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4.異世界生活の始まり

五十二話 事故の説明と帰還

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52話 流石に自分じゃ気付けないよね

ささっと戦利品を回収する、片手杖と剣を2つしか回収出来なかった
鎧を脱がす暇は無いし、凹みや錆びやら所々血塗れだしで、金に成りそうにない
湿気た報酬で満足とはいかないが死体の処理はどうすればいいのだろうか
異空間倉庫に入れれる余裕もないし、死体かぁ···あぁいいのがあるじゃないか
ウルガの大杯を取りだし、大杯に死体を放り入れ、直ぐに倉庫に戻す、そして
疲労と心労で気絶するように眠ってるこの子を担ぎ上げ村へ送るため移動する
あまり速度を出すわけにもいかないか、一先ず森から外に出てから村に向かおう
道中はあまり揺れないように、そして起こさないように気を配る移動になる
急ぐためそれなりに速度が出ているはずだが身体操作が上手くなったのか
あまり体を揺らさず走れるようになっている···気がする、とはいえ
元はどうだったかと言っても人を担いで走ったこと何かないから分からない
ん?森の方にゴブリンがいた、多分あの会話していたゴブリンだろうか
此方に手招きして呼んでいるようだからなにか用があるんだろう、一先ず向かう
一応報告もしておけるし丁度いいタイミングではあるから少しならいいだろう
報告に意味があるか分からないんだけどね、多分もう知ってるんだろうし
それに会話していたのと同じゴブリンかは実は分かってないんだけど···
同種の場合全然見分けつかないんだよな、まぁ同一存在なら問題無いか
「何かあったのですか?」
「えぇ貴方に謝罪せねばならない事がありましてね」
「謝罪ですか?特に何もないと思いますが···」
「実はですね今のこの時間軸は元の時間軸の10年前の時間軸なのです」
「10年前に来てしまったと?しかし何故です?時間移動などしていませんが」
「妖精郷から外界へ出たときになにか違和感を感じませんでしたか?」
「転移の様な感覚を感じましたが···」
「それですねその時に時間の歪みに引き込まれて時間移動したのでしょう」
「ふむ、それは仕方無い事なのでしょう、元に戻れるなら問題有りません
そういえばこの場合依頼の達成になるのでしょうか?」
「原因が不明のままで申し訳ありませんね、依頼については問題ありません
元の時間軸でも居なくなりなりましたし、過去の変化で変わったようですね
元の時間軸に戻るには妖精郷に戻ってきて下されば可能です」
「分かりました、ではまずこの子を送ってきます、それでは」
「えぇ中で待っていますね、それと出来うるだけ人に会わないように」
頷き道沿いに進んでいく、このまま道沿いに行けば村に着くだろう
村には明かりが灯っている、隠密で村に近付くと慌ただしさを感じた
多分この子を探して居るのか?一先ず家に近付きこの子を寝かせる
離れてから石を投げて注意を引く、人が気付いて向かっていった
子供確認し周囲の人たちに伝え、子供を背負って人々の輪へと行った
もういいだろう私も帰らねばならないし、妖精郷へ向かおう
道を走って急いで森へと帰る姿、まるで森の住人みたいだな
結界を潜り妖精郷に入るがやはり転移などの違和感は感じない
「おぉ帰って来ましたか、早速もう1つの依頼をやりますか?」
「そうですね···日が明けてからにします、今から村に行っても···」
「それもそうですね、今度はもう転移の事故は起きないでしょうからご安心を」
「では朝まで寝させて貰いますね」
「えぇそれではどこでもご自由にお使いください」
そう言って去っていったが、どこでもといっても寝る場所は屋外しかない
そして寝ると言ったように、一応寝ようと思えば寝れる事が判明した
寝ていると言うよりも意識を沈ませているだけの休息に近いものだけど
その為か睡眠程疲れがとれるわけでも無ければ、時間も余り短く感じもしない
まぁ人間の真似をしているような物だ、これなら疑問も抱かれないだろう
一応ステータスの確認をしておくか、レベルは1つ上がって25になった
今回はSPが2つ増えた代わりにAPが1つしか増えなかったな、それによって
APが4にSPが3になった、今回はアビリティを取得してもいいかもしれない
とはいえ魔法はともかく武器系は現状あんまりとる気が起きてこない
武器系を沢山取ってもその武器を使わないなら意味がないからな
それにもう他の種類の武器を使う事はそうそう無いだろう、余裕もないし
でも銃のスキルに関してはSPに余裕があるなら取得しても良いかもしれない
防具系アビリティもあればよかったがなぜか防具系のアビリティはないんだよな
そうなれば補助系、耐性系の方になるがどうするかな、今から必要···
となると斬耐性と打耐性を取っておくか、取って損はないし育てないとだし
余裕が出来れば耐性系から修得してくのがいいかな、無駄にならないし
銃も候補に上がったんだがな···重要度はそんなに高くないしまぁいいか
ステータス上昇系のアビリティもあればよかったんだが、確認は出来ないが
防具系も含めまだ欄に出てきてないだけなら、条件達成で解除されるかもしれない
まぁなんにせよもういいかやることはやったし朝になるまで休んでおこう
····
··
暇だな、でも明日の為にちゃんと体を休めておかないとな、休息もまた仕事だ
怪我はなくても疲労はあるからな、これまでの疲労も抜けきってないようだし
休み始めると少し体が重く感じる、動いている時はそうでもなかったんだが
まぁ直ぐに疲労も抜けきるだろう、朝までボーッと待つとしよう
······
····
··
空に日が昇り周囲が明るくなってきた、まずは村に向かってから始まるが
探さないといけないんだよな···まぁそう難しくは無いだろう
ないよりも自分の服装だ、流石に半裸でいく勇気は無い、唯の不審者だろうし
テントで拾ってきた布をローブみたいに被ればなんとかなるかな
上半身を隠せれば十分だが、頭から被って旅人っぽさを出しておくか
長さは十分だな腰を越える長さがあるしローブみたいな物だろう
結界を越えて外に出る、今回は転移の感覚も無い、問題無く外に出れた
後は道路沿いに森を出て道路沿いに村を目指して移動する、急ぐこともないか
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