4 / 20
黒い液体から謎の美少女が?
しおりを挟む
改めて見るとこの少女も人間ではない。
彼女の頭部にはロバか馬のようなよくわからない動物の耳が付いており、少女の服は布ではなく黒い霧のような物で構築されている。
「はぁ はぁ、今何を?」
息を整えながら警戒を最大限にし、
僕は彼女を見る。
「おおげさだなぁ。ちょっと味見しただけさ。ちょっと変わった味だったけど」
さらっと恐ろしいことを言われた気がした。一体僕の何を味見したというのか。
「なるほど、君が次のマヨイビトね。」
そういってその少女は
自分の懐からカップを取り出し、手から黒い液体を出してコーヒーカップに注いだ。
するとその液体はたちまち紅茶の色に変色し、知らなければ紅茶と思ってしまうだろうなと思うほどにそっくりな物へと変化した。
「久しぶりの来客だ。私は今回はずいぶん長く寝てた気がするから。さぁあなたのユメが覚めるまでゆっくりお茶会でもしようじゃないか。」
目の前の少女は何か興奮しているようだった。
「えぇ!?今何が」
だが、僕はそれよりも今黒の物体が
突然紅茶になったことが
堪らなく気になって尋ねた。
「ふふん、すごいだろう?まぁもっともここでなら君にも似たようなことが出来るのだけれども」
「え?僕にも?」
「ここは君の想像の世界だからねぇ。まぁ練習は必要だろうけど。」
「それよりも話をしよう。人間との話は楽しいからさ。ワクワクするなぁ」
そこで僕は今までこの少女が
誰かも分からぬまま
彼女のテンションに流されていた事に気付いた。
「君はその…誰?」
「私?私はネム。ユメの世界の住人」
「君はこの世界の事を何か…知ってるよね」
「ネムで良いよ。普通に名前で呼んでほしいね。その方が会話が楽しいから」
「わかったよ、そのネ…ム」
ぎこちなくなってしまって気づく。
女性を名前で呼ぶのは久しぶりだ。
車掌ちゃんは本名っぽくないからノーカウントで。
「それとさっきの答えはイエスさ。ここに住まわせてもらってるわけだし大体の事は知ってると思うよ」
「じゃあ、あの、この世界の事を詳しく教えてくれないかな?」
「えぇ~ なんで?車掌ちゃんに聞いてないの? 」
「うん、その…一応聞いたんだけどよくわからなくて」
「あぁ、成る程。あの子説明が下手、いやしない事が好きだもんねぇ」
「どういう事?」
「車掌ちゃんからどこまで聞いた?」
「えっと…ここの列車は僕の行こうとする場所に向かってて…でもそれは僕の行きたい場所じゃないかもしれなくて…あれ?言ってて分からなくなってきた。」
何といって良いか分からなくて
苦し紛れに頭をひねる仕草をする。
やっぱり僕も説明とか下手だった。
「ふふっ、やっぱりね。あの子、車掌ちゃんはそうやってあなたが悩んでるのを見て楽しんでるってわけ。せっかく謎だらけの世界なのに簡単に攻略されてもつまらない。もっと悩めーってね」
「えぇ!? ひどい」
「まぁそっちの方が君たち人間のためになるっていうのもあるんだけどね」
?どういう事だろう?
「そうそうこの世界で望む場所に辿り着く方法はね。自分を持って進む事さ。これがしたいっていう確固たる意志をね。」
「それだけ?」
「そう、それだけ。でもそれが難しいんだよねぇ。特に此処に迷い込むような人間にとっては」
「どういうこと?」
「君、何かを迷ってるだろ。そして何かに不安がってる。」
「なんでわかったの!?」
「そういう味がしたからねぇ。しかも色んな感情が混ざり合ってこんがらがった様な深みのある味だった。」
アジッテドユコト?
さっき黒い液体に飲まれたあれ?
でも確かに迷っているというのは
心当たりがある。
そういう人間がここに迷い込むということだろうか?
