ずっとそばにいてほしかった

海がミタイ

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過去と現在

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 清水雪と出会ったのは、俺がまだ年少の頃だった。

雪って名前がついてるだけあって、髪は白くてサラサラしてて、凄く綺麗だったのを覚えてる。名前が体現するとはこの事かと、納得するくらいに見惚れてしまう。おまけにクリっとした目に整った顔立ちがさらに雪の魅力を際立たせた。

「、、、えっ竜のカード持ってんの」

「うん」

「僕それの色違い持ってんだ、、お揃い」

幼稚園にこっそり持ってきていた、カードゲームを雪が偶然見た事により、お互い自分の好きな話題で友達になったのが始まりだ。

それからは、どんな時でもずっと一緒で、遊ぶ時も昼寝の時間でも、雪は僕の隣にいた。

でもある時、深刻そうな表情で雪は俺に自分の性がオメガであると打ち明けた。

それは俺にとっては、信じられない物で何でもできる雪を俺はてっきり、優秀遺伝子と謳われるアルファと勘違いしていた。

核なる俺、新田蓮も性はアルファである。しかし、優秀と言われる分には何もかもがおっちょこちょいの劣勢遺伝子でしかない。

でも雪は違った。真面目で努力家で、虫が苦手な俺の事を見を呈して守る、漢中の漢だ。

そんな雪が俺にとっては憧れで、いつしか恋愛的な意味で好きな人物になっていた。


そういえばと思い返す、オメガとアルファであれば、男同士であっても、子供が産めると聞いた事があった。

俺は意を決して、雪に思いを伝えた。最初はびっくりした表情だったけど、徐々に頬を赤く染め、視線をしどろもどろになる、そしてついに「僕も」と手を差し出された。

「じゃあ俺と将来結婚する??」

「、、、いいの!!僕じゃあ許婚???」

「いいなづけ??」

「許嫁はね!!未来のお婿さんってこと僕が」


「お婿さん!!やった!!」


嬉しくなり、ぎゅうっと思わず雪を力強く抱きしめた。

そして時が立ち、十数年俺は立派に成長し、気づけば17歳高校三年生になっていた。あの約束の後すぐに、親の転勤で引っ越し離れ離れになってしまった。

家も分からず、音信不通の状態がずっと続いている。

「懐かしい、、、また会えねえかな」

無心に天井を見つめ、自室のベッドに寝っ転がり、昔の事をぼーと思い出していた。

最近は進路先の事で、学校で面談を受けるのも多くなった。将来への不安もあり、今はその事で完全にやる気をなくしている。

あの時、すぐにでも雪のうなじに噛みつけば、番になれていたかも知れない。

ひょっとしたら、今じゃもう別の恋人がいて、俺の事なんか忘れてキャッキャウフフしてるのかもりしれない。

でもそう考えるだけで、無性に気持ちがピリピリして虫唾が走る。


この気持ちはなんだろう、ヤキモチかと胸の辺りを押さえてみる。


雪に会いたい、そして今も好きだって伝えたい。



「、、あれ?俺って意外と愛重い??」






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