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14.それは成長か退化か

二百八十二話 ダンジョン巡りへ

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282話 旅?の始まり

いつもと違って変わった依頼が多かったし、残念ながらこれと言ったついででこな
せるような依頼も無かった、討伐に関しては抑える様に警告までされているし・・・
移動中は大人しく魔物を出来る限り避けて争わないようにしよう、まぁ元々移動時
は基本的に魔物を無視しているからいつも通りと言えばいつも通りだ、ダンジョン
探し中には戦う必要があるかもしれないが・・・そう思えばダンジョンの情報は確認
しておいた方が良いか、前から更新されているのだろうか?どれ程の周期で変わる
のかは決まっている物だろうし・・・変わって無くてもまぁ再確認出来るだからいいん
だが、近くに増えてくれていると助かる・・・どうやら前から更新されているようだ
帝国は・・・やはり4属性の洞窟と塔があるな、炎の塔に活性化らしき反応を検知した
との事だ、そして都市に近い場所だと[古き戦士達の墳墓]と[殻を纏う戦域]がある
ただ2つとも敵の傾向が判り難いな、ネフィスだと[屍達の踊る霊墓][飛竜舞う断崖]
[毒溜まりの森]か・・・前2つは判り易いが森は傾向不明だ、毒対策が必要なのは判る
取り敢えずこの5つを回ってみるか、ん?[殻を纏う戦域]はランク推奨があるようで
カッパー・シルバークラス以上推奨で、それ以下のクラスに警告が出ている・・・依頼
殆どやってないからクラスが全然上がってないんだよな、このクラス適正としては
中級の上から上級の下未満と言った所だろうか?行けない事も無いか?だがここは
最後に回るとしよう、そうなると一番近い[毒溜まりの森]から[古き戦士達の墳墓]
に行って[屍達の踊る霊墓]、間にある[殻を纏う戦域]を越えて[飛竜舞う断崖]から
[殻を纏う戦域]に戻る感じか、まず[毒溜まりの森]がある霊峰の方へ向かってそこ
から下に右へ右斜め上へ左斜め下に戻るだな、飛竜渓谷の近くに[屍達の踊る霊墓]
があるから、迷った場合飛竜渓谷を目印にすれば大まかな距離感は把握出来るな
正直今の装備では毒対策が全くないし、しっかりした靴でないと毒沼どころかそこ
らの水溜りにある毒すら素通りさせてしまうだろう・・・元からある毒への抵抗力に
期待するか?そもそも毒耐性を鍛える目的で行くのすら全然ありな選択肢ではある
からな、今回それが目的では無いが・・・ダンジョンのついでに鍛えられるなら損も
無い、耐性系じゃなくても基本能力であるマスタリーは重要だからな、そもそも
何故かレベルと身体能力だけ上がって全然スキルが鍛えられてないアンバランスな
ステータスになっていると言った問題がある、今回のダンジョン周りにはこれを
どうにかするための目的があったりする・・・ただこれも主目標では無い、今回の主
目標は鍛える事と装備回収、それと同時に少しでも戦いの経験を積む事だ、なんと
なく戦い方を忘却している気がする、いや肉弾戦はいいが武器を使った戦闘が下手
になっていると言うか動き方を忘れたと言うか・・・うむ、暴走したせいだろうな
「ふむ、依頼も随分様変わりしたモノだ、まぁ忙しく余裕が無いよりはマシか」
「アンデッド系が増えている・・・?そこまで死者が増える事などあったか?」
2人も何やら依頼や記載情報を見回って呟いている、それにしてもアンデッドの急
な増加・・・法国や教国を消したからか?いやでもあれなら死骸が残らない以上アン
デッドに変わって出てくる事は無いはずなんだが、多く死んだ場合関係ないのか?
それともアンデッド化に死骸の有無は発生率にしか影響がないだけなのか・・・死骸
がある場合高確率でアンデッド化するようだが、別に人が死んでいなさそうな場所
でも人型のアンデッドが居るようだから自然発生する可能性は大いにある、っとと
流石に思考が逸れ過ぎたな、そろそろダンジョンに向かわないと・・・日も暮れ始め
ている時間だし、今から向かえば暗くなる前に余裕を持って着ける
「ほう、翼竜も飛竜も最近は大人しいのか、良い事だ」
「元々棲家を大きく離れて活動する種類の魔物では無いからな、安定しているのだ
ろうが・・・しかし他の魔物の生息環境は不安定になっている」
「力ある魔物が誕生したか、他所から来て縄張りにしてしまったかだろうな、まぁ
良くある事だ、冒険者たちが対処しているのだからあまり気にする事は無い」
「魔法使い達も動いていたし、どっちもギルドで動いてるんでしょう」
ふむ、恐らく高位の冒険者に情報収集の依頼が出てるって事だろう、なら暫すれば
情報も集まって収まってダンジョン巡りをしている間に収まっているかもしれない
「まぁ我々は特に気にする必要も無いでしょう」
「そうだな、危険が無いように警戒していればそれでいいだろう」
「ですね、外に出たらまず道のりに沿って霊峰の方へ向かいましょう」
整備され硬く踏みしめられている見通しのいい道を進んで行けば、何度か冒険者達の
集団とすれ違う事もあった、どうやら警戒のため見回りしているチームのようだ・・・
人気の無い所では走って進んでいると木々のある道とこれまでと同じような道とで
別れる場所に来た、真っ直ぐは少し木々が増えているが道は整備されているが、もう
片方の道は木々が増えるだけでなく道も整備されていないのかデコボコしている・・・
車輪の痕や削れている部分もあるが使われていない訳では無いのか、分かれ道から少
しまでの部分は整備されている、どうやらこっちが霊峰に向かう道のようだ、奥には
巨大な天を突く細長い山が見えている、頂上の辺りは雲を越えている高さがあるアレ
が霊峰か・・・下は殆どが自然に覆われていて上の方は所々緑が見える位しか見えない
見ているとどことなくその景色が空気に揺れているように見える事がある、変わった
山だ・・・高さだけでなくこれだけでも普通の山とは言えないんじゃないんだろうか?
近付いて行くと頭頂部付近は外からは見えなかった霧に覆われているのが見えてきた
やはり普通の山では無いのだろう・・・周囲から魔物の気配がする、だというのに山の
方からは魔物の気配が一切しない、気配を隠しているだけなのか1体も存在しないの
かは判らないが・・・何か膜の様な物を越えた?途端空気が変わった、重厚感のある圧
し潰しに来るような感覚と共に神秘的とでも言うような荘厳な空気へと変わっている
取り敢えずこの外周付近を行けば魔物に襲われる事はないだろう、安全な通路として
使われているのか、踏み固められて道が出来ている所を進んで行く
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