「ふふん。まぁそう心配しなさんな。お姉さんが相談に乗ってあげよう。」
「いいの!?」
「もちろん。私もその方が楽しいしね。まぁ一石二鳥ってやつさ。」
何となく安心した気がした。
誰かが聞いてくれるだけで楽になると
よく言うが本当にその通りなのかもしれない。
お姉さんには見えないけどね。
小さなネムの体を見てそう思った。
その時車掌ちゃんのアナウンスが車内に鳴り響いた。
「まもなく往時渺茫おうじびょうぼう駅です。電車止まりまーす。なお線路調整のためこの電車は30分ほど停車致します」
その駅の周辺には牧場があった。
その背景には満天の星と先程から見える不思議な幻影の数々が浮かんでいる。
そこで羊が草を食べているのが見えた。
彼女の頭部にはロバか馬のようなよくわからない動物の耳が付いており、少女の服は布ではなく黒い霧のような物で構築されている。
「はぁ はぁ、今何を?」
息を整えながら警戒を最大限にし、
僕は彼女を見る。
「おおげさだなぁ。ちょっと味見しただけさ。ちょっと変わった味だったけど」
さらっと恐ろしいことを言われた気がした。一体僕の何を味見したというのか。
「なるほど、君が次のマヨイビトね。」
そういってその少女は
自分の懐からカップを取り出し、手から黒い液体を出してコーヒーカップに注いだ。
するとその液体はたちまち紅茶の色に変色し、知らなければ紅茶と思ってしまうだろうなと思うほどにそっくりな物へと変化した。
「久しぶりの来客だ。私は今回はずいぶん長く寝てた気がするから。さぁあなたのユメが覚めるまでゆっくりお茶会でもしようじゃないか。」
目の前の少女は何か興奮しているようだった。
「えぇ!?今何が」
だが、僕はそれよりも今黒の物体が
突然紅茶になったことが
堪らなく気になって尋ねた。
「ふふん、すごいだろう?まぁもっともここでなら君にも似たようなことが出来るのだけれども」
「え?僕にも?」
「ここは君の想像の世界だからねぇ。まぁ練習は必要だろうけど。」
「それよりも話をしよう。人間との話は楽しいからさ。ワクワクするなぁ」
そこで僕は今までこの少女が
誰かも分からぬまま
彼女のテンションに流されていた事に気付いた。
「君はその…誰?」
「私?私はネム。ユメの世界の住人」
「君はこの世界の事を何か…知ってるよね」
「ネムで良いよ。普通に名前で呼んでほしいね。その方が会話が楽しいから」
「わかったよ、そのネ…ム」
ぎこちなくなってしまって気づく。
女性を名前で呼ぶのは久しぶりだ。
車掌ちゃんは本名っぽくないからノーカウントで。
「それとさっきの答えはイエスさ。ここに住まわせてもらってるわけだし大体の事は知ってると思うよ」
「じゃあ、あの、この世界の事を詳しく教えてくれないかな?」
「えぇ~ なんで?車掌ちゃんに聞いてないの? 」
「うん、その…一応聞いたんだけどよくわからなくて」
「あぁ、成る程。あの子説明が下手、いやしない事が好きだもんねぇ」
「どういう事?」
「車掌ちゃんからどこまで聞いた?」
「えっと…ここの列車は僕の行こうとする場所に向かってて…でもそれは僕の行きたい場所じゃないかもしれなくて…あれ?言ってて分からなくなってきた。」
何といって良いか分からなくて
苦し紛れに頭をひねる仕草をする。
やっぱり僕も説明とか下手だった。
「ふふっ、やっぱりね。あの子、車掌ちゃんはそうやってあなたが悩んでるのを見て楽しんでるってわけ。せっかく謎だらけの世界なのに簡単に攻略されてもつまらない。もっと悩めーってね」
「えぇ!? ひどい」
「まぁそっちの方が君たち人間のためになるっていうのもあるんだけどね」
?どういう事だろう?
「そうそうこの世界で望む場所に辿り着く方法はね。自分を持って進む事さ。これがしたいっていう確固たる意志をね。」
「それだけ?」
「そう、それだけ。でもそれが難しいんだよねぇ。特に此処に迷い込むような人間にとっては」
「どういうこと?」
「君、何かを迷ってるだろ。そして何かに不安がってる。」
「なんでわかったの!?」
「そういう味がしたからねぇ。しかも色んな感情が混ざり合ってこんがらがった様な深みのある味だった。」
アジッテドユコト?
さっき黒い液体に飲まれたあれ?
でも確かに迷っているというのは
心当たりがある。
そういう人間がここに迷い込むということだろうか?
「ふふん。まぁそう心配しなさんな。お姉さんが相談に乗ってあげよう。」
「いいの!?」
「もちろん。私もその方が楽しいしね。まぁ一石二鳥ってやつさ。」
何となく安心した気がした。
誰かが聞いてくれるだけで楽になると
よく言うが本当にその通りなのかもしれない。
お姉さんには見えないけどね。
小さなネムの体を見てそう思った。
その時車掌ちゃんのアナウンスが車内に鳴り響いた。
「まもなく往時渺茫おうじびょうぼう駅です。電車止まりまーす。なお線路調整のためこの電車は30分ほど停車致します」
その駅の周辺には牧場があった。
その背景には満天の星と先程から見える不思議な幻影の数々が浮かんでいる。
そこで羊が草を食べているのが見えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる