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第三章 幻夢の夜
過去との邂逅
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「蒼依ー!」
真っ暗な山の中を私達は進んでいた。夜空は厚い雲で覆われており、輝く星さえ見えない。思った以上に気温が下がっているのか、夏なのに妙な肌寒さを感じる。松雪さんが大声で蒼依さんの名を叫ぶものの、周囲に彼女の気配は感じられなかった。
「北條、蒼依の行き先に心当たりは無いかしら? 初日に蒼依と行った場所は何処?」
「初日に行った場所は木造の休憩所がある湖畔です。しばらく歩きますが、このまま道なりに進めば辿り着けます」
私達は更に闇が支配した道を進む。夜の山がここまで表情を変えるとは意外だった。木々に囲まれた山道は視界が悪く、整備されてるとはいえ歩きにくさを感じる。視界が効かないと言うだけで昼間とは違いまるで別世界のようだ。
「……」
何だろうか……? 不思議な違和感を感じる。妙に空気が重い。それにさっきよりも視界が効かない。
「霧が出てきたわ…… これは……」
気がつくと、私達の周りは酷い濃霧で覆われていた。懐中電灯の明かりが濃霧に遮られて遠くまで届かない。これでは歩いてる方向すら掴めなくなる。
「鮎香ちゃん。足下に注意だよ」
結衣花ちゃんが私を先導するようにその手を握り、ゆっくりと前進する。
私が不安なとき、結衣花ちゃんはそれが分かっているかのようにいつも私を支え、導いてくれる。夢幻退魔の際にも、何度彼女に救われ、励まされただろうか……。
〈啓ちゃん…… ごめんね…… 本当にごめんね…… 私ずっと、ずっと会いたかったよ……〉
!?
突然、頭の中に響く声…… この声の主は間違いなく蒼依さんだ…… そしてこの名前、まさか……。
「ちょっと、待ってください!」
咄嗟にそう言った私。皆が驚いた様子で足を止める。
「どうしたの北條……」
頭の中に響く声…… こんな経験をしたのは初めてだ。それと同時に声のした方角がなんとなく把握出来る。距離的に近い。
〈蒼依…… 私もずっと…… 貴女に会いたかった。綺麗になったね……〉
女性の声…… 声の感じは何処となく幼さを感じる…… この声の主が……。
「声が…… 聞こえるんです。頭の中に直接……」
私がそう言うと、皆の表情が険しくなる。特に松雪さんの顔つきが著しく変わった。
「鮎香ちゃん、大丈夫?」
結衣花ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込む。
「うん…… 問題ないよ。ただ、間違いない。明らかに霊的な力を感じる。この濃霧もおそらく自然発生したものじゃない。異様な感じがする……」
私の言葉に、おそらく松雪さん、千里さんと千鶴さんも感じていたのだろう。三人は携帯していた短剣を素早く取り出す。そして結衣花ちゃんもそれを見て短剣を構えた。
「……この先何が待ち受けているか分からないけれど、もしもの時は全魔法の使用を許可するわ。責任は――私が取る」
松雪さんがそう言った。私達はAMGEとはいえ、教会が管轄する退魔業や訓練以外での魔法使用は一切許可されていない。もしも規定を破り魔法を使用した場合、最悪アルサード教会から除名される可能性すらある。
「彩奈…… 貴女一人に責を負わせる気は無いわ」
千里さんがそう言うと、隣に居る千鶴さんも頷く。
しばらく注意深く濃霧の中を進んでいくと、次第に霧が薄くなっていった。それと同時に空気が更に重くなっていく。間違いない。夢幻退魔の時に感じるあの禍々しさ。それに限りなく近い感じもする。
そして私達は、湖畔のほとりに2つの人影を発見した。
「隠れて」
千鶴さんがそう言うと、私達は近くの木に隠れて様子を窺う。だけどこの場所からでは声が聞こえない。その時、千鶴さんが懐から何かを取り出す。
「超小型集音マイクよ。これで向こうの会話が聞き取れる。スピーカー音量を上げると向こうにもバレる。みんな耳を澄ませて」
何故彼女がこんな物を持っているか分からなかったが、手のひらサイズの小さな銃のようなマイクを向けると、向こう側の声が聞こえてきた。
〈蒼依…… 私はね。完全な女の子として生まれ変わったの。神の悪戯に悩まされ、毎日泣いていたあの頃とは……もう違うわ〉
〈どういうこと……? たしかに、体つきからして前の啓ちゃんとは別人のようにも思えるけど…… でも女性ホルモン投与は定期的に行ってるんだよね……?〉
〈ホルモン投与など必要ないわ。私は女の子として生まれ変わったのだから。だから蒼依にも――こちら側へ来てほしいの〉
あの女性から放たれている禍々しさを感じるオーラ。だがその一方で神聖な雰囲気も感じ取れる。何だろう…… 聖と邪、両方の側面を持っているのだろうか?
ただ1つ言えることは、あの女性が普通の人間ではないということだ。
〈よく…… 分からないよ。啓ちゃんが私の前からいなくなって約7年…… 色々なことがあったんだって思うけど……〉
蒼依さんは悲痛な思いを浮かべているように思える…… 7年ということは、やはり……。
〈蒼依…… 騙されないで。アルサードはこの世に平和をもたらす女神じゃない。アルサード教会の真の目的は、弱者を救う事では無いのよ〉
(なんですって……)
皆が困惑している…… 私達は光の女神アルサード様に忠誠を誓い、日々信仰している。ただ教会に対し疑問や敵対心を持つ者も少なくない。この女性は教会に対し敵対する者なのだろうか? こんな時間にこんな山奥へ一人で表れた…… 近隣の宿は私達が貸し切っている宿のみのはず。つまり……。
〈私は…… 教会の庇護の元でこの7年を過ごしてきた…… 私が女性として生きていけるのも、教会のASSPプログラムがあってのこと…… ホルモン投与も、ずっとこの先教会が行ってくれる…… 私は……〉
〈蒼依。教会のASSPプログラム、その本当の目的を、貴女は分かっているの……? 貴女が2週間おきに筋肉注射で投与されているホルモン剤は、只のホルモン剤とは違うわ……〉
(!?)
どういうこと? ASSPプログラムは性同一性障害の男の子が完全な女の子としてアルサード女学院に入学し、学び生きていくための特別制度のはず…… 只のホルモン剤じゃないなら、蒼依さんが投与されている物って一体……。
〈え……? どういう事……?〉
〈貴女は騙され…… 利用されているの。アルサード教会から都合の良いようにね。蒼依、わたしは貴女を迎えに来たの。寂しい思いをさせて、本当にごめんね……〉
蒼依さんが、膝から崩れ落ちているのが見える…… もう1つの人影は、その姿に寄り添っているように見える。私達は咄嗟にアイコンタクトを取り、突入のタイミングを計る。
〈……啓ちゃん…… 分からないよ…… 私はもう…… 何もかも……〉
〈おいで蒼依。もう寂しくないよ…… 貴方は私達の元で生まれ変わる。そして正しき事をするの。共にこの間違いだらけの淀んだ世界を正すのよ……〉
そして私達は、一気に木陰からその現場に突入した。
真っ暗な山の中を私達は進んでいた。夜空は厚い雲で覆われており、輝く星さえ見えない。思った以上に気温が下がっているのか、夏なのに妙な肌寒さを感じる。松雪さんが大声で蒼依さんの名を叫ぶものの、周囲に彼女の気配は感じられなかった。
「北條、蒼依の行き先に心当たりは無いかしら? 初日に蒼依と行った場所は何処?」
「初日に行った場所は木造の休憩所がある湖畔です。しばらく歩きますが、このまま道なりに進めば辿り着けます」
私達は更に闇が支配した道を進む。夜の山がここまで表情を変えるとは意外だった。木々に囲まれた山道は視界が悪く、整備されてるとはいえ歩きにくさを感じる。視界が効かないと言うだけで昼間とは違いまるで別世界のようだ。
「……」
何だろうか……? 不思議な違和感を感じる。妙に空気が重い。それにさっきよりも視界が効かない。
「霧が出てきたわ…… これは……」
気がつくと、私達の周りは酷い濃霧で覆われていた。懐中電灯の明かりが濃霧に遮られて遠くまで届かない。これでは歩いてる方向すら掴めなくなる。
「鮎香ちゃん。足下に注意だよ」
結衣花ちゃんが私を先導するようにその手を握り、ゆっくりと前進する。
私が不安なとき、結衣花ちゃんはそれが分かっているかのようにいつも私を支え、導いてくれる。夢幻退魔の際にも、何度彼女に救われ、励まされただろうか……。
〈啓ちゃん…… ごめんね…… 本当にごめんね…… 私ずっと、ずっと会いたかったよ……〉
!?
