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7.必然の転機

百四十二話 護衛ちゃん

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142話 人形本来の用途?

日も落ちきる前に帰る事になるとは···珍しいのでは?と言うかこれが初めてか
そう言えば次の予定とか話し合ってなかったんだよな···集合場所も決めてないし
連絡手段が無いのも問題だよな、何かないんだろうか?道具屋には無かったし
となると魔道具屋で探さないと、確か武器屋の近くで見たような記憶があるな
あの2人は宿に居るだろうか?まぁ明日までに伝えれれば問題はないから急ぐ理由
はないが後にまわすと普通に忘れていそうだから早めにやっておきたい
とりあえず帰ったら魔道具屋に行くか、時間的にはかなり余裕があるな
門に着くが人は殆ど居ない、冒険者のプレートをさっと機器に通して通り抜ける
兵士が少しざわついている···そう言えば戦争の準備をしているんだったか
同種族で争うとは哀しいものだな、まぁ法国は滅ぼした方がいいだろうけど
地球人ってろくなのが居ないのでは?あちこちで問題起こしてるみたいだし
ちょっとした噂程度ではあるが色々聞こえてくる、珍しい見た目だとか変な事を
言ったりしている人だとか、まぁ地球人とは限らないが···っと着いたか
武器屋の近くだから確かこの辺りにあったはず、あった武器屋の隣の隣だ
魔道具屋はそんなに大きくないんだな、確か表のほうには民間向けの魔道具屋が
あったがもしかして通信系はそっちにあるんだろうか?まぁ一先ず冒険者向けから
入ってみればやはりこじんまりとしており、内装はあまりにもシンプルすぎる
道具を乗せるテーブルと店員のカウンターテーブル位しかない、商品は1つずつ
テーブルに乗せられカウンターで注文するようだ、一部はお試しもできるようだが
見る限り通信効果を持つ道具は無さそうだった、霧払いや探知系に透視の道具や
基本的な属性と異常への耐性効果を持つ指輪やネックレスなどの装備もあった
アクセサリー系が武具屋に売ってないと思ったら扱ってるのはこっちだったのか
とは言え特に必要な道具は無い、何かあったときに必要な物としてはスクロール系
確か魔術院だっけ?そこで売ってるはず、今はまぁいいか必要そうな物はないし
一般の魔道具中央通りにあったはず、看板が出てたから直ぐに見付けれるだろう
探しに行き歩いていると簡単に見つかった、こっちはかなり大きく2階建てだ
中も広いがやはりシンプルな造りだ···一応全て回ったが通信系は無かった
まぁ思えば見掛けたこともないし、もしかしたら存在していないのかもしれない
風のでる箱やら物を冷やす箱だの箱ものが多かった、基本的に家具系?だったな
火を着ける道具やその燃料などキャンプ道具として使えるのもいくつかあった
別に要らないけどなんだか少し欲しくなってしまうのは何故だろうか?
やはり特に必要な道具は無かった、まぁまだそこまで困っている訳じゃ無いし···
いや連絡手段には困っているんだが···とは言え無いんなら仕方無い、そう言えば
魔法には通信系が有るんだろうか?そっちも調べないといけないのか
そうなら結局魔術院に行かないと判らないな、どこにあるかギルドに調べ···
いや重要な施設だろうしそれなら広場の地図に書いてあるか?とりあえず
見に行くとしようか、今なら人も少ないだろうし邪魔にはならないだろう
広場中央にある地図の周りにはやはり人は居ない、なにやら木材が山積みになり
木の箱が幾つか置かれその周囲で兵士や職人?が動き回っている位しか変化はない
地図では···左側か冒険者向けの区画?あぁ商業区画の奥にあるのか
一般区画との間にあるがかなり奥にあるな、魔法の研究や実験で当然危険がある
3つに区画が別けられ1つは実験の区画だろうからか周囲には空白地帯があるな
しかしここは一般人も活用するのか?えぇっと一応説明が載ってるのか、横の板?
その隣にある少し小さめの看板に冒険者ギルドと魔法ギルドの事が書かれていた
アルケミスト達のギルドのアトラス院、探究の神アラトスを信仰するアラトス教
魔法ギルドの中心である魔術学院のストレガ、識者の神オーデルミュリオを信仰
冒険者ギルドについてはいいだろう、知らない人向けの説明のようだし
場所は判ったが···まぁ行くのは後でいいだろう、一応2人に顔を出しておくか?
いや今から行っても会えるとは限らないか、ずっと宿にいる訳じゃないだろうし
まぁ人気の無いところで朝まで待つか、休んだ方が体感的に調子がいい気がするし
道具の管理を少しして最後に装備の点検をする、そして朝まで意識を落とし待つ
朝になって少し表通りを歩く、木の箱を沢山移動させていて慌ただしくなっている
人通りも少ないし露店も開いてない、見るものも無いため少し早いが宿へ向かう
宿の食堂?はどうやら泊まっていなくても割高ではあるが使えるようだ···
メニューを見ると確かに高い、と言うか皆そこらの近くにある露店に行くだろう
食堂に関しては外部の活用者は多分いないと思われる、すぐ側の広いスペースには
時間的には少し早めの朝食位の時間だ、だが残念ながらそこには既に人が結構いて
冒険者らしき格好の人が10人いる···とは言え身なりから判別しているだけだが
そして少ないがある椅子は全て使用されているためそこから離れた部屋の脇にある
目立たないソファーに座って暫く待つ事にする、あと少しで7時30···いつ来る?
息を殺すようにじっと待ち、8時を少し過ぎた頃に中央階段から3人が降りてきた
「待ってたの?そう言えば次会う予定話して無かったわね」
「あぁだからここで待ってた、確実に会えるからな」
私が怖いのか警戒しているようで、アイカは2人の後ろに下がってしまった
「ふむ···怖がらせているかな?安心してくれ、直ぐにいなくなるよ」
「大丈夫よ怖がってるんじゃなくて、ちょっと人見知りなだけ」
「そうかならよかった、今日は活動するのか?するなら冒険者ギルドで合流した
方がいいだろうか?何をするかも決めてないからな」
「うーんそうね、そうしましょうか···お金も余裕ある訳じゃないしね」
「そうかなら···」
フードに隠れた首の後ろに手をやり、少女ちゃん人形を引きずり出す
最近慌ただしく人が動いているし安全にももう少し気を付けた方がいいだろう
「ほらこの子を君に貸そう、そこそこ戦える護衛だよ」
アイカの前で膝をつき渡す、見た目的には違和感も嫌悪もないだろうし
「ちょっいいの?て言うか離れても自律稼働出来るの?」
「問題ないはずだ、それに···本人は結構気に入っているようだがな」
人形を持つと少し笑顔になった、緊張も解けてきたのだろう
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