますか・・・寝込んでいるのは、莫家に確認してもらえば、本当だと分かると思います。洞雁様がかなり心を痛めておりまして、せめて病のうちは環境だけでも、と私をこちらに使わせたのでございます。親心だと思って許してください。」
不敵な笑いを浮かべながら、こちらを見てくる。
「桜綾様、今は使用人の身ではあっても、人に変わりはない。ましてや一時期はあなたの義母でもあった。人として、それを救わないのは道理に合わないのでは?」
「お前、黙って聞いてれば何を!!」
「私は桜綾様と話している!部外者は黙っていて頂きたいのですが。」
師匠の言葉を洵新が大声で遮る。
「私に義母と文葉を助ける手伝いをしろと言うことですか?例え使用人であっても莫家は治療もしないほど、ひどい扱いをする屋敷なのですか?」
口調が少し強くなる。握り絞めた拳が痛いくらいに、怒りを我慢して堪えていた。
「莫家も手は尽くしてくださってはいるようですが・・・、心の問題ではないかと。ですから薬も効かないのです。そもそも環境が春燕様には合わないのです。ですから、朱領主に会わせて頂くだけでいいのです。どうか、助けて頂けませんか?」
助ける?なんで私が?あいつらは自分だけが不幸を背負って生きていると?冗談じゃない。
環境が合わない?合わないなら合わせればいい。私のように、地を這ってでも生き抜けばいい。
寝込んで手を尽くしてもらっているだけ、ありがたいと思え。
私はそれ以上の苦痛に耐えたのだから・・・
怒りで体が震えて、唇がかみ切れる。
口の中に地の味が広がる。
「嫌だ・・・と言ったら?」
絞り出した声で答える。
「何故そこまで、春燕様を嫌うのです?たった1度、お嬢様のお母様の話をしただけでしょう?確かに、やり過ぎだとは思いますが、直接的には使用人が手を下したことでしょう。春燕様が今まで、病弱なお嬢様を支えてきたのではないのですか?」
病弱?支えた?誰が誰を?
「お前・・・私の事をどう聞いていた?」
何かが切れる音と同時に私の口から言葉が飛び出る。その言葉に、一瞬、洵新は息を飲んだが、言葉を続けた。
「どう・・・って、桜綾様は病弱で、殆ど屋敷の部屋からも出られず、医者を手配している物の回復の兆しがないと・・・事実、李謙リケン様や文葉様は、論家によくいらしてましたが、お嬢様にお会いすることはなかったかと。洞雁様が訪ねた時も、いつも体調が悪く会うことは叶わなかったと申しておりました。」
「その、お偉い春燕様がそう言ってたって?病弱?あぁそのお偉い方の衣を散々洗わされて、飯も食わせてもらえずに、凍え死にしそうになったときのことか?それとも、いちゃもん付けられて、真夏に1日中、跪かされて、倒れたときか?医者?1度として見たこともないね。物置小屋の中で薄っぺらの布団に寝かされて、1日中こき使われて、挙げ句、こんな体にされたことか?お前に見せてやろうか?私の体にある、無数の傷を!お前達の言う、救うべき義母様が、私に付けた傷の全てを!」
そう言って衣に手をかけたとき、慌てて炎珠が私を止めた。だが、私の怒りはもう収まらない。
「お前達がそうやって嘘を信じ続けている間、私の体はボロボロにされた!そうやって10年、10年もの間生きてきたんだ!時には草を喰い、時には厨房の鍋の底の汁をすすり、そうやって飢えをしのいでる間、お偉いさんは美味いもん喰ってたんだろう?たった数ヶ月、それも私よりいい待遇で使用人してるって言うのに、何が体に合わない、だ!そんなやつを助けろって?ふざけんじゃない!私が助けてと頼んでも、助けてもくれなかった人間を助ける気はない!支えただ?倒されても、支えてもらった事など、一度もないんだよ!」
私のキレ方に、全員が固まる。息は荒くなり、心臓は鼓動を早める。灯鈴トウリン鈴明リンメイだけは泣きながら私を止めているが、炎珠エンジュと師匠は冷静だった。
「桜綾、もういい。もう十分だ。」
そう言って師匠は、黙り込んだ洵新に向き直ると、低い声でこういった。
「桜綾についてどう聞いていたかは分からないが、今、桜綾が言ったことは本当のことだ。論家に戻って、もう一度話をした方がいい。桜綾に謝るならまだしも、助けろというのは、お門違いだ。朱領主も全てを知った上で、罰を下している。」
洵新(ジュンシン)はかなり動揺していたが、師匠の言葉で、身を引いた。
「一度、論家に戻ります。」
そう言って去った洵新の姿が見えなくなった後、私はその場に倒れ込んだ。
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