突然、頭の中に響く声…… この声の主は間違いなく蒼依さんだ…… そしてこの名前、まさか……。
「ちょっと、待ってください!」
咄嗟にそう言った私。皆が驚いた様子で足を止める。
「どうしたの北條……」
頭の中に響く声…… こんな経験をしたのは初めてだ。それと同時に声のした方角がなんとなく把握出来る。距離的に近い。
〈蒼依…… 私もずっと…… 貴女に会いたかった。綺麗になったね……〉
女性の声…… 声の感じは何処となく幼さを感じる…… この声の主が……。
「声が…… 聞こえるんです。頭の中に直接……」
私がそう言うと、皆の表情が険しくなる。特に松雪さんの顔つきが著しく変わった。
「鮎香ちゃん、大丈夫?」
結衣花ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込む。
「うん…… 問題ないよ。ただ、間違いない。明らかに霊的な力を感じる。この濃霧もおそらく自然発生したものじゃない。異様な感じがする……」
私の言葉に、おそらく松雪さん、千里さんと千鶴さんも感じていたのだろう。三人は携帯していた短剣を素早く取り出す。そして結衣花ちゃんもそれを見て短剣を構えた。
「……この先何が待ち受けているか分からないけれど、もしもの時は全魔法の使用を許可するわ。責任は――私が取る」
松雪さんがそう言った。私達はAMGEとはいえ、教会が管轄する退魔業や訓練以外での魔法使用は一切許可されていない。もしも規定を破り魔法を使用した場合、最悪アルサード教会から除名される可能性すらある。
「彩奈…… 貴女一人に責を負わせる気は無いわ」
千里さんがそう言うと、隣に居る千鶴さんも頷く。
しばらく注意深く濃霧の中を進んでいくと、次第に霧が薄くなっていった。それと同時に空気が更に重くなっていく。間違いない。夢幻退魔の時に感じるあの禍々しさ。それに限りなく近い感じもする。
そして私達は、湖畔のほとりに2つの人影を発見した。
「隠れて」
千鶴さんがそう言うと、私達は近くの木に隠れて様子を窺う。だけどこの場所からでは声が聞こえない。その時、千鶴さんが懐から何かを取り出す。
「超小型集音マイクよ。これで向こうの会話が聞き取れる。スピーカー音量を上げると向こうにもバレる。みんな耳を澄ませて」
何故彼女がこんな物を持っているか分からなかったが、手のひらサイズの小さな銃のようなマイクを向けると、向こう側の声が聞こえてきた。
〈蒼依…… 私はね。完全な女の子として生まれ変わったの。神の悪戯に悩まされ、毎日泣いていたあの頃とは……もう違うわ〉
〈どういうこと……? たしかに、体つきからして前の啓ちゃんとは別人のようにも思えるけど…… でも女性ホルモン投与は定期的に行ってるんだよね……?〉
〈ホルモン投与など必要ないわ。私は女の子として生まれ変わったのだから。だから蒼依にも――こちら側へ来てほしいの〉
あの女性から放たれている禍々しさを感じるオーラ。だがその一方で神聖な雰囲気も感じ取れる。何だろう…… 聖と邪、両方の側面を持っているのだろうか?
ただ1つ言えることは、あの女性が普通の人間ではないということだ。
〈よく…… 分からないよ。啓ちゃんが私の前からいなくなって約7年…… 色々なことがあったんだって思うけど……〉
蒼依さんは悲痛な思いを浮かべているように思える…… 7年ということは、やはり……。
〈蒼依…… 騙されないで。アルサードはこの世に平和をもたらす女神じゃない。アルサード教会の真の目的は、弱者を救う事では無いのよ〉
(なんですって……)
皆が困惑している…… 私達は光の女神アルサード様に忠誠を誓い、日々信仰している。ただ教会に対し疑問や敵対心を持つ者も少なくない。この女性は教会に対し敵対する者なのだろうか? こんな時間にこんな山奥へ一人で表れた…… 近隣の宿は私達が貸し切っている宿のみのはず。つまり……。
〈私は…… 教会の庇護の元でこの7年を過ごしてきた…… 私が女性として生きていけるのも、教会のASSPプログラムがあってのこと…… ホルモン投与も、ずっとこの先教会が行ってくれる…… 私は……〉
〈蒼依。教会のASSPプログラム、その本当の目的を、貴女は分かっているの……? 貴女が2週間おきに筋肉注射で投与されているホルモン剤は、只のホルモン剤とは違うわ……〉
(!?)
どういうこと? ASSPプログラムは性同一性障害の男の子が完全な女の子としてアルサード女学院に入学し、学び生きていくための特別制度のはず…… 只のホルモン剤じゃないなら、蒼依さんが投与されている物って一体……。
〈え……? どういう事……?〉
〈貴女は騙され…… 利用されているの。アルサード教会から都合の良いようにね。蒼依、わたしは貴女を迎えに来たの。寂しい思いをさせて、本当にごめんね……〉
蒼依さんが、膝から崩れ落ちているのが見える…… もう1つの人影は、その姿に寄り添っているように見える。私達は咄嗟にアイコンタクトを取り、突入のタイミングを計る。
〈……啓ちゃん…… 分からないよ…… 私はもう…… 何もかも……〉
〈おいで蒼依。もう寂しくないよ…… 貴方は私達の元で生まれ変わる。そして正しき事をするの。共にこの間違いだらけの淀んだ世界を正すのよ……〉
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