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ちょっとした現実逃避をしている私の隙を突き、アビゲイルさんがキスしてきました。元々私の両手は黒い革の手枷で拘束されています。そしてその手枷はヘッドボードから伸びる華奢な鎖に繋がれていて、ベッドから降りることもできない長さです。
それにそもそもアビゲイルさんが私の上にいるから、まずはそれを振りほどかないと何もできないませんね。
というわけで私はアビゲイルさんからされるキスを、避けることもできませんでした。ヒィッ待って!待ってぇ!
ちゅ、ちゅと柔らかな唇が何度も何度も降ってきて、息をする暇もありません。そもそも私、これがファーストキスですっ
…婚約者であるアーサーさまとは頬にするのが常でしたので。
ファーストキスが女性とか…え?ノーカン?ノーカンでいいですよね?ちょっとしたいじわるとか、そういうのですよね?私、信じてますからね?!
「ん、んぅ…っふ、ぁ。ん!…ぅ…ん、ちゅ」
やっと離れてくれた時には、私…酸欠なのか頭がぽ~っとしてしまって…。はふ……。
「ふふ。ヴィクトリアさん、かわいい…♡」
ちょっと待って。ちょっと待ってください?!アビゲイルさんの顔がまた近づいて来て…。え?また?私またキスされるんですかっ?
「え、あっまた?!や、やめ…っ」
女性としては長身のアビゲイルさん。体に比例して、手も女性にしては大きくて。そんなところがあまり好きじゃないと言っていたのを覚えています。
その手が、私の頬に、伸びる。のびて。あたまをこていして。え。なに?ぬるって。なめられた?え?くちを?
「ふ、う!んっんん”~~っう、ぅぅ…っ!」
咄嗟に口に力を入れてぎゅっと一文字にしたのに、アビゲイルさんの舌が口の中に入ってきました。びっくりしてる内に一舐めしてから舌が抜かれて、また入ってきて。ちゅ、じゅぱ、と水音が部屋に響きました。
それを何度か繰り返している内に、私の口はアビゲイルさんの唾液でべちょべちょです。うう、なにこれ…やだぁ…っ
それなのに私の頭を固定していたアビゲイルさんの手と顔が離れ、重力に従い耳にかかっていた彼女の長い髪が私に向かってサラサラと落ちてくるのがきれいだと思ってしまいます。こんな時だというのに、私はそれに少しの間見惚れていました。…さすがはヒロインです。存在するだけで人たらし!
しかしそれから少しすると『人の体の一部が自分の体の中を出入りする』その事実にどこか恐怖を感じ、泣きそうになってしまいました。いえ、事実もう、ちょっと涙目です。情緒不安定じゃないですか?でも仕方ないですよね。
相手が女の子とはいえ、ここまでされたら『いたずらでした~♡ごめんね♡』なんてことはありえない無いですし。ということはこれ……。
アビゲイルさんは悪役令嬢攻略ルートに入ってるってこと?!
え?待って?アビゲイルさんってアーサーさまを筆頭に、全部の攻略キャラにちょっかい出してたよね?だから逆ハー目指してるんだとばかり思ってたんですけど?
もしかしてそこに私も入れられちゃってるの?え?アビゲイルさんはヒロインじゃなくて、キャラデザがあるすべてのキャラを食いまくる総攻め様だったの?え?なに?知らない。私、そんなの知らない!
もう頭の中がぐちゃぐちゃですっ!
今の自分の状況とか、どうすればいいのかとか、アビゲイルさんは何を考えているのかとか!
全部投げ出したくなった私は、比較的自由な足をばたつかせてここから逃げようとしました。
ココ!キケン!ワタシ!チガウ!コウリャク!チガウ!そんな気持ちで。
それにそもそもアビゲイルさんが私の上にいるから、まずはそれを振りほどかないと何もできないませんね。
というわけで私はアビゲイルさんからされるキスを、避けることもできませんでした。ヒィッ待って!待ってぇ!
ちゅ、ちゅと柔らかな唇が何度も何度も降ってきて、息をする暇もありません。そもそも私、これがファーストキスですっ
…婚約者であるアーサーさまとは頬にするのが常でしたので。
ファーストキスが女性とか…え?ノーカン?ノーカンでいいですよね?ちょっとしたいじわるとか、そういうのですよね?私、信じてますからね?!
「ん、んぅ…っふ、ぁ。ん!…ぅ…ん、ちゅ」
やっと離れてくれた時には、私…酸欠なのか頭がぽ~っとしてしまって…。はふ……。
「ふふ。ヴィクトリアさん、かわいい…♡」
ちょっと待って。ちょっと待ってください?!アビゲイルさんの顔がまた近づいて来て…。え?また?私またキスされるんですかっ?
「え、あっまた?!や、やめ…っ」
女性としては長身のアビゲイルさん。体に比例して、手も女性にしては大きくて。そんなところがあまり好きじゃないと言っていたのを覚えています。
その手が、私の頬に、伸びる。のびて。あたまをこていして。え。なに?ぬるって。なめられた?え?くちを?
「ふ、う!んっんん”~~っう、ぅぅ…っ!」
咄嗟に口に力を入れてぎゅっと一文字にしたのに、アビゲイルさんの舌が口の中に入ってきました。びっくりしてる内に一舐めしてから舌が抜かれて、また入ってきて。ちゅ、じゅぱ、と水音が部屋に響きました。
それを何度か繰り返している内に、私の口はアビゲイルさんの唾液でべちょべちょです。うう、なにこれ…やだぁ…っ
それなのに私の頭を固定していたアビゲイルさんの手と顔が離れ、重力に従い耳にかかっていた彼女の長い髪が私に向かってサラサラと落ちてくるのがきれいだと思ってしまいます。こんな時だというのに、私はそれに少しの間見惚れていました。…さすがはヒロインです。存在するだけで人たらし!
しかしそれから少しすると『人の体の一部が自分の体の中を出入りする』その事実にどこか恐怖を感じ、泣きそうになってしまいました。いえ、事実もう、ちょっと涙目です。情緒不安定じゃないですか?でも仕方ないですよね。
相手が女の子とはいえ、ここまでされたら『いたずらでした~♡ごめんね♡』なんてことはありえない無いですし。ということはこれ……。
アビゲイルさんは悪役令嬢攻略ルートに入ってるってこと?!
え?待って?アビゲイルさんってアーサーさまを筆頭に、全部の攻略キャラにちょっかい出してたよね?だから逆ハー目指してるんだとばかり思ってたんですけど?
もしかしてそこに私も入れられちゃってるの?え?アビゲイルさんはヒロインじゃなくて、キャラデザがあるすべてのキャラを食いまくる総攻め様だったの?え?なに?知らない。私、そんなの知らない!
もう頭の中がぐちゃぐちゃですっ!
今の自分の状況とか、どうすればいいのかとか、アビゲイルさんは何を考えているのかとか!
全部投げ出したくなった私は、比較的自由な足をばたつかせてここから逃げようとしました。
ココ!キケン!ワタシ!チガウ!コウリャク!チガウ!そんな気持ちで。
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